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「喪失感を埋めるもの、足りない部分を補うもの」――イメージイラストを描く

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    カケルとコーヒー 2017.1.30  ――「青く、きらめく」より

久々に書いた長編「青く、きらめく」は、「青色のエレジー」というタイトルで文学賞に応募しました。ぎりぎりで、間に合わないかも…!というタイミングで送り出し、郵便局の人に手渡したとき、思わず「行っておいでー!」と、封筒に向かって叫んでしまった…。

な、何!? この人…。と、目を丸くした郵便局員さん…。驚かしてごめんなさい。

その3~4日後……やってきたのは、ひどいロス…!!

だって、彼らを、もう送り出してしまった。

もう、あの子たちに会えないーーー!! 涙。

書き終わる少し前に、上のカケルのスケッチを描きました。原稿を書いている間は、ほとんど絵を描かなかった。

イメージが固まりすぎてしまうのを、さけるためだ。

あまりにひどいロスになったので、それを癒すため、マリちゃんを描いた。あのさらさらの髪と強い瞳が見たい、と思って。

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                       マリ  2017.4.10

美晴ちゃんに関しては、何かずっと描けなかった。

↓これ以降、イメージが遅々として進まなかった。

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(いっちばん、最初に思いついたときのスケッチ。何か…すごくそれぞれの特徴が出ている。すかした感じのカケル、勝ち気でいじわるそうなマリ、そして自信のなさそうな美晴。落書きは、あなどれない。ここから、作りこんで大分、性格が変わりました)


ところが、作品を読んでくれた方――いつも、私の髪を切ってくれる美容師さんが言ったのだ。

「美晴ちゃんはビジュアルが、なんか…。イメージができなくて。」

・・・・・・!

そうか。カケルとマリは、すぐ描けた。

美晴が描けなかったのは、自分の中でもビジュアルがはっきりしていなかったからなのか。そして、それは、文章にも出る!

…というか、文章からそれを読みとった美容師さん。すごい。さすが、美意識が高いので、読みながら外見を想像するのでしょう。

他の方からは、「美晴ちゃんが好き」とか「マリちゃんも魅力的だけど、美晴ちゃんが実は、魅力的なのでは…」という感想をいただいていたので、何を読み取るか、は、人それぞれなんだなぁ! と、感じました。

そして、やっときちんと描いてあげることができました。美晴ちゃん。

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                       美晴  2019.5.30

絵を描いてから、加筆訂正した部分があります。

それは、美晴の目。目の印象です。少し透明な、とび色がかった目。

邪魔になるかも、と思っていたイラストが、足りない部分を補うこともある。

そう思えた例です。

イラストを、連載中に乗せることも考えましたが、それはやめました。

だって、読んでいる人それぞれの頭の中の、イメージを壊すのがいやだったから!

みなさんの想像した、カケル、マリ、美晴が、きっといるでしょう。

イメージ通りでしたか? それとも、違う…!かな。


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