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なぜワンピースのキャラは魅力的なのか?【AI時代の起業術】

前編から続く)

毎週月曜日はAI時代の成功法則を教える「新時代の起業術」。

今回はAI時代に成功するために必須の「起業家のキャラ」を作っていきます。「ワンピースのキャラがなぜ魅力的に見えるのか」ということを入口にして、あなたにピッタリのキャラを作る方法についてお伝えします。

読者特典の「キャラ"採掘"ワークシート(Excel)」のプレゼントもあるので是非、最後までお読み下さい。

この記事を読むべき方

・AIを使って起業し、少しでも早く成功したい。
・自分の立ち振舞いにもう迷いたくない
・SNSでバズる自分のキャラ作りについて教えてほしい。
・ビジネスマンとしてどのように成長していくべきか、悩んでいる。



ワンピースのキャラはなぜ魅力的なのか?

さて自己分析が終わったら、次は自分の「キャラ」を彫り出し、磨きをかけていきます。「キャラ」に磨きをかけるためには「ファン」が付きやすい部分を強調し、前に押し出すことが必要になります。

コツは自分を漫画の「キャラ」として作り上げることを想定してみることです。起業家としての自分を漫画のキャラとして考えることで、客観性とキャッチーさを加えることを同時にできるようになるからです。

ではコンテンツにおける「キャラ」はどのように作られているのでしょうか?

まずはワンピースを参考に魅力的な「キャラ」について考えていきます。


「キャラ」の4要素からルフィの魅力を考える

『面白い物語の法則』(クリストファー・ボグラー&デイビッド・マッケナ)によれば「キャラ」は次の4つの要素によって構成されているとされています。

①求めているもの
②動き
③障害
④選択

『物語の作り方』

つまりそのキャラクターの目標が明確で、そのために取る行動傾向も分かりやすく、達成に向けて壁があれば良いキャラになるということです。

例えばワンピースの主人公ルフィを考えればこのキャラ3要素がしっかりと骨組みになっていることが分かります。

①求めているもの:海賊王になること
②動き:ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を追い求めて航海をする
③障害:海軍や対立している他の海賊団
④選択:ワクワクすること、自分の仲間を守る

いかがでしょうか?

この4つの要素が明々白々なため、読者はルフィのことを親しい友人のように理解することができます。

例えば…

・仲間が侮辱された際、ルフィはどんな行動を起こしそうか?
・自分の希望が薄れそうなとき、ルフィは何を言うか?
・ルフィが楽しそうにしているのはどんな場面か?

ワンピースの世界では麦わらの一味に限らず、脇役のキャラであっても「求めているもの」「動き」「障害」「選択」が明確です。あなたの好きなキャラの4要素を考えてみてください。

そのキャラが「こういう時はこう考えて、こう動くだろうな」ということまではっきりと分かると思います。

「キャラ」作りをする上では、これが大切なことです。

つまり、自分の「キャラ」の4つの要素をしっかりと作り上げ、ファンに「この起業家は、こういう時にはこうするだろうな」という明確なイメージができていれば「キャラ」作りとしては成功だということです。


たった"7つの質問"で、あなたの「キャラ」が浮き彫りになる

キャラの3要素については理解できましたでしょうか?
早速、あなたの「キャラ」を彫り出していきましょう。

イメージは彫刻です。
自己分析で明らかにしたあなた自身が持つ特徴を元に、あなたの「キャラ」を「ファン」がつく形へと掘り出していきましょう。

次の7つの質問は、「キャラ」の4要素が明確になり、きれいに「キャラ」が浮き彫りになるように設計しています。次の節にあるキャラ"採掘"ワークシートをダウンロードして取り組んでみてください。

Q1 あなたが10年後になっていたら嬉しい状態は何でしょうか?(100個)
Q2 前の質問の答えの中で共通していることはありますか?共通点をキーワードや具体的な数値で10個書き出してみましょう。(10個)
Q3 あなたが「求めているもの」を体現している人はいますか?(10人)
Q4 前の質問の人物にはどのようなの共通点がありますか?(5-10個)
Q5 前の質問の答えの中で自己分析の結果と近い特徴を持っているものはどれでしょうか?(3‐5個)
Q6 ここまでの質問を元に自分の「キャラ」を漫画の登場人物として描き出してみましょう。
Q7 前の質問で掘出した「キャラ」がしそうな行動をIF-Then形式で、できる限り多く書き出してみましょう。

この作業の中で重要なことは、「弱点」も「キャラ」設定に乗せること。できれば「障害」を乗り越える上で困難だと思われる弱みであれば更に良いです。

例えば、あなたが魅力的だと感じる漫画やアニメ、ドラマなどの「キャラ」に弱点はありますか?きっとあると思います。

なぜなら人は完璧な「キャラ」には惹かれないから。
例えば、ルフィはカナヅチですよね。海賊王になるのにカナヅチはめちゃくちゃ大変そうに感じます。

このように「求めるもの」を追求していく上で大きな障害となる弱点の存在こそが、「ファン」の共感を呼び魅力的なキャラクターを作る要素となります。自分の弱点もうまく使いながら魅力的な「キャラ」に仕上げていきましょう。


【読者特典】キャラ"採掘"ワークシートを使ってみよう

さて「キャラ」の彫り出し方は理解できましたでしょうか?

今回は7つの質問と、取り組む際のポイントを記したワークシートを用意しました。このワークシートは驚くほど魅力的な自分の「キャラ」を"採掘"できるように設計しています。Q1から順番にポイントを読みながら取り組んでみて下さい。



自分を漫画の「キャラ」として磨き上げる

さて、自分の「キャラ」を掘出すことはできましたでしょうか?
ここまでくれば最後の仕上げです。仮説として自分の「キャラ」につきそうな「ファン」を考えていきましょう。

この後、SNS等においてこの仮説を検証していくことになるので仮説レベルで問題ないです。ここは時間をかけすぎずにいきましょう。検証の方法については次の記事で詳しく解説していきます。


研究から見えてくる「ファン」の3タイプ

そもそもファンとは何でしょうか?

簡単に言えば「そのヒトやモノを応援している人」ですが、それだけでは解像度が低くて、起業家が「コア・ファン」戦略を用いていく上では難しそうです。

ファン心理に関する研究によれば、ファンは「熱狂」「目標」「共感」という3つのタイプに分類できるとされています(※1)。

熱狂:対象に応援する気持ちや強い好意を持っているタイプ
目標:対象を目標とする憧れの気持ちを抱いているタイプ
共感:対象と同じ悩みを持つなど自分に重ね合わせ、親しみを感じているタイプ

このうち起業家が自分のファンを獲得する時に一番カンタンな方法は「共感」タイプ。目に見える結果を用意できておらず、まだ「何者でもない」段階では自分に親しみを感じてくれるファンを獲得するのが一番容易な方法だからです。

理想としてはまずは「共感」タイプのファンを獲得し、成長を続けることで「目標」タイプのファンを増やしていきます。最終的には、そうして長い時間共に過ごしてきたファンに自分の成長ストーリーを見せることで唯一無二の存在として「熱狂」タイプのファンを生み出していくことを目指します。

このように創業期にはまず「共感」タイプのファンを探していくことから始めるのが良いでしょう。


自分の「ファン」の仮説を設定する

では具体的に自分の「ファン」をどのように設定していくべきでしょうか?
「共感」タイプを採用する場合、簡単です。

それは「自分の"キャラ"に似た人」を「ファン」として設定すること。

「共感」タイプのファンは自分に親近感を持ってくれる人です。つまり、自分の「キャラ」に似た人がファンになってくれると予想ができまする。

とはいえ、ここまでに彫り出してきた自分の「キャラ」とそっくりそのまま同じ人がいる訳ではありません。むしろ自分独自の「キャラ」である方が良いので、もしも同じ様な人が多くいるのであれば「キャラ」を彫り出し直した方が良いと言えるでしょう。

やるべきことは自分が掘出した「キャラの切り口」を見つけること。

例えば…
ルフィであれば「ワクワクすることが好きで、考えるよりも行動を起こす人」や「自由に何にも縛られず生きていきたい人」という切り口があるでしょう。ゾロであれば「冷静に物事を考え、ストイックな性格を持っている人」という「切り口」が考えられます。

なお「キャラ」を作る時には重視した「弱点」は必ずしもファンと共通していなくても構いません。弱点はその人ごとに千差万別だからです。

求めるものや行動原理が似ていて障害を乗り越えるための「弱点」があるというだけで人は共感してくれます。ここまでに作ってきた自分のキャラクターを一言でまとめた上でそれに共感してくれる「ファン」を3パターンぐらい探していきましょう。

自分の「キャラ」の切り口とそれに対応する「ファン」をリスト化して「切り口‐ファンリスト」を作れたら、作業は完了です。


切り口は何が良いか?

ファンを探す上で自分の「キャラの切り口」が大切だと言いましたが、どのような「切り口」を選ぶべきか、ということで悩む場合があると思います。

「切り口」は直感で選んでしまって大丈夫です。

このさき、「切り口‐ファンリスト」を元にSNSなどで「ファン」になってくれる人を探していくことになります。そうすると、自分でも気づいていない意外なところで「ファン」が見つかることがあります。

そのため、この段階では仮決めの「切り口」で構いません。
自分が掘り出した「キャラ」が漫画の主人公である場合、「どこが魅力的に見えるか?」ということを考え、「切り口」と「ファン」の複数のセットをリスト化していきましょう。

ファンを見つけにいっている段階で意外なところに「切り口」が存在している場合もあるからです。とりあえず5-10程度の自分の「切り口」をリストアップしておきましょう。

できる限り自分独自の特徴でありつつ強く共感してくれる人がいそうな「切り口」を用意することが大切です。


自分の「キャラ」を作るだけで事業が動き始める

さて、いかがだったでしょうか。

今回は起業家が自分の「キャラ」を掘り出し、その「キャラ」をファンがつくまで磨き上げる方法についてお伝えしてきました。

今回ご紹介したワークはこれからの起業の成否を決める重要なものなので、休日などにゆっくり時間を取って作業をしてみて下さい。自分の「キャラ」を磨き上げることができたら、次はその「キャラ」を使ってファン探しを進めていくことになります。

SNSなどを駆使していきながら、今回作った「ファン-切り口」リストに沿って超高速でファンを見つけていきます。

次回も是非ご期待下さい。
更新は6月4日(火)。フォローをしてお待ち下さい。



※ 今井有里紗・砂田純子・大木桃代(2010)「ファン心理と心理的健康に関する検討」『生活科学研究』32, 67-79頁


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