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【応援ブランディングvol.12】応援ブランディングとは?

ここまでの話を整理させていただきます。

まず、ブランドとは「消費者・顧客から識別されている状態」を表わします。


次にブランディングとは、「ただ識別されるのではなく、自分たちが思ってもらいたいイメージ通りに認知してもらうための活動」のこと。


そして応援とは、「対象ブランドの商品やサービスを購入したり、口コミやまわりの人に紹介するなどブランドにとってポジティブな行動を能動的に起こす」ことです。


よって、応援ブランディングは次のように定義されます。

〝正しい認知を獲得するだけでなく、自社ブランドに対してポジティブな行動を能動的に起こしてもらうための活動〟

今回の記事では、応援ブランディングと近い概念の2つのマーケティング手法について触れさせていただきます。



1. ファンマーケティングとの違い


ひとつは「ファンマーケティング」です。

これはファンにお金を使わせることによって、企業が利益を得るためのマーケティング手法のこと。

ファンからお金を儲けることを目的とし、その手段としてファンを増やし売り上げ拡大を目指すファンマーケティングは、応援ブランディングと考え方が少し異なります。

応援ブランディングは、ステークホルダー(お客様、従業員、取引先など)から応援されるようなブランドをつくり、その人たちとともにブランドを育て、持続的に成長していけるブランドにするという考え方です。

その結果、利益率が向上し売り上げも上がりますが、それらはあくまで結果であり、それだけを目的とはしていません。

もちろん、企業が儲けることは何も悪いことではないので、これは単に起点の違いと考えてください。


2. ファンベースマーケティングとの違い


もうひとつは「ファンベースマーケティング」です。

これは、自社の商品やサービスに愛着を持ってくれるファンをベースに、中長期的に売り上げを増やしていくマーケティング手法のこと。
コミュニケーションディレクターの佐藤尚之氏がつくられました。


最初にお伝えしておくと、応援ブランディングとファンベースマーケティングは、基本的に目指す方向は同じです。

しかし、応援ブランディングでは、ブランドづくりの段階から応援されるためのエッセンス(要素)を組み込んでいきます。

応援されるためには、どのようなエッセンスが必要なのか。ブランドが選ばれるための価値の掘り起こし方から、応援してもらうまでのプロセスを一から考えていくのです。

その他の違いで言うと、応援ブランディングは中小企業を対象にしていることがあげられます。

ファンベースマーケティングは、中小企業から大企業まで幅広く取り入れることができますが、応援ブランディングの対象は中小企業や小規模事業者です。正直、大企業には向いていません。

3. 応援ブランディングの特徴

その理由をひと言で言うと、応援ブランディングは「属人的な要素」を否定しないからです。

経営資源の限られた中小企業における一番の武器は人だと私は考えています。

なぜなら、ブランドをつくる段階においては、経営者の事業にかける想いやビジョンが必要ですし、ブランドを育てる段階においては従業員の力がないと成長しません。

応援ブランディングでは、そうした個人の力や魅力を十分に発揮することでブランドの価値を最大限に高めていきます。

個の力を拠り所にすることは、大企業にとってはマイナスかもしれませんが、人的リソースの限られた中小企業では大きな武器となります。


また、応援してくれるのはお客様だけではありません。

少し踏み込んで考えると、従業員の家族、取引先、取引先の家族、地域社会、金融機関などもブランドのステークホルダーであり、すべての人がブランドの応援者になり得ます。


だからこそ、応援ブランディングではあらゆるステークホルダーを大切にし、内部(社内)へのブランディング活動であるインターナルブランディングも重視しています。

むしろ内部へのブランディングを重視することこそが、応援ブランディングの特長であり、外部に向けたブランディングだけを行なうブランドとの大きな違いとなっているのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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※マガジン内の記事は、拙著【愛され続ける会社から学ぶ 応援ブランディング】から引用しています。豊富な事例も掲載しているので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

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