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海事産業のDX化をリードする。企画から開発まで一気通貫かつUI/UX重視の開発体制/CTOインタビュー

自社開発のプラットフォーム「Aisea(アイシア)」を中心に、海事産業のデジタル化と技術革新に貢献している私たちにとって、開発は事業の要。
そんな開発チームを率いているのは、IoTを中心に幅広い知識を有するフルスタックエンジニアであり、「Aisea」の基本設計者でもある、取締役CTO(最高技術責任者)の千葉福太朗。開発チームのこれまでとこれからについて話を聞きました。


重要なインフラかつ社会貢献度の高い海事業界で、IoTの経験を活かす

──まずは現在に至るまでの経緯を教えてください

SIer業界、ベンチャー企業を経て株式会社コロプラで位置情報と連動したソーシャルゲーム開発を担当。
その後、株式会社オープンストリームに移籍し、業務システム開発や新規プロダクトの研究開発を行っていました。
自動販売機とスマートフォン、クラウドをテーマとしたPoC開発や、車内に置いたスマートフォンと整備工場をクラウドでデータ連携する自動車遠隔診断システムなどです。

──どのようなきっかけでアイディアに参画されたのでしょうか

これまでエンジニアとして、IoT研究開発のほか、官公庁系プロジェクトやEC開発運用など幅広い案件に携わる中で、どんな最新技術でもあっという間に過去の技術になってしまうと実感。「このままでは自分もエンジニアとして陳腐化してしまうのでは?」という不安がありました。
「最新技術だけではなく、将来性のある業界の専門知識も併せ持つエンジニアを目指したい」と考えるようになった時に、先にアイディアで働いている知人から声をかけられたのがきっかけです。

海事産業は、四方を海に囲まれる日本にとって重要なインフラのひとつであり、社会貢献度も高く、魅力のある業界だと感じました。
また、これから海事産業のDX化が進んでいく中で、特に海と陸上を繋ぐシステム化に関しては自身のIoTの知識と経験を活かせると思い、2018年にCTOとして参画することを決めました。

出身業界も様々。国内外各地に多様な専門性を持った仲間が

──開発チームにはどのような職種のメンバーがいますか?

デザイナー、インフラエンジニア、アプリエンジニア、IoTエンジニア、サーバーサイドエンジニア、フロントエンジニア、QA(品質管理)といった様々な分野のメンバーが揃っています。
入社当時は、社員としては一人でシステム開発・運用を切り盛りしていましたが、現在(2022年10月末時点)ではメンバーも15名に増えました。BtoC・BtoB問わず、ハードウェアからソフトウェア、スマホアプリまで、海事業界に関わるあらゆる分野の開発を行っています。

──開発チームのカルチャーや働き方、コミュニケーションについて教えてください

海事産業のDXにおいて、オンラインを用いてリアルタイムに海上と陸上が繋がることは大変重要です。その観点からもアイディアでは、コロナ前からリモートワークを推奨しており、実際にメンバーの居住地はインド、アメリカや北海道など様々。TeamsやFigJamを活用して、日々密なコミュニケーションをとっています。

またアイディアには、エンジニアにもできるだけ企画段階から参加してもらうカルチャーがあります。こうすることで、海事産業の業界知識共有と、自社プラットフォームに対しての共通理解をメンバー全員にもってもらうことを目指しています。

──業界知識が必要とのことですが、開発メンバーはもともと海事産業にいた方が多いのでしょうか?

実は、もともと海事業界にいたメンバーは一人もいません。開発メンバーは業務を通じて知識をキャッチアップしてくれています。
会社としては、海で活躍する人たちの気持ちをより親身に理解できるよう、船舶免許取得の補助制度を設けています。実際に多くの社員が船舶免許を取得しています。

企画から開発まで。デザインとUI/UXにこだわる開発体制

──開発だけはなく、企画から関われる体制に魅力を感じるエンジニアの方も多そうですね

そうですね。アイディアのプロダクトにとって、企画から開発保守まで社内で一気通貫でできる体制が重要だと考えています。
海事産業の業務知識は、専門的ゆえに要件定義・設計を外部に依頼するにはハードルが高いのです。私たちが主体となって、お客様にヒアリングしながら設計・プロトタイプ作りを進めなければ、本当にお客様の役に立つプロダクト開発が難しい、という側面があります。

エンジニアはひたすらプログラミングをするという縦割りの組織もありますが、当社には「自分の仕事が、誰のどんな課題を解決できているのか」に関心があり、企画から関わりたいというメンバーが集まっています。

──デザインやUI/UXにこだわりがあると聞きました。その理由や具体例を教えてください

海事産業は歴史のある業界ですが、IT化はまだまだこれから。お客様の中にはスマートフォンやタブレットの操作に慣れていない方もいらっしゃいます。そのため誰でも簡単に操作できるUI/UXを実現するために、開発段階からプロトタイプを実際に触っていただくことを心がけています。

また、せっかく作ったものの使われないシステムにならないよう、エンジニアもデザイナーと同じレベルでお客様と対話ができるデザイン重視の方針としています。すべてのエンジニアがFigmaを使えるのが当社の特徴です。

──エンジニア全員がFigmaを使えるのはすごいですね。お客様とのコミュニケーションはどのようにしていますか?

ヒアリングや設計段階ではFigJam(オンラインホワイトボード)を使い、リアルタイムに会話を繰り返しながら進めています。ITに詳しくないお客様でも付箋を貼ったり文字を書き込んだりは簡単にできますからね。
その上でFigmaでプロトタイプを作り、1-2週間お客様に操作してもらってフィードバックをいただきます。こうすることでお客様にも当事者意識をもってもらえ、導入時や導入後の運用にも積極的に関わってくれるようになります。

オンラインとリアルの両輪。大型船舶の機関室や造船所での貴重な体験も

──オンラインだけではなく、現場へ足を運ぶアイディアならではの体験もあると聞きました

はい。FigmaやFigJamを使ってオンラインで対話することも重要ですが、お客様自身がデジタル慣れしていないケースもあります。そのため現場で付箋を使ったワークショップをすることも。こうすることで、より多くの現場の方の意見や課題を引き出せます。

DX化が進んでいない業界で、参考にできるシステムが少ないこともあり、どうやって実装するかの答えはお客様自身と現場にあるんです。

ITを活用するにも実際の導線がどうなっているのか?タッチパネルをどこに配置するのがベストか?など把握するために、様々な現場を訪問する機会があります。
例えば、2日間実際に船に乗って航海の密着をさせてもらったり、普段入ることのできない造船所や港湾施設に行ったりすることもあります。
大型船舶の機関室は圧巻で、メカニックに興味がある人にはたまらない体験だと思います。船舶免許取得補助もその一環なんです。

海事産業のDXをけん引し続ける。今後は衛星通信・AI・データ分析により注力


──今後伸ばしていきたい技術、注力したい分野などについて教えてください

今まさに取り組んでいるのが
・船、海、陸から集まるデータの分散収集処理
・オフライン化での安定したシステム構築
・低軌道衛星通信による常時インターネット対応
・低コストの衛星通信を活用した様々なデータの可視化

などです。
そのほか、船陸間通信技術、サーバ周りではApache Kafkaによる分散/ストリーム処理や時系列データベース(inflexDB)などを活用し、リアルタイム/非同期処理の最適化を行いながら世界中の海に関するデータを収集できるプラットフォーム基盤を強化していきたいと思っています。


──アイディアCTOとして、業界に対しての役割を聞かせてください

海事産業では、歴史や現在の業務の進め方・ノウハウ・その背景を知った上で、お客様と対話することが必要です。単に最新技術を提案しても、本当の課題解決にはなりません。

業界知識をもってお客様と対話し、課題を把握・解決する、それがアイディア開発メンバーに求められている役割です。海で活躍する人たちが何を考えているか、気持を理解できるチームでありたいと考えています。
また、他組織とのコラボレーションも多いのがアイディアの特色です。商船や造船など海事産業の大手企業はもちろん、大規模な実証実験プロジェクトへの参加、船舶保険企業や気象関連企業と提携などを行っています。
様々なメーカーや企業をリードして海事産業のデジタル化、技術革新を進めていく。それが業界からアイディアに期待されていることだと思っています。

──最後に、アイディアに興味をもってくださっている方へのメッセージをお願いします

アイディアは「自分で考え、自分で作ったものを動かす」そんな開発環境を目指し、できるだけ各メンバーに裁量を与えるようにしています。チームとして、お客様に寄り添い、企画から開発に関わりたいエンジニアの方には、思う存分に力を発揮してもらえる環境です。
これからチームとしてより強化したいAIやデータ分析については、その分野を極めたい、プロフェッショナルを目指したい、という職人気質な方にもジョインしていただけると嬉しいです。

アイディア株式会社では、一緒に働く仲間を募集しています。興味のある方は、下記のリンクからエントリーください。

取材協力: CASTER BIZ recruiting


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