フィードバック×「100案」の強大な力


※こちらの記事はエッセイ形式のナレッジ共有記事となっています。エッセイ的な要素が不要な方は、目次「とにかく100案出せ」辺りから読んでいただければ幸いです。

誰かの人生を変えるような、愛情のインフラをつくりたい

これは、わたしの人生のミッションだ。詳しく語るとそれだけでこのnoteが終わってしまいそうなので、出来るだけ簡単に説明させてもらう。

私はいつも愛ある大人から機会をもらって、それに挑戦することで、人生を切り開いてきた。その度に、生きることが楽しくなった。

そんな素晴らしい経験を、「愛情のインフラ」として「愛情のある仕組み」として、世の中すべての人が享受できたら、どんなに幸せだろうか。そんな風に思って、このミッションを掲げた。

そして今、愛情のインフラ作りのプロになるため、プロダクトデザイン・UXデザイン・プロダクトマネジメント等を学んでいる。

宣伝会議コピーライター養成講座との出会い

話は変わって、2020年頃。私は渋谷で働いていた。
通勤で使う渋谷駅ではいつも、あざと可愛い女子が私を誘ってきた。

こんな感じで(こちらは山之内すずちゃん)

(AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議 > お知らせ > 講座・無料講座 > 【オンライン配信/参加無料】コピーライター養成講座 特別体験講座 「初心者向け、人に伝わるコピー表現の基本」3月13日(土).2021.https://www.advertimes.com/20210303/article341178/より拝借)

偉人の言葉、尊敬する先輩からのアドバイス、本…確かに、いろんな人のいろんな言葉が私の人生を確かに前進させてくれている。

そして、私はたまたま、ストレングスファインダーの着想が強かった。これはコピーライターとの相性が良さそうだと感じた。

誰かの人生を前進させるような言葉、素晴らしいプロダクトの価値を一言で誰かに届けられるような言葉、そんな言葉を紡げる人間になりたくって、私は、あざと可愛い女子の誘いに乗ってみた。

とにかく100案出せ

コピーライター養成講座の授業で、もっともしつこく教えられたことだった。シンプルだが出来ない・やらない人が多い、そして、最も重要なこと。

ゴミが混ざっててもいいから、とにかく100案。
コピーは書かなければ、始まらない。数を出すことで、良い案が生まれる可能性を少しでも高めることが重要ということか。

自分も挑戦したが、確か70案未満で力尽きた気がする。これはたしかに、簡単にやれることではないと思った(当時は、アイデア出しを助けてくれるChat GPTも世に出ていなかった)。

「コツコツ貢献」がチャンスを引き寄せた

時は巡って、2023年末。私はデジタルマーケティング系の会社のプロダクトデザインの部署にいた。

異動したばかりで、かつ経験が浅かったため、スッと入れる案件がなく、アシスタントディレクターというか、何でも屋さんをやった。業界TOPを走る老舗メーカー様の採用サイトの制作プロジェクトだった。

議事録、資料のたたき作成、細かい仕上げ等、皆が忙しくて、重要だが手が周り切ってないことは、何でも巻き取るように心がけた。

「コツコツ」「貢献出来ることは何でも」やっていたら、だんだんチーム感が生まれてきて、自分がここにいるここにいる事で皆が少しでも喜んでくれているような感覚が感覚が生まれてきた。

そんな矢先、思いがけないチャンスが巡ってきた。

「採用キャッチコピーを急ぎ決めなきゃ。だが、やれる人がいない」

真っ先に手を挙げた。

「私なんかで良いのか?」勇気が必要だった。けど、やりたかった。チャンスだと思った。

宣伝会議でのコピーライター養成講座を半年受講していたから。
きっと、出来る。

ぜひやってくれと、快く任せてもらえた。すごく嬉しかった。

要求定義・要件定義の重要性

社内の先輩からオリエンをもらった。たたきの案は初期に出してあり、初期から今までの流れを踏まえて、必要あればブラッシュアップして出して欲しいとのことだった。

先輩の想定としては、たたきから大きく変える想定はないとのことだったので、少しだけ修正をかけた案を出したところ、

「悪くないんだけど、うちっぽさが欲しいよね〜、もっと劇物的な。

先輩も私も、正直想定外だった。50年の歴史のある業界TOPの老舗メーカー様から「劇物的な」が出てくるとは思わなかった。

これは、難解だが、非常に重要なヒントだと思った。

可能な限り丁寧にお客様にヒアリングし、自分なりに要求定義を行った。

要求:自社のミッション達成の過程では、(レガシーな業界なので)法や政治関連の高いハードルに必ずぶちあたる。そこを超えてこれまでの常識を塗り替え、ミッション達成出来る、高いコミットメントや問題解決力のある人材に響くコピーにしてほしい。

詳しくは省くが、別途、要件定義も行なった。

ここでクライアントの要求定義、コピーに求められる要件定義をすることで、どんな方向でアイデアを出せば良いのかが明確になり、コピー作成の生産性がすごく高まったことを実感した。

コピーライティングとデザインの共通項

要求定義、要件定義が完了した後は、宣伝会議の先生方の教えに従って、100本ノックを始めた。

まずは何とか50本。5時間ほどで書き終えたと思う。
なかなか良い感じのが出てきたぞ。もしかしたら50案で終わるんじゃないか。そんなことを思った。

このタイミングで、先輩方に見てもらった。
結果は「言葉が分かりにくい」「最近、そんな言葉使わなくない…?

少しだけショックだった。劇物感・ハードさを乗り越えてく感は十分だったはずだが、分かりやすさには配慮できていなかった。

いただいたフィードバックを踏まえて、残り50本。根気強く書き続けた。

そして翌日。再度先輩方に見ていただいた結果、複数の方から評価いただいた案が生まれた(やった!)。

複数の表が集まった3案をクライアントに提出。
劇物感が一番ありつつ、言葉もシンプルで分かりやすいコピーが、満場一致で選ばれた。クライアントも納得&満足した表情だった(ほっ)。

自分は少しWEBデザインをかじっていたので思ったことだが、複数パターンのアウトプットに対して、何度もフィードバックをもらうことで、制作物の質は高まっていく。

これは、コピーライティングもWEBデザインと同じだと思った。

飽きるほどインプットし、その良さを取り入れた上で、また、飽きるほどアウトプットする。そして何度もFBをもらう中で、段々良いものが出来ていく。

こんなところで、デザインの共通項として現れるとは、面白い発見だった。

フィードバック×「100案」の強大な力

後日、無事採用サイトが公開された。

私が担当させてもらったコピーはめちゃめちゃかっこよく、サイトTOPにて大きく打ち出されていた(デザイナーさんに感謝🙏)。

そして先輩とのある日の1on1。

「お客さん、君の企業理解とアウトプットの質の高さを褒めていたよ。他のメンバーにも真似して欲しいって。」

とっても嬉しかった。

未経験からの大事な仕事への挑戦。不安だった。けど、宣伝会議で習った通りに100案出したら、なんとなく皆に選んでもらえるものができた。

けど、一度もFBを貰わずに完成できたとは思えない。50案つくった上で、社内のFBを得たこと、それよりまえにクライアントからのFBをもらい、要求&要件定義を行なったこと。1個でも欠けていたら出来てなかった。

どれもとても重要なことだと思ったので、このnoteで書き残しておくことにした。少しでも、誰かの参考になったら嬉しい。



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