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トウ・ソース ブルバカ

に いびょーご(現地モレ語で「こんにちは」)!

てんやわんやママが現地からお届けする“ おいしい ”ブルキナファソ。

今日からさっそく、ブルキナファソのおいしいごはんをお届けしたいと思います。

記念すべき最初のブルキナファソ料理は、ザ・定番中の定番「トウ・ソースブルバカ」


トウ・ソースブルバカとは?

主食は、とうもろこしの粉をお湯とまぜてねったモチモチのトウ。

そのトウに、ブルバカの葉と野菜、揚げた魚、スンバラと呼ばれる発酵調味料をまぜたソースをつけて食べます。

トウ (トウモロコシの粉をねったもの)-2

いきなり「トウ」、「ブルバカ」、「スンバラ」など、はじめて目にする言葉が出てきて、驚いている方がいるかもしれません。

これから写真を使って、材料と作り方を説明していくので、ご安心ください!!

このnoteを最後まで読めば、あなたも「ブルキナごはんマイスター」になれちゃうかも(え、そんな称号いらない)!?


材料

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(材料①)
サバ、トマト、ピーマン、玉ねぎ、にんにく、トマトペースト、コショウ


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(材料②)ブルバカの葉

こちらがソースのメインとなるブルバカの葉でございます。

大きなボウルいっぱいのこの量で、およそ30円。乾燥していない葉も売られていますが、フレッシュの葉の方がお値段がちょっと高め。


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(材料③)とうもろこしの粉

一見ただの白い粉。

ブルキナファソ産のとうもろこしを乾燥させて挽いてできた「farine de maïs(ファリン・ドゥ・マイス)」と呼ばれるとうもろこしの粉です。

これが、トウになります。


上記以外に必要なのが、スンバラ、油、重曹と水です。スンバラについては、のちほど詳しく説明しますね。


まずは、ソースから作っていきましょう!


ブルバカソースの作り方

⑴サバを揚げる

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ブルキナファソは内陸国なので、魚は冷凍された状態で売られていることがほとんどです。

凍ったままの魚を骨ごとブツ切りにして、水で内臓を洗い流したら、そのまま熱した油に投入するという、なんともワイルドな揚げ方です。

容赦なく油が飛んでくるので、油はねにはじゅうぶん気をつけてください。

揚がったサバは、一旦お皿に置いておきましょう。残った油はあとで使うので、鍋に残しておきます。


⑵ 別の鍋でブルバカの葉をゆで、重曹を加える

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ブルバカの葉は、あらかじめゴミを取り除き、ボウルで水洗いしておきます。汚れた水を手でしぼり、沸騰したたっぷりのお湯にブルバカの葉をいれていきます。

重曹を加えたら、フタをして、しばらくゆでます。


⑶ 細かく切ったトマト、ピーマン、玉ねぎを⑴の鍋にいれる

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ブルバカの葉をゆでている間に、細かく切った野菜を⑴でサバを揚げた油にいれます。


そうそう。

ブルキナファソの人たち、まな板をあまり使わないんです。

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まな板を使わずに、手を使ってリズミカルにテンポよく、器用に切っていきます。


⑷ トマトペースト、水、スンバラ、揚げたサバを⑶の鍋に加える

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見た目は、こんな感じに。

スンバラは、こちら↓

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スンバラ:
「ニレの実」を2〜4日ほど発酵させた調味料。「ブルキナファソ版納豆」とも言える。納豆のようなネバリはないが、匂いは負けていない。スンバラを料理すると、夜まで家中がくさくなるので要注意。


スンバラを砕いて、すり鉢で粉状になるまでつぶします。

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現地語で「トゥ オーゴ」と呼ばれるすり鉢で、リズムよく叩くと、


(トントントントン……)

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見た目は、日本の顆粒だし!!

これを鍋に投入します。


⑸ ゆでたブルバカの葉を⑷の鍋に加えて、まぜる

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重曹を加えたことによって、ブルバカの葉がドロッと、そしてもったりとした感じになっています(これがトウによく絡むんです!)。

仕上げにつぶしたニンニクとコショウをいれて、全体をよーくまぜたら

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ブルバカソースの完成!!


トウの作り方

さあ、次はトウを作っていきますよ!


⑴ 鍋に半分くらい水をいれて沸騰させ、とうもろこしの粉を少しずつ加える

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木べらを使って手際よくまぜていきます。

手早く、お鍋にくっついて焦げないように、全体をしっかりとまぜています。


⑵ フタをして、しばらく待つ

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10分ほどおきます。


⑶ 仕上げにもう一度よくまぜる

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体重をうまく乗せて、リズミカルに混ぜていきます。

これだけの量をせっせ、せっせとまぜるには長年の経験と熟練したスキルが必要そうですが、10歳の子どもでもトウが作れちゃうらしいです。


⑷ できあがったトウを小分けにする

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お餅のようにくっつきやすいトウを、職人の匠技のように、水にぬらしたヒョウタンのおたまで小分けにします。


こうして、トウ・ソース ブルバカの完成ー!!!

トウ (トウモロコシの粉をねったもの)-2

ここまで読んで、「トウ」・「ブルバカ」・「スンバラ」の名前を覚えてくださったあなたに「てんやわんやママ認定!ブルキナごはんマイスター」の称号を勝手に差し上げます♡


どんな味がするの?


あー、お腹へった!
さっそく食べよう!!!


ブルキナファソには、イスラム教を信仰している方が多くいます。イスラム教徒の場合は、男性の年長者の分を最初に取り分けて、それから女性や子どもたちが食べます。


彼が、この日いちばんの年長者。

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あれ、女性や子どもは別のところで食べるはずなのに。

実は写真に写っている女の子は、彼の孫。子どもたちがごはんを食べる場所が別に用意されていたのですが、どの国でも孫の存在は特別のようです。

おじいちゃんから孫にごはんを食べさせてあげる姿は、日本もブルキナファソも変わらないのではないでしょうか。


残ったみんなは、手を使って、分け合って食べるのがブルキナ流。

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できたてのトウを手で取るときにはヤケドに注意!

端っこの方の少し冷めたところから食べ始めるのがポイントです。

塩がしっかりと効いたトマトとニンニクの風味に、ほんの少し苦味のあるブルバカの葉がぴったりとマッチしているソース。このソースが、モッチモチのトウと相性抜群。揚げたサバにもよく合い、日本人の口にも合うのではないでしょうか。

スンバラの匂いは、ほとんど気になりません。



ごはんのパワー

この日は、近所の子どもたちがたくさん集まってきてくれました。

でも、みんな公用語のフランス語がわからない上に、外国人を見慣れていないようで、私を見てガチガチに固まってしまい、うまくコミュニケーションが取れなかったんです。

それが、一緒にごはんを食べたことをきっかけに、一気に仲良くなりました。

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最初は外国人の私が手を使って食べるところを、みんな驚いた様子で見ていて。

しばらくすると、私が熱々のトウを手で食べるのに苦戦している様子に気づいて、くすくすと笑いはじめて。

近くにいた子どもたちが「こうやって食べるんだよ」と言わんばかりの表情(いや、もはや120%のドヤ顔)で、手の使い方を教えてくれるようになって。

私は見よう見まねで、みんなのマネをしながら食べて。

気づくと、私が上手に食べられているかどうかを、みんなが気にかけてくれていて。

うまく食べられるようになると、顔を見合わせて一緒によろんでくれました。


言葉は通じなかったけど、ごはんを食べている間、とにかくそこにはずっと笑顔がありました。

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はじめは怯えた様子で固まっていた子どもたちが、ごはんを食べ終えたあと、私のところにわぁーっと集まって、話しかけてきてくれたんです。


考えてみると、私もこの子たちと同じだということに気がつきました。

海外で出会った外国人が「日本食が好き」、「おすしが好き」と言ってくれるとうれしいし、箸を使おうとしていたら、おせっかいなほど一生懸命に持ち方を教えてしまう。

へたくそでも、慣れない箸を使って食べようとするその姿勢に、心がほっこりと温かくなって、自然と心の距離が近くなる気がします。


食事って、その土地の風土や文化が根付いているものだと思うんです。だから一緒にごはんを食べるだけで、不思議と仲良くなれちゃうんじゃないかなぁ。


「生きるのに必要な栄養を摂る」だけではなく、育ってきた環境や文化、言葉がちがう人と人とをこんなにカンタンにつないで、笑顔にかえてしまうごはんのパワーって、やっぱりすごい。

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みんなで食べるとおいしいね、たのしいね



さいごに

今日はブルキナファソの定番中の定番、トウ・ソース ブルバカをお伝えしました。

いかがでしたか?

聞きなれない食材や、見慣れない調理法もあったかと思います。

それでも、ごはんを食べる中で垣間見えた、おじいちゃんから孫への愛情、おいしいごはんを食べたときに思わず出てしまう笑顔は、日本もブルキナファソも同じではないでしょうか。

今この瞬間にも、ブルキナファソに暮らすたくさんの人たちが「ごはんパワー」で、笑顔になっているかもしれません(あ、私も今むちゃくちゃ笑顔でごはんを食べてるかも!)。

そんなことをお伝えしながら、連載第2回を終えようと思います。


最後まで読んでくださり、ばーるか(現地モレ語で「ありがとう」)!

また次回ブルキナファソよりお届けします。


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「食べるよろこび」を全ての人とわかち合いたい。
国際協力NGOハンガー・フリー・ワールド(HFW)は、そう考えて、飢餓をなくすため、ブルキナファソを含む5ヵ国で活動しています。
てんやわんやママのブログを読んで、ブルキナファソってどんな国?とすこーし興味がわいたら、国名の由来など、もう少しだけ知ってみてください。
* ブルキナファソについてはこちら

そして、HFWでは「【食文化コラム】お腹が鳴るギャラリー」と題して、記事を掲載しています。ぜひこちらもチェックしてくださいね。
*「食文化コラム」はこちら

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