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リップモンスターがここまでバズった理由をリップの歴史から冷静に考えてみた


はじめに

リップモンスターとは、今、売れに売れており、お目にかかるのが天文学的に難しい(私調べ)と言われているKATEから発売されているリップスティックです。


YouTubeやInstagramなどで、インフルエンサーの方がこぞって紹介しているので人気が出たんだろう(終了)と言ってしまえばそれまでなので、今回は、何故こんなに紹介されるようになったのかを自分なりに考えてみました。

私もYouTubeでリップモンスターを知った一人ですが、正直、インフルエンサーさんたちの紹介コメントそのまま!というぐらい、優秀な製品なので、わたしが素晴らしさを語るまではないのですが、いやお前、テーマを挙げといて放棄するんかい?みたいになるので、私は少し違う視点からお話したいです。

バズった理由は製品が優秀だから(終了)
たしかに一理ありますが、実は、ここまでバズるには、人類とリップの歴史が関係しているんです。今回、自分の体験を踏まえて分析をしてみました。

長くなりますが、お付き合いください。


人類とリップの戦い


私は、自己紹介でも書いてあるようにアラフォーです。


メイクに関しては失敗を繰り返して、それなりの歴史は見てきたつもりではあります。
昔、リップとは「何かを食べたり飲んだりしたら、すぐに落ちるもの」としての認識が強かったです。
そんな中、リップマニア界に衝撃が走ります。時は2000年、ノストラダムスの大予言は外れ、ミレニアムがどうだ、とか言っていたある意味カオスな時に、資生堂ピエヌより、リップパーフェクトが発売されました。


落ちないことを全面に押し出したリップで、CMでも「落ちなーい」と叫ぶ徹底ぶり。
そんな素晴らしいものがあるのか?と当時はTVにくぎ付けになりました。
これで、めんどくさい化粧直しから解放される、と心が躍りました。
現在は販売は終了していて、廃番ですが、これはかなりリピートしました。たまたま自分に合う色があったからです。確かに他のリップよりは落ちにくかった。ただ、乾燥はするし、唇の皮はむける。(@cosmeの口コミは、かなり辛辣です)

夢は、まだ、夢でしかなかった。

自分の欲しいものは全て手に入らない、だから、何かをあきらめなければいけない。
取捨選択。そうやって人々は生きていく。

私は、悩んだ末、唇のうるおいを捨て、「落ちない(落ちにくい)」を選びました。
他にも有名なのは、松嶋菜々子さんがCMをされていた、マックスファクターのリップフィニティ


これは、かなりマットなのですが、何本か使いました。懐かしいし美しい……


ティントの乱勃発


それから、私は国内で出ていた「落ちない」と言われているリップを買っては使い、を繰り返していましたが、基本的に落ちないリップはマットで、私はあまり好きではなく…
それでも、落ちないを重視。ただ、結果、落ちる。しかも、マットだと落ち方がえげつない。唇の乾燥も相まって、もはや、わけがわからないものが、唇からうろこみたいにパラパラ落ちる。そんな相乗効果いらない。
何も食べるな、飲むな、ということか?
それでもメイクはしたい。もう意地です。
リップクリームで保湿をしながら、厳しい時代を生き抜いていました。

2014年が終わろうとしてるころ(時代飛びすぎ)リーマンも震災も全てを飛ばしましたが、この頃の状況をあまり覚えてないので平穏な時代だったのでしょうか。私は、韓国のガイドブックをパラパラとめくっていました。

韓国旅行に行くことになり、韓国にて「ティント」なるものが流行っているということを知るのです。この頃がティントの初期だったはずで、日本ではあまり売られておらず、韓国に行かないと買えなかったと記憶しています。

「ティントとは「染める」という意味を持っているため、唇に塗ることで唇にしっかり着色することができるらしい。体温と元々持ってる色素で、唇の色が変わる」

……よく……意味がわかりませんでした……

でも、新しいものが好きな私は韓国でティントを何個か購入しました。体温と色素の色?そもそもつけてみないと、どんな色になるかわからなくない?と思いながら適当にウォーターティントを買った記憶があります。どこのメーカーかも忘れました。
で、つけてみると、リップと違って唇が染まるのです。これはすごい!
塗るのではない、染めるのだ。
私の中で革命がおこりました。乱を起こしてくれたティントさん、ありがとう!という思いと共に。

しかし、まだ、夢は夢のままでした。

当時のティントは、まだまだ初期段階のもので、唇の皮が尋常じゃないほどむける。
いや、ほんと、やばいぐらいむける。何なら痛みすら感じる。大丈夫?レベルです。
そして、ウォーターティントは、色素沈着がすごく、はみ出すと終わりというかなりサバイバル要素も含む。

辛い、これは苦行か?

気が付くと、私のウォーターティントは、ハロウィンの仮装メイクに勝手に使われてました。

ただ、悪いことだけではなく、やはりそれでも「落ちない指示派」の想いは強かった。開発をする方々が頑張ってくださり、ティントの性能はどんどんあがり、数年すれば、ある程度うるおいを保ち、唇にも優しいティントたちが登場したのです。
私は3CE、ペリペラ、イニスフリーなどを愛用していました。
やっと夢をつかむことができるのかもしれない、そんな淡い思いを胸に抱きました。


コロナウイルスの襲来により、何かが変わった

まさか、こんなことが起こるとは思いませんでした。ノストラダムスは、こっちを予言して欲しかった。
夢をつかんだと思っていた人類を襲ったコロナウイルスという衝撃。

2020年。全世界は未知のウイルスの襲来をうけます。

色々な人の生活、価値観が変わっていった。私の人生もここで大きく変わることになるのです。

もちろん、コスメマニア達にも衝撃が走ります。
きっかけは、マスクでした。
マスクをすると、顔に熱気がこもります。ティントは体温で発色するため、マスクをしてると、発色がオーバーヒート。
例えば、朝、淡いピンクのティントをつけたとします。
そして、これは私だけかもしれませんが、ランチが終わり、メイク直しのためにマスクを外すと、まさかの蛍光ピンクの唇。
いや、これ、何? 何のギャグ?と愕然としたことを覚えています。なんでここだけ光ってる?と。むしろ、落ちないので、どうやっても落ちないので、ずっと光ってる。
マスクをする生活になった私にティントは、ある種のギャンブルになったのです。
(あくまでも、私の場合は、です)

いやー、どうしようか。悩んだのは私だけかもしれませんが、少なくとも私は悩みました。


リップモンスターが華麗に登場、騒乱は終結へ

そんな時、華麗に現れたのがリップモンスター。
「高発色」「落ちにくい」「高保湿」
マスクをしてても、顔周りの温度が変わっても、変色しない。ただ、発色はよい。(見たままの発色)。マスクをしても落ちにくいし、ずっと潤う。
そして、リップモンスターは基本的に薄づきなんです。私は2色しか持っていませんが、べったりつかない。唇が自然な色になります。(濃い目の色もあるので、これは全てには当てはまりません)
現状、マスクをしている関係もあり、アイメイクに力を入れる人が多いから、唇がマットの強い色だったり、濃すぎたりするとバランスがおかしくなる。だから、本当に丁度いい色なのです。また、1540円という信じられない値段。

結論 そりゃ、バズるわ

すみません。一言で片付けて。でも、そうなんです。バズるべくしてバズった。

リップモンスターは、人類のリップに対する挑戦と、それに翻弄されてきた人々、そして、コロナウィルスという未曽有の状況、全ての要素が掛け合わされたことにより、バズったのです。
開発者の方たちの涙ぐましい努力、犠牲にしてきた唇の皮たち、それでもきれいになりたいと思った人々の夢、何一つ欠けても成しえることができませんでした。

歴史にもしもはありません。もしもコロナがこなければどうなっていたんだろうか。
いや、なぜこんな深い話になってるのかわかりませんが、リップモンスターだけでなく、このように歴史や現状の社会状況に翻弄された製品は息をするように存在しているのです。


おわりに


今、リップモンスターは、品薄です。というか、ありません。
私は下地(見つけたら買うので今2つ持ってる)と、陽炎(ベージュ)を何とか手に入れました。下地はずっと潤い、イエローなので、イエベ秋の私の顔になじむし、陽炎も本当にパズルのように顔にぴったりはまってくれる。そしてずっと潤う。マクスをしても蛍光に光らない。唇の皮もむけない。

12月14日から販売強化らしいです

ここまで売れると思ってなかったらしいです。
そりゃ、そうでしょうね。

陽炎は、もうそろそろなくなりそうなので、実は焦っているのですが、いつでもどこでもリップモンスターが買える時代が早く来ることを、私は切実に願っています。

そして、化粧品開発者の皆様には、本当に敬意しかありません。
ありがとうございます!

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