しょうぼうじどうしゃじぷた(小学校低学年男児に読み聞かせた絵本を紹介)No.142
渡辺茂男(著) 福音館書店
ある街の消防署に配属されている、ちびっこ消防車が主人公のお話です。
はしごしゃ、こうあつしゃ、きゅうきゅうしゃ、そしてジープを改造したちびっこしょうぼうしゃは、火災やけが人が出た際に出動します。
はしご車は梯子がある事が、高圧車はたくさん水を出せる事が、救急車はケガや病気の人をすぐに運べることが自慢です。ところがちびっこ消防車のじぷたは、ジープを改造した小さな消防車で、特に自慢する事もありません。
はしご車も高圧車も救急車も、そんなじぷたを若干バカにしています。また街の人も、じぷたには見向きもしません。
ある日、山小屋で火災が発生します。いざ出動となりますが、はしご車や高圧車では道が細くて行けず、救急車は火災では出動出来ません。消防署の所長はじぷたに出動を要請します。じぷたは火事を消火出来るのでしょうか…
単に火を消して終わり、というお話ではなく、今回の出動によってじぷたの心の成長を描いています。いつも役割がなく出動しても活躍出来ないじぷたにも、ちゃんと活躍出来る場所はあるのだよ、という描き方を通して、どんな人でも輝ける場所はあるのだよ、という事を子供に伝えたいのかなと思いました。
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