6-ホテルの朝食

【9】2018秋、ベトナム、ホーチミン

Day 4-5
Cảm ơn bạn! I had a great days. LOVE, Ho chi ming City.

ホテル ニューワールド サイゴンで迎えるこの旅で最後の朝。
明日の早朝便でホーチミンを去るため、今夜は空港で明かす事となり、しっかり眠っておきたかったのだが、明け方に少し微睡んだだけで余り眠れなかった。
旅の緊張と自律神経の不調の前では、睡眠導入剤の一錠では頼りなかった様だ。
変な所で居眠りをして置き引きやひったくりにでもあったら事なので、少し動き方を組み立てる必要がある。
今日と明日、一番でしなければならない事は、言うまでもなく「健康や財産を損う事なく、無事に帰りの便に乗る事」だ。
既に損なってしまっている自律神経に関しては仕方がない、せめて悪化しない様に易しい日程を組もう。

おそらくこの旅の栄養面で一番お世話になった、ホテル ニューワールド サイゴンでの朝食を終え、サークルKにお茶や水の買い出しに向かう。
そうだ、必ず通るエレベーター前の、あの暗紫色のアオザイを着たエレベーターパーソン。
毎日入れ替わるのに、全員美しい。
ちょっとだけ笑顔が欲しいな。
1Fから Ground floor 行きに乗換えを案内してくれたのは、目がクリッとした愛嬌のある美人。
「Oh..., What a thing, you were beautiful again today !」
ちょっとウケた。
「Do you want to go the ground floor?」
「Yeah, have a nice day.」
自分の軽口と美女の笑顔に満足して外に出た。

サークルKでお茶と水を物色していると、お土産にうってつけのモノを発見した。
インスタントコーヒー。コーヒーこそホーチミンの象徴だ、この旅行でも何杯飲んだか分からない。
昨夜眠れなかったのもコーヒーの飲み過ぎかも知れない。
アイス用とホット用、それぞれをカゴに押し込んで、ついでにクーラーに並んでいた「恋しいミルクティー ダーリンすごく会いたくて」とハート満載のラベルに書かれたボトルも押し込んだ。
日本語ではあるが、あまりにスイートでストレート過ぎるワードセンスとカラーリング。日本法人のローカル商品や香港製の可能性もあるが、直感的に台湾製だと思った。あの人達は歌って踊って食って恋する人達だ。
店を出て裏のラベルを見たら、やはり台北市に本社を構える食品会社のモノだった。

画像2

ホテルに戻りシャワーを浴びた後、恋するミルクティーをデスクの端に置いてタスクを整理する。
忘れ物のチェックやチップの様な、何時ものチェックアウト時タスクにプラスして、荷物の預かりと、チェックアウト後のラウンジでの休憩を交渉できれば良いだろう。
チェックアウトまで1時間半足らずだが、結構やる事がある。
まずは恋するミルクティーを一口。
味もやはりスイートだった。

残金の計算など幾つかのタスクをこなした後、この旅行記を書いていると、チェックアウト時刻が速足で近づいて来る。急がないと。
実は初日にこの地で発生したタスクも、今しかできない事。
ベトナムカップ麺の名誉回復だ。
今度こそ調味料を正しく全て入れてお湯を注ぐ。
程なく出来上がったカップ麺は、当然初日の無味とはえらい違いで、あっさりしているが食欲のない時にも食べられそうな上品な味わいだった。
この辺がホーチミン市民の味覚レンジなのだろう。

やる事が多いので、食べながら荷物を整理し、休憩交渉のメモを書く。
11:50
残りのスープをかっ込んで、ついでにメモパッドにも感謝を描き込んで、チップと共にベッドに置いて部屋を出た。
海外旅行ではいつもこの手のメモを残す。
「Cảm ơn bạn! I had a great days. LOVE, Ho chi ming City.」
台湾人に当てられた訳ではないが、メモパッドにはハートが踊った。
日本人だからね、そこは少しだけ控えめに。

画像1

ホテル ニューワールド サイゴンのフロントパーソンは、荷物の預かりも、22:00までのラウンジでの休憩も快く応じてくれた。
さすが貨幣価値の概算で1泊6〜7万円ほどのクラスのホテルだ。
日本人スタッフに電話を繋ぎ、意味の取り違えが無いか確認する程の丁寧さ。
このホテルに泊まれた日々は、嘘や大袈裟でなくGreat days だった。

ご支援いただけるとラグビー見ながらビールが飲めます、もしくは同僚や友達への海外旅行時のお土産を増やすことができます。嬉しい。