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編み人形と、アイスクリーム。

25歳になりました。

とくにイメージがあったわけではないけれど、まさかこんなふうに25歳を迎えるともおもっていなかった。

ケーキは近くのコーヒー屋さんで。いつものコーヒータイムにちょっとおめかししてみた、くらいのちょうどよさがうれしい。パティスリーのお菓子と手作りのお菓子のまんなかくらいの心持ち。
お花だって、ちゃんとある。庭で摘んだ木香薔薇は、可憐な香りをただよわせてくれているし、近所のお花やさんでブーケも作ってもらった。

日常生活に制限がかかって、なにかが足りないような、なにかを失ったような気もする。たしかに今はできないことがあるし、足りないものも失っているものもあるだろう。行きたいところもあるし、会いたい人もいる。
でもあらためて、なにが足りないかと問われると、答えに困る。わたしの今日一日は、過不足なかったのではないか。今日はこれでいいじゃないか。そうおもった。
四半世紀の節目だった誕生日から一夜明けて、しあわせな節目を過ごしたなと振り返っている。

誕生日の昨日は、食べて、編んで、食べて過ごした。三食と、コーヒータイム。それ以外は編み人形を編んでいた。
残り糸で編める、スウェーデン発祥の編み人形。残り糸だから色合わせが限られるけれど、それがちょうど良かったかもしれない。毛糸玉の状態からお人形を全身コーディネートするのは、とても難しかった。わくわくしながらコーディネートを考える予定だったのに、いざやってみると、わくわくどころじゃない。想像力およばず。まだまだ研鑽を積まなくては・・・

迷った末のコーディネートは、こんなふう。

紺色の靴。
深い赤のスカート。
グリーンのトップスには、赤いリボン。
ポンポンつきのニット帽は、スカートとおそろいの赤。

編んでいると、いつの間にか頭のなかいっぱいに、フランスで食べたアイスクリームが。赤と緑と茶色。ああ、わたしのお気に入りのフレーバーの色合わせだ。

赤は、Framboise à la rose。
緑は、pistache。
茶色は、gianduja Orange。

Framboise à la roseっていうのは、フランボワーズの深くて真っ赤なソルベに薔薇の花びらが入ってる。pistacheはそのまんま、木の実らしく香ばしい濃厚なピスタチオ。gianduja Orangeは、ちょっととくべつ。チョコレートにオレンジピールが入った、甘くて苦いオトナなフレーバー。
フランスのアイスクリーム屋さんには、かなりの確率で「チョコレートソルベ」があるのも、うれしいところ。「アイスクリーム」ではなくて「ソルベ」。軽やかな濃厚さがいい。チョコレートシャーベットのイメージ、うーん、ちょっとちがうかな・・・

パリの街で過ごした数日のうちに、わたしは、アイスクリームのフレーバーを表す単語と、シングル・ダブル・トリプルのアイスクリームの相場を自然に習得していました。好きこそ物の上手なれ。

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25歳になりました、と書き出した文章で、アイスクリームについて語ってるわたしって。
でも・・と言い訳のようだけど、大人になってのアイスクリームと、子どもの時のアイスクリームとでは、おいしさの種類が違うとおもっている。アイスクリーム事情におけるわたしの成人は、大学4年生の時かな。そして今なお、大人のアイスクリームに魅せられ続けています。

そうだ。編み人形、glacéって名前にしようかな。フランス語でアイスクリームって意味。
(冷たい感じがするかな、でも毛糸であったかいから、ちょうどいいかな。綺麗でおいしい響きだとおもうよ、わたしは。)

アイスクリームについて。まだまだ語れてしまいそうだから、また書こう。



ちなみに、glacéの後ろ姿はこんなです。
わたしも小さいころは、かなりしっかりめの癖っ毛だったな。

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