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尹 雄大『モヤモヤの正体』

「私なんて
……」から始まる卑屈さは、他人の提示する価値観や基準を満たせないことへの焦燥や妬みを内包しているもの
自分を否定し他人を肯定する、自分を肯定し他人を否定するとは運動であり、変わり続けるということです。私たちは生命体ですから決して固着することなく、変化し続けています。変わり続けるとは、いつでも変化に応じられることでもあります。

ほんとうは、もっとたくさんの箇所に付箋をつけている。
日常生活でほとんど誰もが遭遇するであろうモヤモヤの現場について、モヤっとして終わらずに、じっくり深〜く考えこんでくれている本。
読んでいる間じゅう、ハッとさせられ、ドキッとさせられ、穴があったら入りたいくらいに耳が痛い、そんなくりかえしだった。


他の人が読んだら、きっとまた違うところに付箋をつけるのだろうな。
たくさん感じて、たくさん考えるのがすきなひと、もしくは、そうせずにはいられないひとに読んでみてほしい。

5つくらい離れてるのかな?の友人へ。春からは医学生だ、おめでとう。
モヤっとした輪郭のぼやけた話と気持ちとに、付き合ってくれたから。
モヤっとしたことに向き合うときは、陽のひかりの下がいいのかもしれないね。

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モヤっとしたまま流してしまうから、モヤモヤモヤモヤと大きくなって、影をつくるほどにふくれあがる。
モヤっとしたそのときに、ちょっと立ち止まってその正体を確認しておいたら、モヤモヤのオバケにおびえることもなくなるかも。

モヤっとしたままにしがちな、小さいけれどよく出会うモヤモヤ。
それを丁寧に拾い上げて、じっくり考えさせてくれる本。

尹 雄大『モヤモヤの正体』(ミシマ社)

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