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マナーはいらない 小説の書きかた講座| 三浦しをん先生を身近に感じた秋

先日、2022年私的買って・読んで良かった小説第一位の紹介として、こんなnoteを書きました。

「風が強く吹いている」、箱根駅伝を目指す学生たちを主人公とした、疾走青春小説です。

このnoteを書いてからも、まだまだ私の「風強(=風が強く吹いている)熱」は冷めていません。
それどころか、もう、風がびゅうびゅうと吹き荒れています!!!

そもそも、小説「風が強く吹いている」を手に取ったきっかけは、私の推しのA.B.C-Z塚田僚一さん(=塚ちゃん)の主演舞台が決まったので、その予習をするためでした。

「塚ちゃんの演じるハイジってどんな役なんだろう〜」「オペラグラス構えなきゃだめなシーンとかあるかな〜」
みたいな軽い気持ちで本書を手に取ったが最後、今や舞台の有無とは関係なく(もちろん舞台はとっても楽しみなのだけれど)、「風強」の虜になってしまっています。

私は好きになったものに関して、Wikipediaを飽きるまで眺めてみたり、雑誌のインタビューを読み漁ってみたり、自分の中でいろんな情報を咀嚼しながらより沼にハマっていくタイプなので、
「あの時のあの人物の、あの言動、なぜ?!?!」
といった考察を自分なりに調べて仮説を立ててみたり、noteを通して様々な読書感想文を読んでみたり、最近では「こんなに心揺さぶられる作品の創造主である三浦先生とは、一体どんな方なのだろう……」と、オタク丸出しなことまで考え始めていました。

そんな時に、こんな記事に出会ったのです。

な、な、なに?!
直木賞作家であらせられる三浦先生自らが小説の書き方を指南してくださる夢のような本があるだと!!!!


直木賞作家の小説書き方指南書なんて、アイドルのダンスプラクティス動画、トップ経営者のビジネス本みたいなもんやんけ!!!

と、良いたとえは全然浮かびませんでしたが、興奮したまま、仕事の休憩時間に本屋に走って購入しました。

24皿のフルコースと、お口直しの時間になぞらえて綴られた全261頁。
私は冒頭から心掴まれました。

だけど、なにしろ書いてるのが私だからな!ドヤ!(ドヤるところがまちがってる)「なんか妙なこと言ってらあ」と、お気軽に読んでいただければうれしいです。あと、小説家を志しているかたって人口の何パーセントぐらいおられるのかはなはだ不安なので、特に小説家志望じゃないんだけどなというかたも、エッセイ感覚で手に取っていただければ、さらにうれしいです。って、まえがきに書いても届かないよな……。おーい、そこの小説家志望じゃないかたー。おいら、ここにいるよー。レジに持っていっておくれー。
ようこそいらっしゃいました
-まえがき

なんという懐の広さ…!!!

小説の書き方について書かれた本というものを初めて買ったのですが、
緊張しないでいいんだよーこわくないよー
と、純粋に小説の書き方を学ぶために購入し、肩に力が入っているであろう方や、私のようにそれ以外の目的で購入した読者を丸ごとひっくるめて「ようこそ!」と迎え入れてくれるような懐の広いまえがきに、私は三浦先生のお人柄を感じました。

本書の中で三浦先生は

とは言え私のごときものが……

とおっしゃっておられますが、マジでそんなこと言わないで!とっても楽しく読ませていただきました!
一皿目から素直に実践していけば、私にも小説が書けるのではないだろうか…と錯覚してしまうくらい!三浦先生の指南通りに、私も小説を書いてみたいなぁ、とワクワクしました!頭の中を覗かせてもらったみたいで、とっても分かりやすかったです。

そして随所に散りばめられた『ハイロー』とEXILE一族への深い愛!!!!

私の夏は映画『HiGH &LOW』シリーズに捧げられました(唐突)。ていうか、秋の気配が深まりつつあるいまも、『ハイロー(と略させていただきます)』のことばっか考えてて、おかげさまで仕事がまったく手につきません。ありがとう、琥珀さん!
【九皿目】比喩表現について
 -様子がおかしいのは情熱ゆえ  
みなさん、映画『HiGH&LOW THE MOVIE 3/FINAL MISSION』はご覧になりましたか?まさか、この映画をまだ見てないなんて人類はいませんよね。
【十皿目】時制について
-「時間の魔法」をかけて
おいらもうわくわくが止まらねえだ!もうすぐ三代目J SOUL BROTHERSのドームツアーがはじまるから、小説のことなんて考えてる場合じゃねえだ!
【十八皿目】描写と説明について
-納豆を何回かきまぜるかはお好みで

上記箇所はすべて各章の導入部分からの引用です。会話でいうとアイスブレイクにあたるような冒頭の文章で読者をグッと惹きつけて、最後まで読ませる。これも三浦先生のワザなんだろうなぁと思います。

個人的には、「キャラクターが動き出す」とか「筆が勝手に進む」みたいな作家さんたちによる作品を生み出す際の表現を、そうなんだー!すごーい!と言葉通りに信じていたたちなので、本書で三浦先生にそれをキッパリと否定いただき、小説の構造や小説を書く側にとってのコツを教わったことで、読書がもっと楽しくなる気がしています。
(作者はこういう意図があって、だからこの場面でこのセリフを言わせたんだな、みたいな。)

そしてそして、超絶ネタバレになってしまうのですが、本書には「風強」の設定集が一部載ってます。しかも三浦先生の直筆&イラスト付きで。(なんてこった!!)

「風強」だけではなく、三浦作品を例に挙げて、創造主である三浦先生自らにご説明していただけるので、小説家志望の方だけでなく、三浦先生の作品が大好きだ!という方にとっても垂涎ものの作品だと思います!


このnoteをしたためている間に、舞台「風が強く吹いている」のメインビジュアルが公開されました。

ああ、「風強」の舞台、本当に楽しみ……!

よーし!公演までもっともっと読書を楽しむぞー!と思う、秋なのでした。

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