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【行き渋り】 「皆やっていることだから」「慣れだから」 本当に??

子どもの行き渋りに悩んでいる方、タイトルにピンと来た方は、読んでいってもらえたら嬉しいです。

学校での生活がしんどい、という子どもに対して

「皆やっていることだから」
「慣れだから」

って言葉……言いがち・言われがち(思いがち・思われがち)かなぁと感じます。他にも、

「学校に来てしまえば、楽しく過ごしているから大丈夫」

なんて言葉も、近しいかもしれません。

これって、本当にそう???


一見、「その通り」と同意してしまいそうな言葉たち。ただ、私としては危うさを感じる言葉です。

なぜそう感じるのか?
私の実体験と共に振り返ることで、読んでくださる方と一緒に考える  キッカケになれば……とnoteにしました。



| この言葉に触れたのは……

私は、子どもたちの担任の先生から言われました。

「皆やっていることだから」

当時小2の息子。朝腹痛を訴え、学校を休み出し数ヶ月。家庭訪問に来られた先生、会う事を拒み部屋から出ない息子。息子の今のしんどさを代弁することがやっとの私。
それを聞いた先生から言われたのは「でも、皆やってますから…」でした。

「慣れだから」

当時小1の娘。牛乳が苦手で給食に不安感。残した牛乳パック、中身を捨て潰し開く事が苦痛。汚れた手をすぐ自由に洗いに行けない、手のベタつき・匂いが苦痛。登校意欲にも直結し、行き渋り何度も先生へ相談。
その度に、最後は「慣れですから、みんなそのうち出来るようになっていきますよ」と言われました。



| その言葉をうけた瞬間……

面食らった感じがありました。
それを言われてしまったら、何も言う事ができない……
その言葉に飲まれていくようでした。

そうだよね、皆やってるよね。
初めはしんどくても、繰り返したら慣れていくんだよね。
皆  通る道なんだよね。
と……

元々私の中にも、「皆やってることだし」「慣れていけば大丈夫」って思いはあったんです。ただ、日々子どもの対応の中で揺らいでいた……先生の言葉がけで、それが呼び覚まされた感覚もありました。



| そして、 自己 & 自子否定

皆やっていることだから、なのに  できない。
慣れだから、なのに  できない。

そんな現状を突きつけられたようで……ぐるぐると、頭の中で思考が巡っていきます。


① 親としての自分を疑ってしまう……<自己否定>
皆やっていることをさせられないなんて、甘やかしでは?
慣れるまでサポートできないなんて、力不足では?

② 子どもを疑ってしまう……<自子否定>
皆やっていることをやらないなんて、甘えワガママでは?
慣れるまで頑張れないのは、ガマンが足りないのでは?

※ 自子 → 自分の子:思いつきの造語です



| 湧いてくる、違和感・憤り・悲しみ

そうは言っても、実際  目の前の子どもはしんどさを訴えています
学校へ行こうとすると、腹痛など身体症状も出ます。なんとか学校へ行っても、表情は失く  足取りは重く、教室へ入るのも  机に座るのも難しかったりします。

もちろん、毎日試せることはしています。親子で試行錯誤しながら、なのに  どんどん元気を失くしていく子どもの様子を見ています。

「皆やっていることだから」
「慣れだから」

……次第に、困りごとに対して「それくらいの事で…」と、言われている気分、違和感・憤りが湧いてきました
分かってもらえない……親子の (特に子どもの) 困り感を、軽視されているように感じ  悲しい気持ちにもなりました。


子どもはその時、心底、困っているんですよね。
学校に行かなきゃと思う頭と、それに反して行きたくない心行けない身体。
低学年で小さくとも (もちろん大きくなっても)、葛藤し苦しむんですよね。



| 当時、先生に求めていた事。でもできなかった事。

学校に行くことができない子どもたちを前に、困り果てていた私。
そんな時って、自分が何に困っていて、どうして欲しいのか?自分でもわからず混乱してしまうことも多いと思います。私自身がそうでした。

いま振り返れば、先生に奥底で求めていたのは【 いま  子どもの抱える困難をどう解消したらいいか、一緒に考えて欲しい 】という事。

ですが、それを自分で認識したり  上手く言葉にして伝えることが、その時は難しかった……

例えば娘の件では、手洗いの配慮とか牛乳を無しにしてもらうとか、聞いてみたけれど対応してもらえず。
色んなお願いや相談が、私のワガママなのか?先生の負担になってしまうのか?と、本音で話しづらくなっていきました。
気になるなら、「これって、負担ですか?」など、ひと言聞いたら良かったんですよね。

そういうことが、上手くできなかったなぁと振り返ります。

( 当時の私に、もう少し  先生と心通わせ、やり取りができる力があったら、もっと困っているんだ!と伝えられてたらなぁ……なんて思いますが。
それでも  自分の心を守りながら、日々の子どもの対応・暮らしも回しながら精一杯やったよなぁとも思います。 )  


| 今だから、言えること

身体は正直。もし子どもに身体症状 (腹痛・頭痛・吐き気・発熱 etc…) が出ているなら、それは心の声なのだと思います。体調に表れなくても、玄関から動けない、教室に入れないとかも。
軽んじてはいけないんじゃないかなと。

身体に表れる程に・身体が動かない程に、しんどさを抱えているのだと思います。

困っていた渦中から脱した  今だから、言えること。

もし、今あなたが「皆やっていることだから」「慣れだから」の言葉に傷ついたり、しんどさを感じていたら……真に受けなくていい、と伝えたいです。本当に!

だって、そう言われて出来るものなら( 親子笑顔で過ごせているなら )今こんなに悩んだり困ったりしていない。


もし、あなたが気になる親子へ「皆やっていることだから」「慣れだから」と、伝えようとしているなら……その親子の状況・困り感、聴けているでしょうか?
一度立ち止まって、考えてもらえたら嬉しいなと思います。




新年度、当時を思い出し  心がザワつくことがあります。
自分の心が、穏やかでいれる人と過ごしたり、あんしんできる言葉を信じよう!そう思うようになりました。

( 実際にそのほうが、上手くいくこともわかってきました! )




読んでくださった方が、すこしでも心穏やかにいられる春でありますように。

すっかり長くなってしまいました。最後まで見てくださり、本当にありがとうございました。

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