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#6)新採用の苦悩。助言は難しい。


新採用の苦悩

新採用や異動してきたばかりの先生は、その学校の「文化」や「生徒の様子」や「地域性」がよく分かりませんよね。
特に新採用の先生は、大学生からいきなり「先生」と呼ばれる立場になります(講師経験者もいますが)。

中学校は割と採用1年目は学年部副任になることが一般的だったのですが、近年1学校単位の教員数も減少傾向にあり(生徒数が減っているからということですが…)、新採用といえど「学級担任」「部活動主顧問」などの校務分掌が割り当てられるケースも少なくありません。(諸事情により担任や部顧問はしません、という中堅・ベテランの先生も一定数いますので(^^;))

新採用の先生は、これまで大学等で「授業の進め方」や「学習指導案の書き方」を学んだり、教育実習で「授業」や「朝学活・終学活」を実践したりしてきました。反面「学級開き準備」や「部活動経営」や「評価を伴う単元を見通した授業づくり」をどのように進めてよいのか分からない場合が多いです。したがって、手探りで春のバタバタした時期を過ごすことになりがちです。他にも「生徒・保護者・同僚・上司」との関係に悩むことも少なくありませんし。物理的な業務量+精神的な負担感は、推して知るべしでしょう。

誰かに聞けるといいのだけれど…

そんなときに、「分からないんで教えてもらえますか?」と気軽に質問できるコミュ力高めの人は、なんとか切り抜けていけますが、なかなか自分から積極的に質問できない先生も少なくありませんね。
・ベテランの先生に言わせれば、「そんなの大人なんだから自分から聞かな
 いとだめだよ、結局困るのは生徒だよ」
となりそうです。
・心理学のアドラーさんに言わせれば、「承認欲求など捨てて、今自分がで
 きる範囲のことを自分の意志でやればいいじじゃん!」
となりそうです。
けれど、もしかしたら多くの困っている新採用の先生は「それができたら苦労しないですよ」と思っているのかもしれません。

良かれと思って

さて、前年度以前から勤務している先生は、良かれと思って親切にいろいろなことを教えます。このときに注意してほしいのが、そのアドバイス内容です。ともすると次のように考えてしまう先生がいるかもしれません。

⑴ こんなにも多くの助言をしてもらっているのに、それがうまくできない
  自分はなんてダメな奴だ。
⑵ 軽重つけて適当にやれといわれるが、まずはすべてをちゃんとやれるよ
  うにしたい。けれど、やることがたくさんありすぎてしんどい。
⑶ やはり自分にはこの仕事は向いていなかったのだろうか。続けていけな
  いかもしれない。けれど皆さんに迷惑をかけられない

「そんなこといったら何にもアドバイスなんてしない方がいいじゃないか。」と言われたら元も子もないのですが、実際に結構こういうことは起こりうるのです。
じゃあ、どうすればよいのか。

助言は難しい

タイトルの通り、助言は難しいです。
聞かれたことに対する回答だとしてもです。
この場合一番の方法をいくつか紹介します。

⑴Must と Want を選別する
 どんな仕事を抱えているのかを聞き、仕事を整理します。To Do Listを作成
 してもでも良いです。そこから、Must or Wantを選別させます。その後、 
 Wantをからやるようにさせます。Mustに対しては「高・中・低」の対処
 方法を考えてあげます。
 ・例えば、ノート点検がMustであれば、
  「高」すべてを読んでチェックして評価し、コメントを残す
  「中」重要な部分だけ読んで評価し、点検印を押す
  「低」分量だけを見て評価し、点検印を押す
 ・例えば、学級の係活動決めの方針を作成するがMustであれば、
  「高」学年部の方針を生かしながら、独自性をもった方針を作成する。
  「中」学年部の他の担任の方針を少し手直しする。
  「低」学年部の他の担任の方針をそのまま使う。
 内容の重要度にもよるでしょうが、これらを提示し選択させます。 

⑵伴走型加勢をする
 Must or Wantが確認出来たら、1つ1つを仕事を一緒にやってあげます。
 本人が自分でやりたいと言った場合は、放っておきます。そのかわり、夜
 何時までかかっても、職員室で別の仕事をしたり、雑談したり、おやつを
 分けたりします。
 管理職が「働き方改革だから早く帰りましょう」と言ったら、その管理職
 も道連れにしましょう。

⑶俺はこうしたらうまくいったぜエピソードをしない
 言われた側は「すごいですね」しか返せませんし、成功例を聞いて同じよ
 うなことをしてみようと思うくらいなら、その人は、助言が必要ないほど
 生き生きと勤務できています。
 だったら本当にやばかったダメ話をした方がいいです。その話のオチは、
 「大逆転」ではなく「何とか生き延びた」とか「○○にやってもらって助
 かった」に変えてあげましょう。 

「本当にしんどい、もう無理」という思いをすることは、多くの教員(社会人)が一度は通る道だと思います。これは何年勤務しても起こりうることです。朝起きて、学校に行くのが本当に億劫です。私自身も、10分で学校に到着できるところを、遠回りをしながら、わざわざ30分もかけて「はぁ、行くかぁ」という気持ちをつくってから通勤してた経験があります(-_-;)
だから教員同士こそ、お互いに支え合いながら、毎日に少しでも楽しみを見出して働いてほしいと願っています。

今週から本格的にスタートを切る中学校が多いと思います。無責任な言い方かもしれませんが、応援しています!






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