暴虎の血 を読んで

記録用の感想文。ネタバレあり。





狐狼の血の3部作目。
これで完結らしいけど、終わって欲しくない。
この先の日岡を見ていたいし大上のことをもっと知りたい。

狐狼の血を読んだ時はもう背筋がぞくぞくするほど興奮した。
ラストのどんでん返しが最高だったのをおぼえている。
読み始めた時はあまり好きじゃなかった大上が大好きになった。

今回は大上の過去から日岡に繋がるお話。
沖虎彦にまつわるお話。
結論から言うと
日岡は大上が守った虎を守れなかった。

虎は子供の頃に自分で殺した父親がトラウマ
力には力で押さえつけるという思想。
これはいつか破滅する。

解説を読んで得心したが、
日岡=青春=間に合わない。
らしい。
なら、日岡が成熟するまでも書いてくれよと思う。🥹

狐狼の血で大上が日岡に託した警察の汚い部分を活かして警察に楯突いてると期待していたが
世の中そんなに甘くなく、全くできてなかった。
なんなら暴力団対策法により日岡は危うい立場になっていた。
ちょっと残念だがリアルでもある。

この作品のすごいところは、
出てくるキャラがみーんな憎めないところ。つまり素敵。
みんなの広島弁が鮮明に脳内で再生される。
広島弁なんて聞いたことないのに。

作者 柚月裕子さんの鮮明な描写 素晴らしいです。尊敬します。

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