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超簡単!アートとは。③ ~アートの力。なんでアートって必要なん?~


アートって、無くても生きていけますよね。

コロナパンデミックにより、感染のリスクはあれども、私たちの日々の生活を維持するために現場で働き続けなければならない”エッセンシャルワーカー”という言葉が広がったかと思います。
医療事業者はもちろんのこと食品販売や薬局小売店、運搬物流系などなど。

お医者さんや薬がないと生きてけないのはもちろんのこと、
食べるものが滞ってしまったら、、辛い。それが何日も続いたら、生きていけない。

エッセンシャルですよね。

一方、世界中どの国をみても、アーティストがエッセンシャルワーカーに入っていることはないでしょう。
私はパンデミックが始まってから現在もNYにおりますが、あのとんでもない春の超パニックな自粛期間中に開いている美術館やアートギャラリーなんて、ありませんでした。

世の中からアートが無くなって一週間、数か月、一年、きっと数年でも、人間死なない。(*アートで生活している人には、生活費や他の仕事を与えるとして。)

でも、古代から、ずっっっっっとある。

「エッセンシャルでなはいけど、必要だ!重要だ!!」という人はたくさんいる。(私もその一人。)

「いや、エッセンシャルだ!」と主張する人もいる。

世界中に専門の、立派な大学まである。

、、、、っことは、やっぱり必要なのか???

でも、分からないですよね。

そりゃそうです。⇧の、重要だ!とか言う人達の説明、難しくて意味が分からないですもん。
アート研究家が、アートに興味のある人にだけ向いて喋ってる感じ。
「僕の言ってる事分かんなかったらそもそも聞かなくて良いです。」
というような感じ。

なので!!!

私が分かりやすく説明致します!!


アートの力をセリフ付きで一文にまとめますと、

私達の視野や可能性を拡げ、
(これも出来るね!こんな人/方法/考え方もあるんだね!)

自分達で考える力を養い、
(こうしたら良いんじゃない!?)

真実を見、
(え!知らなかった!ヤバいやん!)

より良い世界にする助けをしてくれる。
(ちょっと私も行動に移そ!)

であります。

どういうことか、一緒に見ていきましょう☆


少しおさらい。


「超簡単!アートとは① ~そもそも何やねん?~」では、アートの種類を大きく以下の4つに区分して、それぞれ分かりやすく例を挙げて、簡潔にお話させて頂きました☆

①作者の思考: 作者の考えや、問題提起、新たな視点。
②作者が思う美 : 作者によるオリジナルな美の表現。
③デコレーション系 /エンタメ系: 周りを装飾するもの。目や身体で直観的に楽しめるもの。
④写真/記録用 :風景画、 肖像画、歴史画など。


そして「超簡単! アートとは。② ~ほんでアーティストって、何してんの?~」では、そんなアートを作る為にアーティストは普段一体何をしているのか、以下の知られざる姿についてのお話でした☆

①めちゃめちゃ壮大な事を考えてる。
②めちゃめちゃ繊細な事を観察してる。
③学んでいる。インプット。
④自分をプロモーションしている。
⑤情報収集している
⑥コミュニティに参加している。
⑦あとは切実に、副業している。


これらの特に大事なところをまとめますと、

アートは全部、
作者独自の考えや声がめちゃめちゃ詰め込まれていて、
意味があって、
どれも他と違うオリジナル!

ここが超重要!となりますので、こちらをおさえつつ、読み進めていただければと思います☆



アートの力①ー1 新しい価値観・意味・考え方・視点
~FOR ビジネス~


「今までにない画期的でオリジナルな商品やサービスを生み出す。」

これは、起業家やビジネスが求めている事ですよね。

アートも同じなんですね。

誰かと同じものを作っても、価値や意味も目新しさも人を惹きつける魅力もなにもない。

アーティスト達は、
それぞれ自分のベスト、
どこにもないオリジナルを作る為に考えに考えて、
柔軟な発想を持って固定概念を取っ払い続け、
新しい色んな方法や考え方を編み出していきます。

そんなことをいつも考えるのがアーティストなので、
アートに触れる事は、柔軟な想像力をつけて、色々試し、画期的な新しいものを開発していくとても良い刺激/練習になります。

また、顧客が求めるものを綿密に分析して創る(デザイン思考)以外にも、現代ではそのお店やマスター、会社の強い思いや個性に共感または感動して人気が出るということが多々あります。

この点においても、
自分が思うオリジナルの美だったり、
社会に対して自分が思っている事や自分が伝えたい事、
そもそも自分自身などを作品にして表現する、
”自分がしたい想い/事”を実現するアーティストの思考&実現プロセスが役立ってきます。

なので、巷では「アート思考」が流行りまくっているのですね。


アートの作品にはビジネスに使える色んなヒントがあるので、以前記事にて書かせて頂いた中からほんの一例をご紹介します☆

円の中の円


大きな円の中に、色々な円と線があります。太い2本の線も交差してますね。
タイトルは、”円の中の円“ by ワシリー・カンディンスキー

タイトルと絵自体はそのままといえばそのままですが、普通はそもそも円の中の円を書こうなんて思わないと思います。そして円以外の線も使ってなんかとにかくおしゃれに仕上がっている発想と構図が、目の付け所とセンスがすごい!と思います。これってきっと、ビジネスにおいても重要なところだと思います。新しいビジネスを考えるにあたって、普通の人が目をつけないところに目をつけ、良い感じにする(需要が出るように形づくっていく)アイデアと力。

他にも例をあげていますので、よろしければこちらの記事もご一読下さい☆


アート思考についての書籍はたくさんあり、最初はそちらを読んで頂くのも良いと思います。でもやっぱり、ある程度アート思考の活用法/力が分かったあとは、どんどん実際に自分で作品を見て楽しみながら感じながら、自分のスキルにしていくことをお勧めします☆なににおいても、「学ぶ」より、「楽しむ」の方が、身に付きます☆

ちなみに、、、、、スティーブ・ジョブズや世界のトップたちの中には、インスピレーションを受けたりイノベーティブになる為、積極的にアートを日常やオフィスに取り入れたり、自分でアーティスト活動をしたりと、アートに囲まれた生活をしている人がたくさんいます。



アートの力①ー2 新しい価値観・意味・考え方・視点 ~FOR 多様性&自己/他人肯定感アップ~


<多様性への理解>
アートはそれぞれ他とは違うオリジナルな表現で、作者独自の考えが入っています。
つまり、よりたくさんのアートに触れれば触れる程、様々な考え方や価値観を知る事が出来るということ。

⇨世の中にはたくさんの「異」があることを知る/に慣れる。

よって、日常生活においては、自分と違う色んな見た目、考え方や価値観の人々が現れた時にその人達を受け入れやすくなります。


<自己&他人肯定感アップ>
自分には意味が分からないor嫌いな作品でも、それを好きな人は世界には絶対います。
逆に自分が好き!と思う作品を嫌いな人もいます。

でも、どちらの作品にも作者の想いや何らかの意味が込められていて、作者が頑張って作った作品。
それはそれで尊敬されるべきものです。

「へ~。色んなのがあるんだなぁ。」
「そんな考え/視点/切り口もあるのか。」と、自分の経験、糧に出来ます。

⇨あらゆる「異」を受け入れ、認める。
この思考になると、人間関係も楽になります。

自分がいくら嫌いな人でもその人の事を好きな人はいる。
ということは、自分の事を嫌いな人もいるだろうけど、好きでいてくれる人も、絶対にいる。

ただ、人それぞれ違う価値観や視点を、それぞれの貴重な唯一の人生で育んできただけ。

世界中が皆同じ価値観や視点だと、きっと偏り過ぎて上手くいかなくなる。
犯罪じゃなければ、それで良い。
違うから、上手く回っている。(コツコツ系の仕事が好きな人、人と喋るのが好きな人、頭よりも身体、もしくは身体よりも頭を使う方が好きな人がいるから、社会の色んな仕事、サービスが上手く回っている。)

なので、皆それぞれ尊敬されるべきところがあるはずです。

「だから、他人が自分と違っても、自分が他人と違っても、それで良い。」

自己&他人肯定感アップです。



アートの力② 自分で考える力・本質を見抜く力がつく


一見なんだか分からない系のアート(いわゆる近・現代/モダン・コンテンポラリーアート)は、私達にたくさんの「?」を与えてくれます。

「作者は何を伝えたかったんだろう?」
「どうやって作ったんだろう?」
「何でこうなったんや?」
「何で自分はこれに惹かれるんだろう?」
「なんでこれは好きじゃないんだろう?」

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(by Louise Bourgeois)

そんな意味の分からない作品にも、実は深い意味や作者の思いや哲学やセンスが込められています。

よってアートに触れることは、物事の裏まで考える力、自分で想像する力を鍛え、自分自身の頭で何かの考えを生み出す良い練習になるのです。

作品たちに、「おいおい、どうした?なんでこうなった?」と一人で突っ込んで、5秒だけで良いので考えてみる。
で、タイトルや解説を見て、「なんでやね~ん!」とか「そういうことか~!!」と叫ぶ(心の中で)
それを繰り返していくと、どんどんおもしろくなっていくので、
”楽しく”考える力を養えます☆

こちらで上記の絵などを例に挙げながら、実際に「一人突っ込み漫才法」をやってみていますので是非ご覧下さい☆


⇩は、最近訪れたホイットニー美術館で私が惹かれた作品。誰がどの作品をどう感じようが本当に人それぞれなのですが、「考える」の一例として、私がどうやって考えて楽しんだのかをあげさせて頂きます。

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”FOCUS” by Agnes Pelton

フォーカスというタイトル。集中とか、中心とかいう意味で、確かに真ん中に丸い光がそれを表しているように見えます。でも、その周りになんだかよく分からないものが散らばっています。
「なんであえてごちゃごちゃしたものを散らばせたのかな?」
「集中したいけど関係ない事を考えてしまう、集中出来ない様子を描いたのかな?」
「自分も考え事してる時、なんかこんな感じかも。」
「作者も何かに集中してる時、頭の中こんな感じなのかな?」
「関係ないように見える事から、一つのアイデアが生まれる瞬間とか?」
などなど、共感したり、更に一歩進んで、アイデアの出し方のインスピレーションにもなりました☆

*「自分で考える力がいかに必要か。考えない事の危険性。」については、追って別記事にさせて頂きます☆



アートの力③ 世界の真実や偽りをさらけ出してくれる。


超簡単! アートとは。② ~ほんでアーティストって、何してんの?~
に書かせて頂いたように、アーティストは哲学的な事や社会の問題や既存の事実などなど、一言でいうと”世界”について、日々考えています。

なのでアーティストは、上手く世界に紛れてなかなか発見する事が難しかったり、一見取るに足らないように見える事実を見逃さず、私達に気付かせてくれます。

例えば、環境破壊、ゴミ問題。

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(作者:上から順に①Danielle Mastrion, ②Tan Zi Xi, ③&④Ferdi Rizkiyanto) 

このようにして、

「本当に良いの?」
「こんな事になってますけど?」
「他人事と思ってない?」

と、事実を人々にさらけ出し、ある種のショックを与えてくれます。
そのおかげで、
「あ、ガチでヤバいかも。」
「ゴミ問題、知ってはいたけど、他人事だったな。」
「とりあえず無駄ゴミは減らそう。」
など、良い意味で影響を受ける人々が出てきます。


このようにアートは、
現在の世界を見る為、
その中の真実や偽りをさらけ出す為、
そしてその世界と真実/偽りをつなげて、私達が理解してより良い世界に変えていく為に、
非常に重要な存在をしてくれています。


このようにアートには、人を動かす力があるのです。
なので、「アートの力で社会を変える」のような壮大な言葉が、芸術大学系のポリシーにはよくあるのですね。

実際にアートが人、街を変えた例についての記事はこちらをどうぞ。



まとめ。


 アートは、私達に新しい価値観・意味・考え方・視点を教えてくれ、それによって、私達はビジネスでも日常においても、柔軟で応用&発展力のある姿勢を身に着けることが出来ます。

アートには、「なんだこれ?なんで?」と考えるきっかけがたくさんあるので、自分で考える力・本質を見抜く力がつきます。それはつまり、物事の裏まで考える力、自分で想像する力、自分自身の頭で何かの考えを生み出す力であり、信ぴょう性の欠ける情報に惑わされたり、脳レベルの低下を防ぐ効果があります。(脳トレにもなりますね☆考える力の必要性について詳しくは次回の別記事にて。)

そしてアートは、世界の真実や偽りをさらけ出し、実際に私達の行動まで変える力があります。


私達の視野や可能性を拡げ、
自分達で考える力を養い、
真実を見、
より良い世界にする助けをしてくれる。


なので、短期的にはアートなんて無くても全然へっちゃらで、エッセンシャルワークに入る事も一生ないでしょうが、「アートはエッセンシャルだ!」と主張する人もいる位社会では重要とされているのです。

重要視され過ぎるあまりに難しく説明され、「アートは難しい。」と、敬遠されてしまうのですね。

またアートの効果は確かに壮大ですので、文章にまとめると難しそうな響きになってしまいます。しかし実際は、

「これも出来るね!こんな人/方法/考え方ももあるんだね!」
「こうしたら良いんじゃない!?」
「え!知らなかった!ヤバいやん!」
「ちょっと私も行動に移そ!」

というように、私達の好奇心をかきたてつつ、日常で私達が使えることを実感出来るのがアートです。

そうなんです。実はアートって、私達がより良い人生を送る為のものであり、思っているよりももっと、身近なものなのですね。


この記事が皆様にとって、少しでもアートを身近に感じるお力になりましたらば、この上なく幸いです。

これからも、

「アートを身近に!
一人でも多くの人が生きやすくなる社会を目指して!」

を頑張って参りたいと思います。

応援の程、よろしくお願いいたします☆

本日も長々とお付き合い頂き、ありがとうございました!

Aika.


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