父から学んだこと②
〇営業はごめんなさいだけで終わるな
販売を予定していた商品が欠品してしまったとき、皆さんはどうしますか?
Ⓐ. 時間はかかるが追加生産する
Ⓑ. 追加は不可能、ここで販売終了
Ⓐであれば、できるだけ納期を詰めてお届けできる日をできるだけ正確にお伝えする。でもその日までお待ちくださいとなるので、その時間待ってまで欲しくないなという人たちは購入機会を逸してしまうでしょう。
Ⓑの場合、もうどうにもなりません。ごめんなさい。
場合によって、注文受けた分の返金なども発生するかもしれません。
いずれも、基本的にはごめんなさい、「できるまで待ってください」か「もうないのです」です。日本での販売ってこのいずれかが多いようにも思うのですが、父について営業をしていた時、こういう事態の対応は絶対「ごめんなさい」だけでは終わらないやり方をしていました。
例えばどういうことかというと、常に代替案を提示するのです。
売ろうとしていた商品が欠品してしまった時、
その商品は今はないけれど、
その商品の前のモデルは〇個あります。今のモデルと違うはAとBです。
こちらの商品でしたらすぐにご用意できますので、本来〇円で提供しているものですが、この度のお詫びも兼ねて通常価格の〇%OFFにてご提供いたします。
もちろん、本来販売している商品が欲しい人にとって別に嬉しい事でもなんでもないかもしれません。でも代替案を提示してお客様に選んでいただける状況を作ることで、少なくとも「ないです」という一方的な感じは緩和されるかなと思います。そしてそんなときのディスカウントはかなり思い切ったお得感を出せるように条件交渉(卸売の立場で仕入先と交渉)をしていました。舞台裏ではピンチをチャンスととらえて強気に条件交渉するのです。このあたりは営業の醍醐味でもありました。
メーカー、卸売業者、販売店、など立場は違えども、顧客にモノを販売しているという点ではこの手法は同じく使えるかなと思います。
昔、TOEICの問題で、このような内容を見たことがあります。ペンキ販売店が顧客の注文に対して返信しているメールです。
「ご注文の内、この色はメーカーで廃盤になっていて用意できません。ですが、こちらのカラーかこちらのカラーでしたら若干トーンはご希望のモノとは異なりますが、ご用意可能です。その場合は〇%OFFでご提供いたします。本日サンプルを送りますのでご確認ください。それではお返事お待ちしております。」
確かこんな内容だったと思います。アメリカではこんな風に販売するんだな、嫌な気持ちにさせない。さすがだな!と感心したのを覚えています。商魂ですよね。
さて、話が長くなりましたが、何を書きたかったかというと。
とにかく、「ごめんなさい」だけで終わらないということです。
もちろん約束していたことができなかった事に対して真摯にお詫びをすることは第一にやることです。そうなった原因や経緯をお伝えして理解を得ることも大事だと思います。
でもそれだけだと、またそうなるかも。とか、どうせなくなるんでしょっていう印象だけを残してしまう可能性があります。でもそうじゃない、「ここは自分たちの事を考えてくれる」、と信頼をつなぎとめるコミュニケーションをすることが大事なのです。
因みに、なんでもかんでも詫びてタダにする、というのも違うと思います。それをやったら何でも失敗したらタダになる。てなるからです。これも相手のことを考えていない手法だと思います。
タダにするのは簡単です。だからこそ、何回もできる技ではないのです。
失敗の定義が明確で、その時の「埋め合わせ」を顧客のためにいかに考えぬくか。マーケティングの中で大事な部分と思います。
そうやってみると、一流の商品やサービスを提供しているところは、しっかり取り組まれているのだなとわかり、信頼感が醸成されます。