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私が故郷(福岡)に帰らない理由。

こんにちは。ずっと黒糖ミルクかココナッツミルクティーだったのにタロ芋に浮気しちゃってます。週に10杯飲んでいた2年前。ここ最近は何ヶ月かに1回になったなぁ。

さて帰省シーズンですが、今年はどうなんだろうね?帰省する人減るのかね?私は高校卒業と同時に進学を機に地元を離れたのでもう地元以外で過ごしてる年数が上回りました。福岡って住みたい都市ランキングに大体のってて、福岡から出たことない子は離婚してシングルマザーになって特になんの縁もゆかりもない、親戚もいない東京に住み続けていることを不思議がる。更に私は帰省もほとんどしていないし、きっと不思議を超えて奇妙な人だ。別に東京に恋焦がれる彼がいるわけでも、バリキャリで絶対に仕事を辞められない立場でもない。なんならひと所にいるのは苦手で仕事なんて続いてもせいぜい1年半くらいのものだ。

私だって馬鹿ではないから、福岡がそれなりに都会で、欲しいものはそれなりに手に入り、私は塩顔が好きだけど、男性陣は濃いめのイケメンが多いことも知っている。何より今私が東京で支払っている家賃で都心のタワマンに住めることだって、東京では値段の割に美味しくない飲食店が山ほどあるけど、福岡は大体どこの店に入っても美味しい食事が安価で提供されることを知っている。

でも私は今はほぼ絶縁状態の母が、私が上京するときに言った一言をずっと覚えている。「あなたは本当の都会っ子ではないのよ。東京は本物の都会。あなたは九州という島の中にある都会で育っただけ。街っ子。きっと東京に行けばママの言葉の意味がわかるわよ。」その頃の私は全然母の言葉の意味を理解していなかったし、人が多くなるくらいのもんって思って軽く聞き流して上京した。

その言葉を理解するのに多くの時間は要さなかった。「土日の人混みが大好き、わちゃわちゃしてる感じ、大好き」って言っていた私が週末は引きこもるようになった。福岡の週末以上に平日だって人はいて、満員電車の定義も覆された。満員とは息ができないレベルなんだ、人はこんなにも早く歩けるものなんだ、そしてこんなにも人に対して人は無関心でいいんだと気づいた。性格上根掘り葉掘り人のプライベートなことを聞いてくる人もいるけれど、なんとなく無関心、悪く言えば自分のことに必死、精一杯すぎて人のことまで考えているような余裕はない。やや複雑な人生を歩んでいる私にとってこの無関心さは寂しい時もたまにはあったけれど、ほぼポジティブに働いた。ありがたかったし、心地よかった。というか悪くはなかった。あ、あとお金持ちの定義も変わった。そこまで低所得者層のレベルは変わらないのだけれど、高所得者層は本当に雲の上の人たち、社長令嬢なんて何をしても許されるというか許さなければならない存在みたいだった。

人生の選択肢がたくさんあることも良かった。というか、母数が多いからマイノリティも多くなるわけでその中でまた枝分かれして選択肢が増えるだけなのだけど。ここから先は私の偏見も混ざっているから、読んで不快な人もいるだろうけれど、地方の人は短大、大学を出て地元で2年くらい働いて、結婚して妊娠、出産、いつの間にか間にか2、3人のママになって、社宅で貯めたお金を頭金にしてマイホームを買って、子どもの習い事やらイベントで大活躍する…ちょっと子育てが落ち着いてきたら扶養内で働きに出たり、趣味と仕事の境目みたいなことをやって一人社長やってるそんなイメージ。私は中学受験のために塾に通い出した時親戚から「女の子にそんなに教育費かけんでよかろうもん」って言われてた。

きっと私も20代前半で結婚して子どもを授かるんだろうな…っていたけど上京したら27歳くらい30くらいで結婚したいなぁなんて言いつつなんとなく婚活を始めて、結婚適齢期は32、3歳、結婚をしない選択をする人、結婚はするけど子どもは作らない選択をする人、パートナー関係だけを維持する人、そもそもパートナーすら作らない(作れないのではない)人、色んな人たちを見た。私は27歳で娘を産んだけれど、感覚というのは麻痺していくもので、東京にいたら何歳で結婚するやらしないやら、子どもがいるとかいないとか、そういうことがどうでも良くなって、SNSでの結婚報告すら誕生日くらいにしか感じなくなってくる。そう、東京では再婚願望はないの?だのひとりっ子は可哀想だから、あと一人産むならタイムリミットがなんちゃらかんちゃら言ってくる人もいない。

私は見栄っ張りだし、意外とポキっと人の発言でへこむ。人を人並みには羨むし、根底では私もそんな風に平和に普通に生きたかったなって思う。だから結局のところ意固地なしで、そうやって心がポキッと折れるのが怖くて、帰省できないんだと思う。中高を一緒に過ごした友達は今でも大好きだし、今だって思い出の場所に行けば懐かしくて、涙を流す自信さえある。

大好きで大嫌いで、近寄ることができない、それが私にとっての故郷福岡なのです。


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