#004コミュニティは不変じゃなくていい

「あいつ結婚したんだ」、「あれ、久しぶりにこいつら集まってるんだ」みたいな、自分が知らないところで、知ってる人に変化が起こっている瞬間をSNSは手際よく教えてくれる。
先日のいつもの飲み会で、そんな「人との疎遠」について話す機会があったから、noteに残しておこうかなと。

疎遠はどんなコミュニティにでもやってくる。

僕の例で言えば、すぐに思いつく疎遠コミュニティは2つある。
一つは大学時代につるんでいた友達、もう一つは家族。

大学時代の友達とは4年間を一緒に過ごした。これは学生時代の中では、小学校の次に長い時間を過ごしたコミュニティだ。そして一緒に過ごした時間で言えば、家族は短く数えても僕が上京した18歳までは一緒の時間を過ごしている。

さて、何が言いたいかっていうと、”疎遠”は時間も、血のつながりも越えて
僕らのコミュニティにやってくるということだ。

疎遠はネガティブがなくてもやってくる。

なぜ、この2つの”疎遠”は僕のもとにやってきたんだろう。
まずは家族の話。これは簡単だ。僕は死んだ親父とばあちゃん以外の家族に対して超絶ネガティブだ。ちなみに僕には母と2人の兄がいる。理由は彼らの破天荒かつアクロバティックなムーブが多すぎるため割愛するが、これからの人生で僕だけではなく、僕の周りにまで迷惑をかけるリスクがあることが最大の理由だ。

ということで、家族と疎遠になる理由は分かりやすいが、大学の友人との”疎遠”はなぜやってきたのだろうか。その友人たちとは、卒業半年後に1度飲み会をしただけで、そこから7年会っていない。ちなみに卒業前はほぼ、毎日一緒に学校生活を過ごし、卒業旅行もご一緒した。5人いたメンバーのうち、3名の実家に呼ばれてお邪魔したこともある。
もちろん、在学中、卒業後の飲み会で喧嘩をしたなんて事実はない。向こうがどうかは知らないが、僕だけで言えば、彼らに対してネガティブは何もなく、むしろ優しい、友達想いのいい奴らで、僕にないものを沢山持っている素晴らしいメンバーだと心から思っている。

では、疎遠はどこからやってきたのか。

明確に正解はないんだろうが、おそらく僕らの間で「大切なもの」が変わった時、疎遠がやってきたんだと思っている。

卒業後の初めての飲み会の時、僕は意識が高い感じに見られるのが嫌で、「今日は仕事の話なんかしないぞ!」と心に誓って参加した。結果、4時間近くの飲み会でメンバーの誰からも仕事の話は出ず、会話の90%以上が大学時代の写真や動画を肴に「あのときのあれ、楽しかったよなー!」という思い出を夢中で披露しあって、飲み会は終了した。

だけど、あの時僕が本当に夢中だったのは仕事だったんだと思う。当時、僕は広告代理店にいて、毎日企画書に追われ、終電帰りや徹夜は当たり前で体力的にはとてもハードだったと思う。それでも、22年間大して脳みそを使わずに生きてきた僕は、日々の成長が実感でき、天才でもない僕が創る企画が世の中に出ていって、人が動くことが楽しくてしょうがなかった。

そんな当時の僕が一緒に飲みたい人は、背中が見えない偉大な先輩たちだった。どうしたらそんな企画が思いつくのか、どうしたらそんなに論理的な戦略が書けるのか、いつになったら追いつけるのか。毎日、先輩たちと話す時間、企画書を書く時間が、いつの間にか人生の春と呼ばれる大学時代の思い出よりも刺激的で魅力的なものになっていたような気がする。

つまり、毎日ハードに過ごす中で当時の僕が大切だったのは、「楽しい大学の思い出」よりも「厳しいダメ出しと焦燥感」で、「肩を組んで頑張れる友人」よりも、「新しい発見と叱咤激励をくれる先輩」だっただけだ。

疎遠と向き合うと自分の変化が分かる

ここまでダラダラと書いたけど、別に仕事とプライベートどっちが大事か?みたいなことはどうでもいいと思っている。そんなものは人それぞれだ。

大事なのは、自分が「好きな人、話していて楽しい人といるべきだ」ってこと。”疎遠”は世の中的にはネガティブなイメージの言葉だ。でも、この”疎遠”は時間も血の繋がりも軽々と越えて僕らのもとにやってくるらしい。だから、疎遠を避ける努力じゃなく、自分が毎日よく笑い、よく学び、楽しく生きるには、たまーにこれまで積み重ねてきた”疎遠”に目を向けて、その時々の「大切なもの」がなんだったか考えてみるといい気がする。

コミュニティっていうのは、何かと支えになる。でも反面一度できたらツラくなってもなかなか捨てられないし、なくなると何かさみしい。

でも、”疎遠”は誰のせいでもなくて、自分が人間としてきちんと経験を重ねてきた結果、感情や思考に変化が起こったと思って向き合えば、少なくとも過ごしている”今”を、結構愛せるんじゃないかと思ったりする。

そんなわけで、疎遠ていう事象は自分の変化をはかるものさしになったりするのかなーと思ったよ。って話でした。


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