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AI倫理学の基本用語(第3回)

AIのアーキテクチャと技術

 アーキテクチャ(Architecture)には様々な意味や定義がありますが、AI用語におけるアーキテクチャとは、機械学習や深層学習モデルの基本構造や設計のことを指します。アーキテクチャは、モデルがデータをどのように処理し、学習や予測を行うかという点で非常に重要な役割を果たしており、AIの性能や適用範囲を大きく左右します。
 
 これらのアーキテクチャは、研究者たちが様々な問題やタスクに対応するために開発され、改良されてきた経緯があります。適切なアーキテクチャを選択することで、モデルの性能を最適化し、より高い精度や効率性を実現することが可能です。
 
(1) ニューラルネットワーク(Neural Network)とは、人間の脳のニューロンを模倣したコンピュータ上のネットワークであり、データを処理して学習や予測を行うために使用されます。ニューラルネットワークには、画像認識や音声認識などのタスクに適して空間的な情報を効果的に学習できる『畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)』と、時系列データや自然言語などの連続的なデータを扱うために設計されたニューラルネットワークであり、過去の情報を保持する構造を特徴とする『リカレントニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)』があります。
 
(2) トランスフォーマーアーキテクチャ(Transformer Architecture)は、自然言語処理タスクにおいて画期的な成果をもたらしたアーキテクチャで、『アテンションメカニズム』を用いて入力データの関連性を捉えることが特徴です。従来のRNNやCNNに比べて並列処理が容易であり、大規模なデータセットでの学習が高速に行えるという利点があります。
 
(3) アテンションメカニズム(Attention Mechanism)とは、データ間の関連性に重みを付けることで、重要な情報に焦点を当てる機能を持つ深層学習の技法です。
 
(4) コンピュータビジョン(Computer Vision)とは、画像や動画などの視覚情報を解析・処理するための技術であり、機械学習や深層学習が活用される分野です。
 
(5) 敵対的生成ネットワーク(GAN:Generative Adversarial Network)とは、一つのネットワークがデータを生成し、もう一つのネットワークが生成されたデータの真偽を判断するという相互作用を通じて学習する深層学習モデルです。
 
(6) 長短期記憶(LSTM:Long Short-Term Memory)とは、RNNの一種であり、長期的な依存関係を効果的に学習できる特殊な構造を持っています。
 
(7) ゲート付きリカレントユニット(GRU:Gated Recurrent Unit)とは、LSTMと同様に長期的な依存関係を学習する能力を持っていますが、構造がシンプルなRNNの一種です。
 
(8) 強化学習エージェント(Reinforcement Learning Agent)とは、環境と相互作用し、報酬を最大化する行動を学習する機械学習アルゴリズムの主体です。
 
(9) シーケンスモデリング(Sequence Modeling)とは、時系列データや自然言語などの連続的なデータを扱うための機械学習の技法です。
 
(10) エンコーダ(Encoder)とは、データを一定の形式に変換する部分であり、例えば自然言語処理モデルで文章をベクトル表現に変換する役割を果たしています。
 
(11) デコーダ(Decoder)とは、エンコーダによって変換されたデータを元の形式に戻すか、別の形式に変換する部分であり、例えば翻訳モデルでベクトル表現から目的言語の文章を生成する役割を果たしています。
 
(11) エンベディング(Embedding)とは、カテゴリカルデータやテキストデータを連続的なベクトル空間にマッピングする手法です。
 
(12) セマンティックセグメンテーション(Semantic Segmentation)とは、画像中の全てのピクセルに対して意味的なラベルを割り当てるコンピュータビジョンのタスクです。
 
(13) オブジェクト検出(Object Detection)とは、画像中に存在する物体を識別し、その位置を矩形で囲うことを目的とするコンピュータビジョンのタスクです。
 
(14) ポーズ推定(Pose Estimation)とは、画像や動画中の人物の姿勢を推定するコンピュータビジョンのタスクです。
 
(15) 画像生成(Image Generation)とは、深層学習モデルを用いて、実在しない新しい画像を生成するタスクです。

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