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愛され続ける会社から学ぶ “応援ブランディング”

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“応援ブランディング”とは、 応援者を意図的に生み出す仕組みづくりのこと。 小さな会社は周りから応援されることで、一過性ではなく、持続可能なブランドに生まれ変わります。 このマ…
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#ブランド戦略

【応援ブランディングvol.10】ブランドの定義

あなたは「ブランド」と聞いて、何を思い浮かべますか? ルイ・ヴィトンやグッチというようなブランド名そのものを思い浮かべられた方、あるいは「ブランドは信頼だ」と言う方、また、「ブランドはファンづくりだ」と言う方など、人によって様々なキーワードが出てきたと思います。 こういう横文字には基本的に正解・不正解はありませんので、いまあなたがお持ちの解釈やブランドに対する定義があれば、それはあなたにとっての正解です。 しかし、「ブランドはルイ・ヴィトンだ」と言う方と「ブランドはファ

【応援ブランディングvol.9】応援されるブランドは経営者が燃えないとつくれない

ブランドという言葉は、古い北欧の言葉で焼き印を意味する「Brandr(ブランドル)」が語源とされています。 もともとは放牧していた牛などの家畜に焼き印を押し、「この牛は自分のもの」という所有権を表わしていました。 その後、「私が育てました」という生産者の識別になり、いまでは「肉質が違います」という競合との差別化を表わす意味合いを持っています。 しかし、私は応援されるブランドという文脈においては、もうひとつの語源である「burn」(燃える)が相応しいと考えています。 な

【応援ブランディングvol.8】ブランドの不易流行とは?

ブランドと言うと、一度決めたことを変えずに続けているというイメージを持っている人が多いのではないでしょうか? とくに伝統あるブランドに対しては、そのような印象を持っている人が多いと思います。 実はブランドには、変えてはいけないもの(不易)と変えていくもの(流行)があります。 たとえば、室町時代後期から5世紀にわたり続いている和菓子の名店・虎屋の場合、「本当に美味しいものを誠実につくること。一生懸命に和菓子を極めること。それ以外に変えてはいけないものはない」と断じています

【応援ブランディングvol.5】応援は自然と広がっていく

あなたの家族や親しくしている友人、趣味の仲間のことを少し思い浮かべてみてください。 考え方や価値観など、あなたと共通している部分はありませんか? 実際に私がビジネスやプライベートで仲良くしている人たちを思い浮かべてみると、まるっきり価値観が違ったり、まったく共通点のない人はいませんでした。 まあ、そもそも価値観が異なる人や共通点のない人と、仲良くなる機会は少ないですよね。 お互いに共感できるものや通じるものがある人が自然と集まり、仲間をつくることを「類は友を呼ぶ」、近

【応援ブランディングvol.4】応援してくれるお客様に集中することで利益率が高まる

「応援されるブランド」と言うと、すべてのお客様に応援されているような印象を受けますが、実際に応援してくれる人の数は多くはありません。 いずれのブランドでも最初はごく少人数の応援から始まります。 人数は少なくても、売り上げなどの貢献ベースで分析すると、その大部分が応援してくれる人たちで占められていることが多いのです。 あなたはこんな話を聞いたことはありませんか? 「売り上げの80%は、20%の商品から生み出されている」 「成果の80%は、20%の社員が生み出している」

【応援ブランディングvol.3】応援の種類と応援の定義

応援の力について話を進める前に、まずは応援の種類について整理しておきたいと思います。 まず、あなたが考える応援とはどんなものでしょうか? たとえば私の場合で言うと、子どもが通う塾へ送り迎えするのも形を変えた応援ですし、習い事の発表会を見に行くのも応援、友人がお店を出す時に花を贈るのも応援です。 ここでは、そんな応援の種類をライトな順に整理していきます。 まず一番取っつきやすく、誰もが一度は経験したことがあるのは「声援」ではないでしょうか。 ひいきにしているスポーツチ

【応援ブランディングvol.2】小さな会社は、なぜ応援される必要があるのか?

小規模事業者や中小企業などの小さな会社は、なぜ応援される必要があるのでしょうか? 私たちのビジネスを取り巻く3つのマクロな外部環境から考えていきたいと思います。 1. 一億総コモディティ化時代の幕開け総務省のまとめによると、2023年1月1日現在、日本の人口は1億2242万人余り。14年連続で人口が減り続けているだけでなく、減少数、減少率ともに拡大しており、調査を始めた昭和43年から初めて全都道府県で人口が減りました。 ちなみに2022年から2023年にかけての人口減は

【応援ブランディングvol.1】クラファン後の失敗から生み出された応援ブランディング

2016年1月12日、私はクラウドファンディングに挑戦しました。 きっかけは、ちょうどその1年前、地元・和歌山の武将である真田幸村が主人公のNHK大河ドラマ『真田丸』が放映されるのを知ったことから始まります。 主演は『半沢直樹シリーズ』で人気を博していた堺雅人さんということもあり、ドラマが始まる1年以上前から地元は色めき立っていました。 当時の私は前職で新規事業を担っており、残業で一緒になった同僚たちとの雑談のなかで偶然そのことを知ったのです。 1. 地元への想いが大