だから私はあなたのことが大好きなんだって


「大好きなんだよ」

もう何回伝えただろうか。それでも私の思いは100%届いていないんだと感じる。冷静と情熱の間。情熱的な私はいつでも冷静なあなたとの間に見えない川が流れているかのよう。私が真っ直ぐ伝えてる気持ちは向こう側にさしかかる前に風でどこかに行ったようだった。

同じとは思っていない。

私に抱く感情やあなたの心は見えないもの。目の前にいる時の仕草や表情で読み取ることがいつのまにか癖になっていた。最近は何気ない会話で放った言葉への反応が素っ気ない。

私、変なこと言ったのかな?

毎日一緒に寝ていたベッドに今日も1人で眠る、お風呂は理由をつけては先に入ってしまう。私も文章を書いている時は1人の世界に入り込んでいるからお互い様なのかな。

2人でいるのに、まるで1人のような生活。どこからすれ違った?思いは薄まってしまったのだろうか?


出会った頃はお互い1人同士だった。私はすぐにあなたに惹かれた。恋人未満の私達はあやふやな関係だったけど、あなたも私に好意を持っていると感じたんだ。何の確証もなかった、それでもあなたの言葉からは愛の匂いがした。

私が好きならばそれでいい

自分以外の人の気持ちはわからない。だから自分の気持ちを大事にしようと決めた。私には自信があったのかもしれない。あなたが好きになってくれていると。言葉の端々から溢れるものを感じ信じられた。

永遠の愛があるとは思っていない。心は毎日変わっていく。あなたとの関係も。好きは愛に変わり、愛が空気に変わっていく。
それなのにいつの間にか愛情が欲しくなってしまっていた。貪欲に欲しがるハイエナのように。

彼は疲れてしまったのだろうか、それとも彼にとって特別な存在ではなくなってしまったんだろうか。
小さな不安はやがて大きな渦を巻いて私の心をかき乱す。あなたを手放す選択肢は私にはない。どんなにめんどくさがられても、邪気にされても、冷たくあしらわれても揺るがない。

「大好きなんだよ」
好きすぎて辛いことはたくさんある。近づいても離れていく、決して埋まらない距離はある。手を伸ばしたら触れられるのに心は触れられない。思いが強すぎるから離れていく。

伝えたい、何もかも全部本当の思いを。

そして全部受け止めて。

1人で横になったベッドの上で、向こうの部屋からあなたの寝息が聞こえる。
今日もあなたの温もりを思い出しながら目を閉じる。

どうか伝わって、こんなに好きなんだよって。

私とあなたが1つならいいのに。喜びも苦しみも分け合えれば良かったのに。

最後まで記事を読んでくれてありがとうございました!