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うつ病の私を支えた男飯


私は昨年10月末に、うつ状態と身体表現性障害と診断され休職を開始した。初診時はうつ状態(=うつ病の一歩手前)だったが、その後「うつ病」に発展していった。


うつ病になると、とにかく何のやる気も起きない。ワンルームの部屋でベッドに寝っ転がり、永遠にゲームをするかyoutubeを眺め続けながら同棲している彼氏の帰りを待つ。立ち上がる気力もないので、トイレもギリギリまで行かない。なんなら寝返りも面倒くさい。

そんな、0%まで落ち切ったエネルギーを貯めるには「とにかく食事と睡眠だ」と主治医は言う。

当時は毎日16時間くらい寝ていたので、睡眠はひとまずOKという感じだったが、問題は食事。料理なんて、絶対にできない。第一キッチンに立ち続けなければいけないし、レシピを考えるのに脳を使うし、冷蔵庫を見るために屈伸運動が必要だし…エネルギー消費量が高すぎるタスクなのだ。


そこで自然と、彼氏が毎日ご飯を作ってくれるようになった。ちなみに彼はスタートアップの代表として日々激務に追われて毎晩ヘトヘトで帰宅することに加え、料理経験はほとんどゼロ。そんな中、レシピサイトを見ながら毎晩欠かさず夜ご飯を作ってくれた。

ある日の夜ご飯、チーズ入りカレーと卵カレー。
SNSにあげる予定は無かったので生活感丸出しです。


正直、「食べるのが面倒くさい」というのが本音だった。彼はいつも「無理して食べなくてもいいよ」と言ってくれたが、慣れない手付きで時間をかけて作ってくれた男飯を「できたよ~食べれそう?」と言って運んできてくれると、自然と食欲が湧き、なんとかベッドから出られた。そして食べ終わるとエネルギーが尽きてすぐベッドに戻る。


毎日ほぼ一日中ベッドにいた当時の私にとって、彼と一緒に食事をするこの時間だけが「生きている実感」を与えてくれていたように思う。


さらに、彼は毎晩次の日の昼ご飯も作ってくれた。そうしないと私が夜まで何も作れず何も食べれないからだ。しかし、日中一人の時は食べる気力がどうしても湧かず、作ってくれたのに食べれないことが多かった。それでも毎日、昼頃に起きてキッチンに行くと必ず昼ご飯が置いてあった。

段々と腕が上がり、”家庭の味”っぽいお料理やお漬物まで作ってくれるように…
数日間の出張に行く時には作り置きしてくれた。


先日温泉で久しぶりに体重計に乗ると、うつ病になってからの約半年間で体重が7kgも減っていた。食欲は明らかに減退していたから当然かもしれないが、「さすがに7kgも?!」とギョッとしたし、正直かなりショックだった。


しかし今は、マイナス7kgで留まったことが有難いなと心底感じる。なぜなら「決して料理好きではない彼が、ヘトヘトの身体で、私の回復のために一生懸命つくってくれた」と思うことで、「私自身も回復のために一生懸命食べよう」と思えたから。そのおかげで、私は少しでも ”食べること” を続けられたから。もしも彼がいなかったら、もっともっと痩せていたはずだから。


お陰で病状は少しずつ回復し、外に出かけたり、人に会ったりも出来るようになっていった。最近は、こんな風にパソコンでnoteを書けるようにもなってきた。毎日ベッドから出れなかった最初の数ヶ月間と比べるとかなりの回復だ。


これは、元気をもらった食事であり、ちょっと大袈裟に言うと私の命を支えてくれた食事、かな?食事は、生きるエネルギーの源泉そのもの。まだうつ病は寛解してないけど、今日も彼の手料理を美味しくいただいて元気に生きてゆきます。


#元気をもらったあの食事

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