究極の顧客始点が実現する新たな購買活動の在り方。バイヤーイネーブルメントを支える「資料トラッキング」とは。
購買担当者の声からみるBtoB購買のトレンド
弊社(株式会社AimyTech)が行った最新の調査によると、購買担当者の68%が、「サービスを本格的に検討する際に最も頼りにするコンテンツ」としてLPのサービス概要資料や営業担当者から提供された資料を挙げています。これは、営業資料が最も購買に影響を与えるコンテンツであることを示しており、次点で重要視された提供会社のWebサイト(30%)とは倍以上の開きがありました。
また、91%の購買担当者は、商談後に営業資料を社内展開していることも明らかとなりました。これらの事実から、企業は何らかのサービスを導入するに際し、「営業資料を重要な参考資料と位置づけ、社内展開しながら組織的に検討を進める」傾向があることが読み取れます。
こうした購買プロセスのトレンドは、営業経験がある読者であれば納得感があるかもしれません。一方で、同調査では「営業にできるだけ会わずに、購買活動を進めたいですか?」という質問に対して「YES」と回答した割合は過半数を超えており、少々受け入れがたい現実も浮き彫りになりました。
このような背景から営業担当者は、直接会わずとも購買担当者の資料閲覧状況や検討状況を把握し、次なる一手を考える必要性があると言えます。なぜなら、購買担当者が望むのは、自らのペースで情報を収集し、社内での意思決定をスムーズに行うためのサポートだからです。営業側は、このニーズに応える形で、顧客の検討状況をデジタル上で追跡・分析する新しい営業戦略を模索する必要があるというわけです。
マーケティング領域で盛んな「トラッキング」、営業活動ではまだ手薄
見込み顧客のオンライン上の動きを追跡・分析する「トラッキング」と呼ばれる手法は、マーケティング・オートメーション(MA)の分野では徐々に浸透しつつあります。実際、Nexal社によるレポートによれば、国内上場企業のMAツールの利用率は、2018年7月時点で6.42%だったものが2023年1月時点で14.37%に達しており年平均2%ずつ増加していることが分かっています。
「トラッキング」技術を用いたマーケティング・オートメーション(MA)ツールを活用することで、顧客がどのウェブページを閲覧し、どのコンテンツに関心を示しているのかを詳細に把握し、ターゲティングやリードナーチャリングを効果的に行うことができます。最近では、「トラッキング」によって得られるユーザーや顧客の意図や関心を示すデータを「インテントデータ」と呼び、マーケティング領域における活用が叫ばれています。
一方、営業活動においては、顧客の購買プロセスを「トラッキング」する手法がまだ十分に浸透していないことも事実です。営業担当者は、依然として顧客に直接連絡を取って検討状況を確認する必要があり、これが顧客にとっても負担となることが少なくありません。営業プロセスにおける「トラッキング」の不足は、顧客とのコミュニケーションの質を低下させるだけでなく、営業活動の効率を大きく損ねてもいます。だからこそ我々は、営業プロセスにおいてもマーケティング活動同様「トラッキング」の概念を導入し、顧客のニーズに合わせたパーソナライズドな提案活動が必要だと考えているのです。
営業資料のトラッキングが変革する営業の在り方
営業プロセスに「トラッキング」を導入する場合、追跡対象は、冒頭で述べたように購買担当者が最も重要視する「営業資料」であるべきです。営業資料をトラッキングすることで、資料の「どのページが閲覧されたか」「閲覧にどれだけの時間が費やされたか」「誰に共有されたか」といった詳細なデータを取得することが可能です。結果、顧客の関心領域や検討の深度、あるいは組織的にどれだけ検討が進んでいるのかを正確に把握できます。
たとえば、特定のページが繰り返し閲覧されている場合、そのページに関連する詳細な情報提供を行うことで、顧客にとって価値のある情報提供が実現できるでしょう。また、社内で共有された資料の閲覧者を把握することで、意思決定に関与しているキーパーソンを特定し、より効果的な営業戦略の立案に繋げることが可能です。
このように、営業資料をトラッキングすることで、購買担当者が「必要なタイミングで」「必要な情報のみ」を提供することに繋がり、営業活動の無駄を大幅にカットすることができるのです。これは、購買担当者にとっても、不必要なコミュニケーションを省くことができ、気持ちの良い購買プロセスを体験することを意味します。
高精度のトラッキング機能を誇る「GRiX」とは
「バイヤーイネーブルメント」が提唱された米国市場では、営業資料のトラッキング機能が搭載されたツールが徐々に登場し始めており、営業活動の変革を後押ししています。一方、日本国内においては、AimyTechが提供する営業支援SaaS「GRiX」が高精度なトラッキング機能を持つことで注目を集めています。
「GRiX」は、単に資料の開封状況を確認するだけでなく、各ページごとの滞在時間、表示回数、さらには閲覧者の社内での共有状況まで詳細にトラッキングします。このようなデータの収集と分析を通じて、購買担当者の「温度感」や「(サービスの)興味を持ったポイント」を正確に判断することができ、適切な顧客管理やアプローチ戦略の立案に役立てることができます。
ここからは、「GRiX」の実際の導入事例を踏まえて「トラッキング」がどのように営業活動を変革することができるか見ていきましょう。
HRテック企業様での「GRiX」導入事例
あるHRテック企業様では、インバウンド施策は順調に成果を上げていたものの、アウトバウンド施策においては着電率が低く、潜在顧客との接点が不足していました。従来のMAツールでは、メール開封やクリック率などの情報は取得可能なものの、顧客の関心度を的確に把握することが難しく、効果的な架電のタイミングを見極められないという課題を抱えていました。そこで、同社が求めていたのは、顧客がサービスに興味を持つタイミングを的確に捉え、具体的な関心ポイントを把握できるソリューションでした。
GRiXは、資料の閲覧状況を詳細にトラッキングできるため、顧客の関心度を正確に見極めることが可能です。また、既存のMAと連携し、資料請求フォームからの閲覧データ取得を完全に自動化できる点が、ニーズに合致していたため導入することになりました。
GRiX導入の成果としては、アウトバウンド施策における着電率が20%から40%へと倍増しました。これは、顧客の行動データを基にした精度の高いアプローチが可能になったためです。さらに、コンテンツの一元管理により、常に最新の資料を活用できる体制が整い、マーケティング戦略の見直しや改善にも迅速に対応できるようになりました。
営業代行企業様での「GRiX」導入事例
ある営業代行企業様では、少ない営業人数で多くの問い合わせに対応する必要があり、初回商談の設定率向上が課題でした。さらに、営業活動が属人的で管理体制が整っておらず、PPAPによる資料送付も商談化に繋がりづらい要因となっていました。そこで、セキュリティを確保しつつも、リアルタイムで顧客の資料閲覧状況を把握し、適切なタイミングでアプローチできるツールを求めていました。
GRiXは資料の閲覧状況をリアルタイムで確認でき、URLでの資料送付によりセキュリティ面でも優れている点が決め手となりました。GRiX導入後、リードから商談設定率が20%から78%に向上。トラッキングデータに基づき、「HOT・MEDIAM・COLD」と、顧客の興味度合いを自動でスコアリングしてくれるため、タイムリー且つ効果的なアプローチが可能になりました。結果、営業活動の精度が飛躍的に向上しました。また、資料の一元管理により、常に最新の情報を提供できる体制が整い、営業効率の向上にも寄与しています。
まとめ
本記事では、営業資料の「トラッキング技術」を活用することで、営業と購買担当者の双方にとって、よりスムーズで効果的な意思決定プロセスを支援できることを解説しました。購買担当者は、自身のペースで情報を収集し、組織内で検討を深めたいと考えていますが、営業側はそのニーズに応え、適切なタイミングでのサポートを提供することが求められます。トラッキングを通じて、顧客にとっても営業にとっても負担を減らし、気持ちよくスムーズなコミュニケーションを実現することができると考えています。
高精度な資料トラッキング技術が搭載された「GRiX」は、そうした「新たな購買体験」を普及させるために誕生しました。ご興味を持たれた方は、是非一度お問合せください。
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