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販促とは?営業や広告、マーケティングと販売促進の基本的な違いも解説

こんにちは!
アイドマ・ホールディングスです。

販促(販売促進)というものは、あらゆるビジネスで重要な役割を果たします。営業の現場では、販促資料や販促費、販促ツールや販促グッズ、販促物、販促品などの言葉が日常的に飛び交うものです。

そもそもビジネスとはモノかサービスを販売するわけなので、その販売を促進する工夫がないビジネスなど存在しません。しかし広告や営業、マーケティングとの違いが分かりにくいという声も聞かれます。

この記事では販促とは何かを具体的な事例も挙げて説明し、そして営業やマーケティングとの販売促進の基本的な違いも分かりやすく解説していきましょう。

そもそも販促とは?

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販促は販売促進の略語で、販売を促進するすべての活動を指します。つまり、B to CであれB to Bであれ販促は必ず存在するのです。

英語で販促は「セールスプロモーション」と呼ばれますが、セールスは販売、ポロモーションは促進なのでまったく同じニュアンスですね。

販促は既存顧客や見込み客が商品やサービスを購入するための、背中を押す「きっかけ作り」全般を意味するといえるでしょう。

 販促の具体的な事例あれこれ

販促の具体的な事例は以下のようなものです。

●割引きクーポン
●優待クーポン
●キャッシュバック
●ノベルティ
●試供品配布
●懸賞プレゼント
●(上記のような内容を含む)キャンペーンやイベント
●実演販売
●店内POP
●スタンプカード・ポイントカード
●顧客カルテ

このように、販売につなげるあらゆる事柄をカバーする概念ともいえます。

広い意味では、購買意欲をそそる目的のショーウィンドウのディスプレイや店内のディスプレイなども、販促の活用の一環ともいえるでしょう。

ビジネスに販促が必要な理由

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さて、なぜビジネスに販売促進が必要なのかという基本命題について触れておきましょう。

ひとつにはマーケットが成熟していて、多くの商品やサービスが飽和状態にあるからです。

端的にいえば、ものすごく希少価値がある商品にとって販促の必要はほとんどなく、市場に出せばすぐに売れるでしょう。

そのような市場性が高い商品は、品揃えしていることが告知されるだけで充分です。しかし、多くの商品はそうはいきません。

膨大な情報の中で自社商品は埋もれてしまうため、振り向かせるための何らかの施策なくしては、競合との差別化ができないのです。

つまり、現代の販売促進は差別化促進と言っても過言ではありません。また、市場の成熟だけでなく買う側の既存顧客や見込み客の目も肥えてきており、厳しい基準で見られます。

このようにモノが簡単には売れない時代だからこそ、各企業が販促に力を入れるのは当然なのです。

 販促に絡む落とし穴とは?

販促に関して落とし穴があります。それまで売れていた商品の売れ行きが悪くなると、多くの場合に販促が問題だと考えて販促方法を変更しようとするでしょう。

ところが、そもそも刻々と移り変わるマーケットの状況の中で、商品の市場価値が相対的に低下したことが原因である場合も多いのです。

それなのに販促を躍起になって変更しても、市場価値が下がった商品を必死で広めようとすることで却って企業価値さえ落としかねません。

売れ行きにマイナスの変化が出たら、まずは商品やサービスの市場性がどうなっているかを見極めましょう。市場性が充分保たれているなら、そこで初めて販促の切り口を変える検討が意味を持ちます。

販促とマーケティングの違い

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販促とマーケティングはよく似ていて、違いが分かりにくいかもしれませんね。

マーケティングとは、商材の市場性を生み出して実際に売るところまでも含めた、包括的な活動全般を意味する言葉です。

まずは、自社の商材を世の中に出すために市場のニーズを調査し、誰に向けてどのような商材を企画・開発・製造もしくは品揃えするかを検討します。

そして、用意した商品をどのようにしてどれだけの量を売っていくのかの戦略を構築し、実行に移すプロセスすべてがマーケティングの範疇です。

販促はマーケティングという包括的な活動の中に含まれる、ひとつの役割となります。マーケティングを「戦略」と考えれば、販促はその戦略の実行プロセスにおける「戦術」ともいえるでしょう。

 販促と広告の違い

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販促と広告もまた、似ているイメージがありますよね。

広告は目的がはっきりしています。自社が売りたい商品やサービスの告知、広告宣伝という、はっきりした定義ができる活動です。

広告の種類は紙媒体やTV・ラジオ・Webなどのメディアでの広告、電車等の吊り広告やバスの音声広告、宣伝カーなどがあります。

紙媒体も新聞に織り込んだりポスティングしたりするチラシ、あるいは店舗に置いたり店頭や街頭で配るフライヤーなどや雑誌や新聞の中に印刷される広告、ダイレクトメールやメルマガなどです。

Web広告もLPやバナー広告だけでなく、リスティング広告など手法が多様化しています。

そういう意味では商品を知らせるのが広告の役割で、その商品を買うきっかけを作るのが販促という棲み分けができているのです。

ただし、広告の中に販促の要素が含まれている場合が多く見られます。キャンペーンの内容やクーポンが、チラシやWeb広告の中に記載されていることが多いのはご存知のとおりです。

つまり、広告の枠内では商品紹介とともに販促の紹介もなされているので、販促的な性格も併せ持つ広告があると考えてよいでしょう。

販促と営業の違い

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販促と営業は、かなりイメージがかぶってきます。もちろん、営業は販売活動そのものであり、達成すべき目標が決められているものです。

一方、販促は営業部門が目標を達成できるように、最大限にサポートする役割を持つ部門といえます。

とはいえ、販促に目標値がないわけではありません。販促においては、それぞれの施策でのレスポンス率や成約率などが目標になります。

販促と営業の現場での関係性は、販促部門が用意したキャンペーンやイベント、販促ツールなどを営業部門が駆使しながら販売に当たるという構図です。

ここまでをまとめると、マーケティングという大きなくくりの中で、商材を世に知らせる「広告」とそれをエンドユーザーに売る「営業」があります。

そのふたつの領域にまたがっているのが「販促」です。
広告と営業ははっきり縦分けできますが、販促はどちらにも絡みつつ、特に商材の出口となる営業を強くサポートします。

そしてクロージングに向け、既存顧客や見込み客の背中を営業とともに押す役割という位置付けです。

購買意欲を後押しする販促ツールとは?

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営業の現場でよく使われる言葉「販促ツール」とは、購買意欲を後押しするツールを指します。

具体的には、既存顧客や見込み客が興味を持った際に「行動」の「喚起」を促すためのツールです。

また、販促ツールを含めた行動喚起のためのあらゆる工夫をCTA(Call To Action)と呼びます。

さて、販促ツールの主な種類は以下の通りです。

●応募ハガキ
●クーポン券
●キャッシュバック利用券
●ノベルティ引換券およびノベルティそのもの
●特典付きリーフレット(パンフレット)

それぞれについて、詳しく触れておきましょう。

 応募ハガキ

応募ハガキが使用される代表的な用途としては、「無料試供品の申し込み」「懸賞の応募」「ネーミング募集」「アンケート」などです。

アンケートに答えてもらうことでノベルティや優待チケットを送付するなど、用途が複合的に使われていることも多く見られます。

「ネーミング募集」は従来からある手法で、新商品や新イメージキャラクターなどのネーミングの募集を、集客や販売と絡めるアプローチです。

ネーミングが採用された人には賞品などが送られますが、採用されなかった人にも、新製品の無料サンプルや割引きクーポンが送られるというパターンのCATにつなげることが多々あります。

ちなみに割引きクーポンなどを送付するコストを節約したい場合には、店舗にて口頭で「ネーミング応募したよ!」と伝えれば特典が渡せるように募集要項に明記しておく方法もありますよ。

 クーポン券

クーポン券は金額で〇〇〇〇円引きと表現する場合と、何パーセントオフ、何割引きでなどで表現する場合、そして無料の場合があります。

対象アイテムを絞ったものや全商品が対象のクーポン、あるいは〇〇〇を購入した人だけに使えるクーポンという条件付きにするなど、発行する側が自由に設定可能です。

折り込みチラシやフライヤー、ダイレクトメールの中に入っているリーフレット、パンフレットなどにクーポンが印刷されるケースもよくあります。

 キャッシュバック利用券

キャッシュバック利用券はクーポン券とほとんど同じ趣旨はですが、若干スマートな響きを感じさせます。そのため、最近では割引きの代わりにキャッシュバックが用いられるケースも増えているのです。

これもクーポン券と同じく、折り込みチラシやフライヤー、リーフレット、パンフレット等に印刷される場合があります。

 ノベルティ引換券(およびノベルティそのもの)

ノベルティ引換券やノベルティ自体は、行動喚起能力を強く発揮する場合がある販促ツールです。

ノベルティを何にするかという選択のセンスにもよりますが、選択が正しければ集客に大きな効果をもたらすことがあります。

 特典付きリーフレット(パンフレット)

これは「クーポン券」や「キャッシュバック利用券」「ノベルティ引換券」などがその中に印刷された、リーフレットやパンフレットのことです。

商品情報やショップ情報と一体になっていて、こだわりがある商材の場合なら、パンフレットそのものを持って店舗に来てもらえるという利点があります。

 販促ツールの鍵「オファー」とは?

ここまでで紹介した販促ツールが、顧客や見込み客に次なる行動を起こさせるためのCTAとして「オファーを提示する」ことが極めて重要になってきます。

オファーは何らかの行動を起こしてもらうための「特典」です。

「割引き特典」「キャッシュバック特典」「無料優待特典」「プレゼント特典」などがオファーで、これらが販促ツールの鍵といえるでしょう。

販促ツールの多くが、オファーとセットでこそ成立し得るものです。

割引きがあるからこそのクーポン券、来店すればノベルティがもらえるからこそのノベルティ引換券、アンケートに答えてサンプルがもらえるからこその応募ハガキといえます。

つまり、販促ツールというもの自体に、機能としてオファーが組み込まれていると理解すればよいでしょう。

販促とAIDMA(アイドマ)の密接な関係

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最後に、販促とAIDMAの法則の密接な関係について触れておきましょう。

AIDMAの法則とは、消費者がある商品やサービスを知り、購買に至るまでの心理的な段階を表現したものです。

人の購買という行動は、以下の5段階を経るとされています。

●Attention:注意
●Interest:関心
●Desire:欲求
●Memory:記憶
●Action:行動

具体的な流れは以下のとおりです。

商品が市場に登場する
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Attention:人はモノに注意を引かれ認識し
 ↓ 
Interest:関心や興味を持ち
 ↓ 
Desire:欲しい気持ちが芽生え
 ↓ 
Memory:記憶に残り、思い出し
 ↓ 
Action:買うという行動を起こす
 ↓ 
商品が消費者の手元に渡る

これらの5段階を表現するそれぞれの英単語の頭文字を取って、AIDMAの法則と呼ばれているのです。

余談ですが、モノを売ることを支援するミッションを掲げる、私たちアイドマ・ホールディングスの社名はこのAIDMAにちなんでいます。

さて、この購買心理の5段階がスムーズに進むように促すのが販促なのです。よってAIDMAの各段階で販促の出番があります。たとえば以下のような販促です。

【Attention:注意】
●商品を気づかせるためのキャンペーンやイベント、実演販売

【Interest:関心】
●興味を持ってもらうためのカタログやパンフレット配布

【Desire:欲求】【Memory:記憶】
●覚えてもらったり思い出してもらったりするための試供品やノベルティの配布

【Action:行動】
●買う気を起こしてもらうためのクーポン・キャッシュバック・プレゼント特典

このように、販促はまさにAIDMAの5段階の流れを促すCTAそのものです。

まとめ

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ビジネスで重要な役割を果たす「販促」について、広告や営業、マーケティングとの違いも含めて解説しました。マーケティングという包括的な活動の中で、販促は広告宣伝と営業をつなぎます。

そして、最終的なクロージングを後押しする重要な役割を持つのが販促です。あなたの企業の商品やサービスを効率よく売るために、販促を上手に活用してください!

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