序章:第2話「プロローグ」


”黒の悪魔”による大惨事【黒の誕生】から7年。

後に【黒の再来】と呼ばれることになる、ミタ山の3分の1が跡形もなく消し飛んだ悲劇。


その、黒の悪魔による2回目の大惨事【黒の再来】の、直前ーー



ーーどうしたらいい?どうしたら…。

少年の腕の中、全身から溢れ出す血に染まってゆく人間が…1人。


ーーー守るんだ。命に替えても…。

少年は想う。この人を守りたい。他の何を犠牲にしても…と。




そして、ついにーー黒の悪魔が、【再来】するーー


…周囲を欺いていた”裏切り者”は叫ぶ。「黒の悪魔の、【再来】だ!!!」


…大切な人を失った”少年”はつぶやく。「…ユルサナイ。」


…大切な人を失った”少女”は叫ぶ。「私…絶対に、”ヨウを”…許さない…!!!」



ーーこうして。【黒の再来】によって…


ある者は命を落とし。


ある者は裏切られ。


またある者は…決断を、迫られる。


…ただ確実に、ある者は、あの日、”自らの日常が、再び壊れること”を知っていた。

  

知っていて、なお…”自分が過ごした、この山の平和を…引き換えにしても”、とーー。




この物語は、


世界に混沌をもたらした全ての元凶”黒の悪魔”がーー死ぬまでの、物語。



 赤い小鳥はどうして赤いのだろう。

 赤い実を食べたからだ。

 

 白い小鳥はどうして白いのだろう。

 白い実を食べたからだ。


 青い小鳥はどうして青いのだろう。

 青い実を食べたからだ。


 (―日本の童謡 赤い鳥小鳥―)


では…、”黒の悪魔”は、どうして…

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