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卵の緒 を読んで

読んだ本を記録するための感想文です。
ネタバレが嫌な方はそっと閉じてください。

瀬尾まいこ 著
卵の緒

瀬尾まいこさんは大好きな作家さんの1人。
この方のお話を読むとすごく心が温かくなるんです。

この作品は卵の緒と7'sbloodの2つのお話で構成されています。

卵の緒は
僕は捨て子だ。からはじまるびっくりなお話。
あっけらかんとした母さんと僕のお話。
作品の中でとにかく母さんが僕のことをすごく愛していることが伝わってきます。
またこの親子の関係性というか距離感がとても好き。

僕は捨て子ではないけれど母さんと
血は繋がってなくて、
大学生時代の母さんが一目惚れした先生の息子さんでした。
母さんが先生に惹かれた理由として
彼の何もかも捨て去ったようなところに惹かれたと言っていてすごくわかった。共感できた。

きっと母さんは大変な想いもしただろうに
一目見た時に溢れた感情をずっと持ち続けていて素敵。

最後号泣してました。涙の訳はわかりません。
心の中がじんわり温かくなって昂って涙が溢れてきました。
自分は血のつながった両親に育てられたので
血の繋がりより信頼できるものはないと思っていたけれど、そうじゃないのかと感じました。

2つめの7'sbloodは本妻の子である七子と愛人の子である七生の話。

この2人の心の距離が近づいていく過程と最後の別れのシーンがとても切ない。
けれど心が温かくなるお話でした。

どちらのお話にも共通するのが
食事風景と髪を切るシーン。
丁寧に書かれていてとても好き。

なんでもない普通の日常が描かれていて
その中に目には見えないけれど確かにある暖かいもの、それが私の心を動かす。そんな感じ

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