19歳

「19歳」

さよならも言えずに僕らは次の街へ行くだろう
頭の上を通り過ぎる、あのきらきらとした電車にも乗れないだろう

ねえ
いつかまた
僕がきみの街へもどったら
きみは笑いかけてくれるかい?

あの、優しい笑顔で

あの時逃げることしか出来なかった僕を
受け入れて欲しい

さよならも言わずに僕らは次の街へ行くだろう

まぶしい光の街には入れない
暗い街角で煙草だけ吸ってもいいかい

君の残り香だけを抱いて
夢の中でだけ、君と会って

あの時逃げることしか出来なかった僕を
どうか
笑い飛ばして欲しい

さよならも言わずに僕らは次の街へ行くだろう

きみはもう別の電車に乗ってしまったことを

僕はもう知っている

君の残り香を抱いて
今日だけは夢で会って

僕の好きな笑顔で
どうか受け止めて欲しい

君の残り香を抱いて
今日だけは夢で会って

孤独な夜も
怒りを抱えた夜も

君の子守唄が聞こえる

君の残り香とさよならをして

僕はまた次の街へ行くだろう


次のさよならを言うために

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