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投票所のえんぴつは不思議と書きやすし筆圧高くひと息に書く(橘夏生/大阪ジュリエット/青磁社/2016)



一読、ああ、たしかに。と思った。

不思議と書きやすし 

 そうそうと思う。

筆圧高くひと息に書く

 これも  そうそうと思う。

「不思議と」が効いている。


「投票所」は学校であることが多かったのだけど、
いつもは生徒がいて先生がいて授業があって校庭では子ども跳んだり走ったりしている場所が、選挙の日だけ廊下に何か敷かれたりしていて。
そこをとことこ歩っていくと、お習字(筆)で書かれた投票所の文字。

年末神社にお参りに行くとき程ではないにしても、何か非日常がある。
ほんの少しだけおごそかな感じ。

えんぴつをはしらせる かすかな音が聞こえてくるような。
投票所独自のしずけさも思いだす一首。

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