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【読書会記録】孫子の兵法①

大学院の友人と、人生初の「読書会」なるものを始めました。
古典を学ぼうということで、記念すべき第一冊目は「孫子の兵法」。
下記の本をベースに読み進めることになりました。

▼読書中図書

『最高の戦略教科書 孫子』守屋淳 著  日本経済新聞出版

▼感想

読書会って面白いですね!!
方法はお互いに同じ章を読んできた上で、感想や意見を交換するというもの。一人で読むより圧倒的に理解が深まると感じています。

友人の目を借り、脳みそを借り、経験を借りることで、自分自身の視野が大きく広げられる実感がありました!読書会、おすすめです。

さて、初回に読んだ第一章と、原典との対応表は下記の通りです。(①=第一章でピックアップされていた箇所)


以降に、印象に残った文章*を引用し、どんな点で関心を引かれたのかを備忘録的に残していきたいと思います。
*本著掲載内容に補足した原典情報も含みます。


▼印象に残ったフレーズ

◆原理原則を使いこなすということ

(VUCA的な世情を指して) こんな場合に何より必要になってくるのは
 「あっちの方向へ進めば何とかなるはず」という方向性の感覚と
 「水がないと人は死んでしまうので、水の確保を最優先とする」
といった競争状態での原理原則の数々に他ならない。 

『最高の戦略教科書 孫子』

↑ 原理原則を学ぶことこそ、歴史を学ぶ醍醐味!何千年もの間、数えきれない人々に使い倒されて尚、生き残ってきた古典には、普遍的な教えが沢山です。

と、頭でわかりながら、仕事の前線では「原理原則」を意識する余裕がなかったなと反省・・。困った時・焦った時にこそ立ち返ることができるように、日頃からアンテナを立てていきたいものです。

まずは大学院のケーススタディで、もっと「原理原則」を使いこなすことからスタートかな。

今回は、「原理原則=孫子の教え」としていますが、今、通っている大学院での学びは、様々なケースを通して、先人たちが築いてきた「原理原則」の語彙を増やそうとする作業なのだなと、改めて思いました。

◆孫子もポーターも戦わない戦略を謳っている

百戦百勝は善の善なるものに非ず。
戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり。
~中略~
善く兵を用うる者は、人の兵を屈するも戦うに非ざるなり。
人の城を抜くも攻むるに非ざるなり。
人の国を毀るも久しきに非ざるなり。
必ず全きを以て天下に争う。故に兵頓れずして利全くすべし。
謀攻の法なり。

孫子の兵法

↑ 「戦いまくって勝つ」のではなく、「戦わずして勝つ」ことの利を説く箇所。友人はポーターの競争戦略と重ねて読んだと言っていました。(この並行読書も面白そう・・!)孫子もポーターも、同じく競争しないための競争戦略を書いていますが、きっと、ポーターは孫子を読んでいたんだろうな。

また、たとえ敵だとしても極限まで追い詰め殲滅するのではなく、無傷で仲間に引き入れるのが良い、という内容が書かれています。

曹操が黄巾党を倒すのではなく味方に引き入れることで、圧倒的なスピードで制圧していったとの故事も引用されているのですが、現代の組織マネジメントや事業エコシステムにおいても、同じことが言えるのではないかと感じました。

◆戦わずして勝つ、が、いつでも戦えるように備えておく

お互いが永続を目指すべく、モラルを守って、和を作り上げた地域や
集団というのは、戦い慣れした外部勢力からは、
「競争相手がひ弱で美味しい市場」に見えてしまう。
特に、永続を目指すうちに、戦い方を忘れてしまうと、
いいように食い荒らされかねない。

『最高の戦略教科書 孫子』

国大なりと雖も戦いを好めば必ず亡ぶ。
天下安しと雖も戦いを忘るれば必ず危うし。

『司馬法』

業界外からの新規参入者によって、ラディカルイノベーションが引き起こされる時、彼らの目には既存業界が「ひ弱で美味しい市場」に見えているんだろうなとの会話になりました。

競争を避け、うまく勝つことは重要である一方、一定の競争状態に身を置き、常に危機感を有していることは、ビジネスの観点でも重要な「原理原則」なのだと改めて確認。

◆答えるべき問いに答えること、はそんなに簡単じゃない
読書会では話の脱線も面白いものです。
孫子の兵法の議論から発展し、MBAの勉強でも頻出する「イシューを捉えよ(答えるべき問いに答えよ)」ということについても話題が及びました。

友人曰く、「イシューはそんなに簡単に捉えられるものじゃない!」とのこと。あるべき姿と現状のギャップを捉え、その背景・理由を分解・分析・深堀する、その過程を何度も繰り返して、ようやく、いくつかの答えるべき問いが見えてくる。クリティカルシンキングの最初に、さくっと設定できるレベルのものではないのでは??との話でした。

た、たしかに、私、イシュー乱用しちゃってたかも・・!!!このあたりは、後日、勉強会も考えてくれるそうなので、楽しみにしたいと思います。

次回は『最高の戦略教科書 孫子』の第二章&第三章+解説を読みます!

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