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「日本の素朴派」とも言える洋画家・鈴木英子氏

鈴木英子氏(1946?〜)という洋画家がいます。経歴は以下の通りです。また、作品を数点、紹介致します。

神奈川県藤沢市生まれ。
明治学院大学文学部英文学科卒業。

1998年 光風会展初入選。
2003年 日展初入選。
2016年 光風会展田村一男記念賞受賞。
2019年 光風会会員賞受賞。

現在、光風会会員、日展会友。
神奈川県相模原市在住。

鈴木英子《愛しき日》
鈴木英子《NOT ALONE》(2012年)
鈴木英子《AGAIN》(第102回光風会展、2016年)
鈴木英子《Tomorrow》(第105回記念光風会展、2019年)

以下の記事で鈴木英子氏について紹介されていますので全文引用致します。

「市内で洋画家として活躍している鈴木英子(えいこ)さん 中央区上矢部在住 67歳」(『タウンニュース』2013年11月21日)

生涯現役アーティスト

 ○…デフォルメされた少女や動物、生い茂る植物をモチーフに幻想的な世界を油彩を使って描く洋画家。弱肉強食の現実世界ではあり得ない、人とさまざまな動物が対等に共存している世界を描くことで、人を含めたすべての生き物が安心して生きていける楽園を表現する。現在、相模原市民ギャラリーで展覧会を開催している。

 〇…最初は、「玄関にバラの花の絵でもあれば」と始めた趣味の一つだった。幼い時からよく絵を描いていた訳でもなく、小・中の授業以外で美術を専門的に学んだ経験もない。あくまで趣味として絵画を楽しんでいた。そんな時、40代半ばにして、参加していたカルチャー講座の講師に勧められ、100号(はがき約100枚分)サイズの作品制作に挑戦。その矢先、大病を患う。苦しい治療が続く中、それでも絵を描くことはやめなかった。制作に集中することで、治療の辛さを忘れられ、精神を安定させることができた。手をかけて育てたわが子のような作品に、日の目を見させたいという一心で作品を死にもの狂いで仕上げ、100年の歴史を持つ美術家団体、光風会の作品展に出品。初入選を果たした。

 〇…根っからの幹事気質。同じ画家の仲間同士で集まる時には、会場の手配や予約など幹事役を頼まれ、役目を全うする。その場がしらけないよう徹底的に盛り上げる。「もともと、お酒を交えて、ワイワイガヤガヤするのが好き」。そんな彼女の周りには、自然と人が集まってくる。

 〇…「死ぬまで現役でいたいわね」。一日でも長く、一枚でも多く絵を描いていたい。病気療養中は苦しかった制作活動も今では、楽しくて仕方がなく、自己表現の一つとなった。自身の絵を見てくれる人には生命力のエネルギーを感じてほしい。今度は自分が生死の淵をさまよったからこそ伝えられる、生きることの素晴らしさや元気を、絵画を通して人々に与えていく。

鈴木英子氏は正規の美術教育は受けておらず、中年になってから本格的に絵を描き始め、デフォルメされた少女や動物、生い茂る植物をモチーフにアンリ・ルソーを彷彿とさせる幻想的な世界を描き、非常に個性的な画風故に私は「日本の素朴派」とも言える画家ではないかと思っていますが、洋画壇では殆ど無名の存在で、毎年秋に国立新美術館で開催される日展(洋画部門)では二段掛けの上の段に展示されることが多いなど、必ずしも扱いの良い画家ではありません。

ただし、画才は本物なので、この記事を読んで鈴木英子氏の絵に興味を持たれた方は是非、毎年国立新美術館その他で開催される光風会展及び日展で氏の作品を御覧になって下さい。

※記事に関する御意見・情報提供はコメント欄または下記のメールアドレスにお願い致します。
dyi58h74@yahoo.co.jp

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