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【応援ブランディングvol.10】ブランドの定義

あなたは「ブランド」と聞いて、何を思い浮かべますか?

ルイ・ヴィトンやグッチというようなブランド名そのものを思い浮かべられた方、あるいは「ブランドは信頼だ」と言う方、また、「ブランドはファンづくりだ」と言う方など、人によって様々なキーワードが出てきたと思います。


こういう横文字には基本的に正解・不正解はありませんので、いまあなたがお持ちの解釈やブランドに対する定義があれば、それはあなたにとっての正解です。


しかし、「ブランドはルイ・ヴィトンだ」と言う方と「ブランドはファンづくりだ」と言う方が同じテーブルでブランドについて話したとしても、話が噛み合うことはありません。

そのため、この記事では拙著【“愛され続ける会社から学ぶ応援ブランディング”】におけるブランドの定義をお伝えします。


ちなみにブランドとブランディングについては、私がトレーナーおよびコンサルタントとして所属する一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会による定義を引用しています。

この協会は「ブランディングで日本を元気に」というミッションを掲げる実践コミュニティであり、日本で唯一ブランディングを体系的に学べる機関です。



では、まずブランドの定義から始めます。

ブランドと呼ばれるための最低要件は、「お客様から見て識別されているもの」です。

識別とは、種類や性質などを見分けること。簡単に言うと、対象のブランドを見て「ああ、これは○○○ね!」というようにブランド名を知っている状態を表わします。

こちらの図をご覧ください。

たとえば、ここに「エイドデザインティー」というお茶があったとします。
もし仮にあなたがこのお茶のことを識別できるのであれば、「エイドデザインティー」はあなたにとってブランドということです。

でも、ここで次のような疑問が湧いてこないでしょうか?

「ブランドって、品質の高さや有名無名というのも関係してくるんじゃないの?」


その通りです。実はブランドには【状態】というものがあります。

おそらくあなたが「エイドデザインティー」を見たのは、いまが初めてだと思います。このお茶に初めて触れたいまの状態が【ブランドゼロ】、まだブランドにはなっていない状態です。

そこから試しにこの「エイドデザインティー」を飲んでみたとします。

味がすごくおいしかっただけでなく、飲み続けるとなぜか自社のブランディングがうまくいくようになっていきました。

それをまわりの経営者仲間に話したことで、「エイドデザインティー」はみるみるうちにビジネス界で広まっていきます。

そして「エイドデザインティー」を飲んだ人たちのブランディングがうまくいくようになると、評判はうなぎのぼりになり、たちまち有名なブランドになりました。
このような状態になることを【ブランドプラス】と言います。

そうなれば上の図のように、「待ってでも欲しい」「少々高くても買いたい」、お店であれば「もう一度行きたい」となりますよね。



一方、プラスもあればマイナスもあるということで、ひとたびお客様の期待を裏切れば、そのブランドは一気にマイナスに陥ります。

これを【ブランドマイナス】と言います。

実際に世の中を見渡せば、食品偽装やデータ改ざんなど、不正をする会社が後を絶ちません。

もし、あなたが信じていたブランドが、そのような不正行為を行なっていたとすればいかがでしょうか?

そんなブランドは嫌いになるだけでなく、買わなくなってしまい、下手すればタダでもいらないという状態になります。

このブランドマイナスが起こる原因はたったひとつ。

それは「この程度ならバレないだろう」というブランドに関わる人の驕りや慢心です。


つまり、ブランドをマイナスに陥れるすべての原因は人。もう少し踏み込むと、経営者や社員などブランドに関わる社内の人間です。

ゆえに、経営者ひとりがブランドの重要性を理解していてもブランドをつくることはできません。

ブランディングはブランドに関わる社内全体で取り組まないといけないのです。


最後にもうひとつ重要なポイントをお伝えします。

ブランドの状態は、プラスになれば「少々高くても買いたい」となり、マイナスになれば「タダでもいらない」というようにお客様の購買行動を左右します。


そのため、多くの経営者はブランドをプラスの状態にしようと、社外への活動(発信)に注力しがちになります。

もちろんそれも大事なことですが、それと並行してブランドがマイナスの状態に陥らないよう社内をマネジメントすることも重要です。

ブランドの状態をプラスにするには、社外と社内の両方を意識しないといけないことを押さえておいてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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※マガジン内の記事は、拙著【愛され続ける会社から学ぶ 応援ブランディング】から引用しています。豊富な事例も掲載しているので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

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