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この星とどう付き合ったらよいものか。

#私だけかもしれないレア体験

「あなたは、○○の星の下に生まれています」という言葉を占いなどで、聞いたことがあるのではないでしょうか。

例えば「良縁に恵まれる星・ピンチに強い星」などです。

私は「上司から臭かったら教えてほしい、とお願いされる星」に生まれたのだと思います。

新卒で入社した会社の上司は、40代後半のお腹回りが少し気になる営業の男性でした。終業前に上司へ毎日、業務報告を行っていた。

いつも通り業務報告をしたある日、上司が突然、私に言った。

「僕ね毎晩、生絞りグレープフルーツサワーを飲んでいるんだ。年齢的に加齢臭が出る歳なんだけど、おそらくグレープフルーツの香りだと思う。だから、それ以外の匂いを感じたらすぐ、僕に言ってほしい」

社会人とは、時にスーパー売れっ子MCのような返しができる力が必要なのだ、とこの時初めて知った。

その後の転職先の会社は、とても風通しの良い会社だった。プライベートでもみんな仲が良く、恋バナもたくさんした。そんな背景もあるからだろうか。「なにか俺から臭ったらすぐに、遠慮せず言ってほしい!!」と突然業務中に、立ち上がり社長が私に言った。

そして、本当に言わなければならない日が来た。
ー香水の臭さが尋常ではないのだ。

私は思い切って「臭いです」と先程、出社したばかりの社長へ言った。ただ、それだけだと現実を突きつけているだけで申し訳ないので「今日はなぜ香水をつけているのか?」と事情を探る事にした。

「今日はキャバクラですか?それともデートですか?それは、本命の女性ですか?」と畳み掛けて質問をした。
本命という回答がきたら、すぐに服に染み付いた悪しき香りを着替えに帰った方がいい、とアドバイスをしようと思っていた。

その方が社長のためになる、と思い聞いた。しかし「臭いと言って欲しい」とお願いしてきたのに、今にも泣きだしそうな顔で、こちらを見ていた。どうやら本命とデートだったらしい。

この場合、なんて言葉をかけるのが正解だったのか未だに答えはでていない。

私は、この星とどう上手く付き合ったらよいかをずっと悩んでいるのに、最近「火傷の痕見て下さい!と勝手に傷痕を見せられる星」もついたようだ。
先日は「揚げ餃子を上裸で作っていたら、お腹に大きな火傷ができました!」と年下の同僚ボーイに言われた。台詞と共に傷跡を勲章のように見せられたので、社内で一瞬「パワハラなのではないか?」という目が私に向けられた。

ただ一つ言えることは、「愛想笑いが上手な星」も私には、きっと、ついている。


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