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髭と少年

昨日は昼にセーターをおさがりで譲り受けた。
赤色のセーターはクリスマスらしくもあり年末の帰省感もあり、
なんだか白馬の別荘おじいさん。
はたまた、こたつでみかんを食べる思春期の姿にも写る。
夜には友人を招いて、少し早めのクリスマス兼バースデーケーキを食べ祝い、
ワイワイと盛り上がるカードゲームは年末の酔いを演出する。

最近、髭を剃っていない。
なかなか髭まで僕の気配が行き届かないからなのだが、
バックミラーや、水面から覗いてくるワタクシにびっくりすることがある。
何せイメージの僕は髭も生えてない青臭い青年のままだから。

まぁ、たまに友人が僕を笑うのもよくわかる。

しかしながら、よくよく顔を覗き込むと今のこの表情はとても好きだ。
ヘンテコな自信に満ちている。

それは、漁港の隅に打ち捨てられたオンボロの車を秘密基地にした放課後。
早朝、予備校に忍びこみ長靴を拝借して小町通りに潜む河を歩いた夏の盛り。

仲間と輝かしいミライを画策し行動に移すとき、
あの頃の根拠のない自信が沸沸と湧き上がる。

自信の芽を植えつけたのは可愛がってくれた家族、ともだちに他ならない。
それに凪の海にカポンッと音を打つテトラポットの風景、
そして、鎌倉の路地に潜む寺が育てた銀杏の黄色。

幼少期から青年期を支えてくれた存在に感謝を込めて。
さぁ、年末年始会いに行こう。

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