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推しのいる幸せ

noteのネタはたくさんあるけど、思い入れのある題材であればあるほど、なかなか文章にできない。
でも今日は意を決して、今わたしが夢中になって応援している、ジェイク・リー選手というプロレスラーについて書きたいと思う。

彼を知ったのは、たまたま行った日本武道館。
誰か分からずポカンとする私をよそに、周囲の観客から熱狂的な声援を集めていた。その光景が忘れられなくて、家に帰ってすぐに過去の試合やインタビューの動画を探して視聴した。
なるほど、強くてかっこよく、語る言葉は知的で上品。何より、ミステリアスな色気を纏っていて、もっと知りたいと思わせる不思議な魅力がある。

すぐに、ジェイク選手見たさに会場に足を運ぶようになった。192cm、110kgの恵まれた体格。間近で見るジェイク選手は、想像以上に大きかった。
繰り出す技の1つひとつがダイナミック。それでいて、指先まで洗練された動きをする。こんな選手がいたのか。衝撃だった。


プロレスは本当に特別なスポーツだと思う。
選手たちは試合やパフォーマンスを通じて生き様を表現している。文字通り、命を削って。
だから感動し、自分の人生を重ねて勇気をもらう。

ジェイク選手の好きな所は数え切れないが、特にわたしの感情を揺さぶるのは、その半生が決して順風満帆ではなかったという事実だ。

今では想像もできないことだが、彼は運動が得意な子どもではなかったらしい。
学生時代にウエイトリフティングで実績を残し、全日本プロレスにスカウトで入団。しかし、格闘技経験がなかったためデビューまで非常に苦労したそうだ。そして、デビュー後に心が折れて退団し、その後の約4年間はまったく違う仕事をしていたのだという。
意を決して再入団するも、次世代エースと期待されながらなかなか結果が残せず葛藤した日々や、怪我で長期離脱を余儀なくされた時期があったと聞く。

そんな彼が先日、ついに日本最大のプロレス団体である新日本プロレスのリングに立った。
ここに至るまで、一体どれほどの苦悩を乗り越え、鍛錬を重ねてきたのだろうか。

昨年7月、わたしは会社で昇進し、管理職になった。
それを機に、自分の言動が周りの人たちにどんな影響を与えるのか、どのように振る舞うべきかを、慎重に考えるようになった。

ある時ジェイク選手が学校を訪問した際、子どもの「練習の時に意識している事は何ですか?」という質問に、こう答えたという。

「下を向かない事。お客さんに自信のない姿を見せないように練習の時から常に意識している。プロレスラーとしてお客さんに自分の顔と生き様を見せないといけない。どんなにつらくても苦しくても歯を食いしばって顔をあげている。人生も下を向かず前を向いて進んで行くものだ」

この言葉を聞いて、私は腹が決まった。
私はカリスマ的なリーダーになれるタイプではない。人に何か特別なことを伝えられる器量もない。
順調な時もしんどい時も、とにかく前を向いて、周囲に生き様を見せていくしかないのだ、と。


私は、人生を抽象画のようなものと捉えている。
あらかじめ「この場所をこの色で塗ろう」と決めていても、思うようにいかないことが多い。
仕方ないから別の色で塗ったり、やっぱり違うと塗り直したりして、だんだんと色が重なり形になっていく。
描きたい絵はあるが、完成まではどんな作品になるか分からない。完成後に見た人がどう感じるかも分からない。それが人生という不確実なものの面白さなんだと思う。

世界最大のプロレス団体であるWWEで活躍する中邑真輔選手は「自分にとってプロレス、人生はアート。変化や刺激、起こり得る事象は、すべてが俺の人生を彩るもの」と言った。
きっとこれまでの人生のすべてが今のジェイク選手を彩っているし、この先の変化や刺激がまたジェイク選手のプロレスを進化させていくのだろう。
私はその姿からインスピレーションを得て、自分の人生という名のキャンバスに新たな色を塗る。

ジェイク選手は若く、旅路はまだまだ続く。
こんなに素晴らしい選手なのだから、会いに行けないくらい遠く大きな舞台に立つ日も近いのだろう。私にできることは、推せるうちに推すことだけだ。

このGWも、ジェイク選手を応援しに、会場へ2度足を運ぶ予定だ。推しがいる幸せを、現在進行形で応援できる喜びを、大切に噛みしめながら。

▼あまりにもかっこいいので一緒に推しませんか?

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