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心の旅路:過去の愛と現在の感情を巡る思索〜アニメ版 進撃の巨人 完結編を観て〜

※ネタバレ含むのでご容赦を

動画で深堀り!

泣きどころ:感情が共鳴する瞬間

アニメ『進撃の巨人』の完結編をネットフリックスで観たことで、特定のシーンで泣いてしまいました。自分でも「ここで泣くか」と思い、他の人は泣かないだろうと感じました。

このように、小説、アニメ、漫画、映画を観る際に、周りの人と感情の反応が異なることがよくあります。映画館で他の観客の反応を見ると、この違いがよく分かります。

感情の表現は人それぞれ異なります。例えば、笑いのツボも人によって違います。他の人が笑っていないところで笑ってしまったり、逆に周りが笑っているのを見た経験はありませんか?

泣くポイントも同様に人によって異なります。自分が他の人と違うポイントで泣く理由について考えた時、あることに気づきました。

涙腺が緩んだのはこのシーン:個人的な感動の瞬間

僕が『進撃の巨人』の最終章、特に「あの丘の木に向かって」というエピソードで泣いたシーンは、エレンとアルミンが対話する場面です。アルミンが「どう思っていたのさ?ミカサのことだよ」と問いかけるところから始まります。

この会話で、エレンが「ミカサが他の誰かと幸せになると思う?」と言うセリフに、僕の涙腺は刺激されます。アルミンがエレンを殴った後に、「まぁ案外、すぐにいい人見つけてあっさりくっつく気もするな」と言います。

そしてエレンは泣きながら、「やだ…そんなのやだ…ミカサに男ができるなんて…一生俺だけを思っていてほしい。俺が死んだ後もしばらく、10年以上はひきづってほしい」と告白します。これにアルミンは呆れ気味に、「あぁ…そこまでカッコ悪いことを言うとは」と応じますが、ここで僕は涙腺崩壊寸前になります。

エレンが「今のはミカサに言わないでくれ、幸せになって欲しいんだ。本当に…死にたくねぇ、ミカサとみんなと一緒にいたい」と言う場面では、もう涙を抑えることができません。

このシーンは物語の終わりに向けての重要な部分であり、エレンが大量虐殺を行ったことへの一種の緩和でもあると思います。僕はこれを特に泣かせるシーンとは考えていませんが、皆さんはどうでしたか?泣かせるシーンでしたか?

心の深層:失われた瞬間への共感とその理由

僕には感情を寄せる二人、エレンとミカサのような関係がありました。片方がもう一方を置いて亡くなるというシナリオに直面すると、特に置いて行く側の感情が見える時、僕の涙腺は緩みます。自分が置いていかれる側に感情移入するのです。

感情移入とは、自分自身をその状況に重ねること。僕はまだ大切な人を亡くした経験はありませんが、似たような経験があります。その時の喪失感は、心に穴が開いたようで、涙が止まらない状態でした。

その感情を、Sundays Ring Road Supermarketのアルバム「あいから」の「雨が降る」という曲で次のように表現しました。

鼓動が消えた胸に喪失感
内側から広がる無感情
体温と同じ温度の乾いた涙の代わりに冬の雨

Sundays Ring Road Supermarket / 雨が降る

この感情は、単に過去を思い出して泣くのではなく、残された側の哀しみに共感して泣くことです。『進撃の巨人』でミカサがエレンの亡骸を抱えて運ぶシーンには特に感動します。僕自身、失ったのではなく「また会えるかも」という希望を持ちつつ、子供たちと共に前を向けました。エレンの「ミカサに幸せになってほしいけど他の男とは嫌」という矛盾する感情にも共感します。僕の場合、別れる時に彼女が「亮介は幸せになりなさい。再婚するんだよ」と言ったことが、彼女の本音ではないと感じた時、涙がこぼれます。それは彼女が僕のために自分の感情を抑えたからです。それが彼女の本音だったのかと考えると、妄想かもしれませんが、涙腺が緩んでしまうのです。

別れの余韻:過ぎ去った愛への未練とその葛藤

再婚したにも関わらず、元妻のことを思い出すことに違和感を覚えたり、中には、情けないと見下す人もいるかもしれません。
再婚時には彼女のことを忘れるつもりでしたが、それはすぐには難しく、時間をかけて徐々に忘れようとしました。しかし、2度目の離婚を経て、彼女への思いがまだ残っていることに気付きました。

小説、映画、ドラマでは、別れた人を忘れて新しい道を歩む描写が多く、それが幸せへの道とされています。多くの人に同様のアドバイスを受けました。それは幸せになってほしいという願いからだと思います。そういった親身なアドバイスは嬉しいものです。

しかし、彼女を思い出す時間は幸福感に満ち、かけがえのないものです。別れてから15年が経ち、あの時と変わらない思いを持ち続けています。彼女も同じ気持ちかもしれません。エレンのように。

「もしお互いがそんなに大事なら、なぜ別れたのか」と疑問に思う方は、ぜひ小説「あいから」を読んでみてください。

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