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140文字の悲劇:ツイ難王UTBゾンビゆきひろの復活

 ツイ難たちの140文字の限界を越える生存への挑戦と、新たな希望はUTBウイルス感染して復活したツイ難王ゆきひろUTBゾンビにより打ち砕かれた。

 UTBウイルスは世界中を衆愚化することで、世界大統領の地位を狙っていた旧都知事の百合臨が、カイロのピラミッドで盗掘した無知化ウイルスを動画配信サービスUTBによって拡散するように遺伝子操作して作り出していたものだ。

 無知化ウイルスは、古代エジプトを滅ぼした後も、古代アテネ、古代ローマ、ヴァイマル共和国など、多くの古代文明を衆愚化して滅亡に追い込んでいた。しかし、人類の90%が無知化した近代では、人類は無知に対する集団免疫を獲得していた。

 そのため、百合臨は無知化ウイルスの原種のカイロ株を盗掘し、より強力な無知化ウイルスを密造し、UTBによって拡散する計画だった。しかし、この計画はUTBウイルス感染すると、投票用紙に平仮名で『ゆりりん』と書くことすらできないほど、人類を無知化してしまう問題点が人体実験で露呈してしまい、新宿都庁地下秘密研究施設に凍結されていたのだ。

 新宿都庁遺跡の電源喪失によりアウトブレイクしたUTBウイルスの第一号感染者として、UTBゾンビとして蘇ったツイ難王ゆきひろは『それってあなたの感想ですよね。なんかそういうデータあるんですか? みんな頭悪いと思ってるんですよ。答えてください。 # UTB論破王ゆきひろ』とツイ難たちを襲い始めたのだ。

 UTBウイルスは変異を繰り返し、ツイ難をさらに無知にして、140文字さえも読めなくするゾンビウイルスへと狂暴化し、UTBゆきひろゾンビに論破されたり、ゆきひろのUTB動画を観るだけで、無知感染してしまう恐ろしいウイルスと化していた。だが、140文字までしか記憶できないツイ難たちは、既にUTBが何だか忘れていたので、UTB感染は免れていた。

 しかし、ツイ難たちは驚きと恐怖に包まれた。新たな脅威、ツイ難王UTBゆきひろゾンビは、他のツイ難に噛みつきUTB感染を広め、自身と同じUTBゾンビを増やしていったのだ。その様子はまるで感染したツイ難たちがバイラル広告を行っているかのようだった。ツイ難たちは、140文字すら理解できないUTBゾンビに襲われ、知識を獲得することを阻害された。

 ツイ難たちはそれでも諦めなかった。彼らはUTB感染を防ぐ方法を見つけ出すべく、新たな140文字の情報を求めて闘い続けた。

『UTBゆきひろゾンビを論破。本当に頭が悪いのは誰だ? 答えてください。 #ツイ難』

『それってあなたの感想ですよね。なんかそういうデータあるんですか? みんな頭悪いと思ってるんですよ。答えてください。 #論破王ゆきひろ』

 このリピートされ続けるフレーズは、新たなツイ難ゾンビを増やし続けた。新東京は瞬く間にUTBゾンビの廃墟と化した。

 しかし、この絶望的な状況の中で、一部のツイ難たちは闘志を燃やし、新宿ダンジョンの深部で、ある重要な発見をした。それは、かつてツイ難王ゆきひろが使っていたGPT装置のアドオンだった。装置は長い時間の放置にも関わらず、なんとか動作していた。

 ツイ難たちは新たな希望を見いだした。もしかしたら、このアドオンを使ってUTBウイルスに対抗できる策を考え出せるのではないかと。

 アドオンを起動させたツイ難たちは、アドオンからUTBゾンビについての情報をフィードし、可能な解決策を模索した。装置は長い時間をかけて分析を行い、ついに結果を出した。

『対UTBゾンビツイート生成完了:俺の名前は論破王ゆきひろ。それってあなたの感想ですよね。なんかそういうデータあるんですか? みんな頭悪いと思ってるんですよ。答えてください。 #UTBゾンビ論破』

 これはゆきひろの名言を模倣したツイートだったが、ハッシュタグに『#UTBゾンビ論破』というフレーズが含まれていたことが画期的だった。『みんな頭悪いと思ってるんですよ。答えてください。』これは、UTBゾンビ化したツイ難たちの誤った認識に疑問を投げかけ、自身の思考能力を刺激するはずだ。

 ツイ難たちは、このメッセージがUTBゾンビ化したツイ難たちに対する論破の鍵となることに希望を託した。ゆきひろのフレーズを使用し、彼らが過去に信じていた、ゆきひろの無知を思い出させ、その後に問いかける。これによって、彼らの意識を取り戻し、UTBウイルスの支配から解放することが可能なはずだ。

 しかし、それは同時にリスクも伴う行動だった。なぜなら、彼らがUTBゾンビ化したツイ難たちに反論を促すことで、自身もUTBウイルスに感染するリスクがあったからだ。

 だが、新東京を取り戻すため、ツイ難たちはそのリスクを受け入れた。彼らは、新たなツイートを編み出し、勇気をもってそのツイートをネット上に拡散し始めた。

『それってあなたの感想ですよね。なんかそういうデータあるんですか? みんな頭悪いと思ってるんですよ。答えてください。 # UTBゾンビ論破』


 それはまるで、病を治すためのワクチンのようだった。UTBゾンビ化したツイ難たちは、その新たなツイートに接触するたびに、彼らの中に眠っていた僅かな理性が少しずつ目覚め始めた。

 そして、そのハッシュタグには何百、何千というリプライが付けられ、それぞれが新東京のUTBゾンビ化したツイ難たちへの挑戦だった。それは彼らが自分たちの意見を声高に宣言し、自分たちの意識を取り戻すための一つのステップだった。

 しかし、その戦いは容易なものではなかった。『すでに文字が読めなくなっているUTBゾンビにハッシュタグの効果はあるのか?』

 だが、彼らは諦めなかった。それは彼らの信念、新東京を救うという使命感から来ていた。ハッシュタグ『#UTBゾンビ論破』は、新東京の街のあちこちで光を放つようになった。そのハッシュタグに込められた意志と勇気が、新東京のUTBゾンビ化したツイ難たちを目覚めさせる力となり、街は少しずつ元の活気を取り戻し始めた。文字が読めないUTBゾンビにもハッシュタグのサブリミナル効果があったのだ。

 ツイ難たちはネット上での戦いを続けた。そしてその戦いは、新東京の未来を決める一つの闘いであり、新東京の人々が自分たちの意識を取り戻すための闘いでもあった。

 そしてその物語は続く... それは終わりの見えない戦いではあったが、ツイ難たちは未来に向けて前進を続けた。新東京を取り戻すために。

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