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四半期マンダラだと数字目標が達成できない?年間計画と達成管理の考え方

概要

マンダラOKRでは目標を「数字にできない」という声が必ず出ます。その要因の1つは「期間のズレ」。成果がでるタイミングが期間よりもずっと先だった場合。たとえば長期開発案件。3年以上も時間がかかる開発計画において四半期の定量目標を要求されても難しいという声がよく上がります。人事採用も1年間で結果が出るもので、離職まで含めると長期的な計画が必要です。その場合は、主要な成果(Key Results)は年間計画・長期計画の定量目標にしておき、その四半期ごとの過程(Process)の進捗率を小目標でチェックする方法が考えられます。

事例:新卒採用が目標の部署

社長からミッション「今年は新卒2名採用しよう」

従業員100人前後の総務人事のお仕事をするIさん。
会社は長年、採用は中途採用がメインだったが今期は社長から「新卒を2人採用したい」との声が。
IさんはさっそくマンダラOKRで行動目標を設定してくれました。

IさんがつくったマンダラOKR

総務・人事担当のマンダラチャート事例

OKRの基本は四半期(3ヶ月間)。1月から3月に設定。
大目標は「会社を楽しくする」。彼女らしい大目標です。
中目標・B.成果1に「採用準備」。そのBの小目標には「ハローワーク月に1回訪問」「地区での採用の現状把握」「会社のアピールポイントの洗い出し」「高卒の年間採用スケジュール作成」「大卒の年間採用スケジュール作成」。

採用準備

ファシリテーター「数字を入れましょう」

ファシリテーターざぶろーとしては、

マンダラチャート成果1には必ず数字を入れる

ことを推奨しています。KR(主要な成果,Key Results)は必ず数字であらわすことがOKRの基本的な考え方です。
そうなると「採用準備」という表現ではなく、達成したか、してないかが判断できる定量目標がふさわしいといえます。

するとIさんから
「部長からは新卒2名入れたいと言われましたが、3月までに達成できないので入れませんでした」

たしかにそうですよね。
社長からのミッションは「新卒採用2名」
でもOKRの期間は1月~3月まで。
このギャップをどうするか・・・

1月~3月の具体的な成果目標記入例

成果1に「2022年新卒採用2名」と記入。
周囲の8つの小目標にはその過程において期間中(1月~3月)で必要な行動を記入します。

  1. ハローワークに行く

  2. 高校の進路指導の先生にご挨拶

  3. 大学のキャリア担当の先生にご挨拶

  4. 地区での採用情報収集

  5. 会社のアピールポイント洗い出し

このように小目標は具体的に実行する行動を書いて下さい。
この場合8つすべて埋めなくてもOKです。
ちなみに8つ以上ある場合はどれか一つを削除するかまとめましょう。
小目標には、中目標を達成するために必要な行動だけを書けば良いので、すべての行動を書く必要はありません。
そしてこの小目標のアクションが達成すると四半期の成果目標(の1/4)は達成したと考えて良いでしょう。

4月~6月の具体的な成果目標記入例

成果1は変わらず「2023年卒採用2名」
でも、周辺のやることは変わります。

  1. 企業主催の合同説明会で40人と面談する

  2. 高校主催の説明会に参加する

  3. 経営者団体主催の学生交流イベントで10人と面談する

  4. 合説用の資料を充実させる

  5. 会社PR動画をつくる

などが考えられます。
1月~3月までの準備段階から具体的なアプローチに変わっています。
ここでポイントは可能であれば数値目標を入れること。上記であれば企業主催の合説で40人と面談とかですね。これが結局次の四半期の会社訪問や採用試験受講人数にどこまでつながったかの計測目安になります。たとえば最終的に採用できた2名は、企業主催の商業的な合同説明会(コスト大)ではなく、経営者団体主催の学生交流イベント(コスト小)で知り合った人だった場合、来年から商業的な合説は行かなくても良い、という判断も可能になってきます。

7月~9月の具体的な成果目標記入例

成果1は変わらず「2023年卒採用2名」。
具体的な行動は、この時期になると高校生の面接や大学生の採用試験・面接が入ってきます。内々定も出していく時期だと思います。
そのタイミングで必要な数字目標を書いておくと来年度以降に役立ちます。
このような形で書いていけば、最終的に2名採用できたのか?どの行動が効果的だったのか?できなかった場合はどの行動に問題があったのか可視化できます。

成果2には?

最近はインターンによって採用を決める若者が増えています。
それを踏まえて成果2「年間インターン4名」を目指し

  1. tiktokで毎週動画配信

  2. 社内ブログ発信

  3. Twitterフォロワー100人増

  4. 社長のビジョンをYou Tubeで発信

  5. ホームページをリニューアル

などをやってもよいかもしれません。
成果2は成果1と違った角度からのKey Resultsを入れるのがポイントです。

まとめ

Q「目標設定期間が四半期(3ヶ月)だと年間の数字目標を入れたとしても最初のうちは達成になりません。どうすればよいですか?」

A「期間ごとに8つの小目標(プロセス)に分解。それぞれの目標達成を目指しましょう。」

開発などの長期案件においても基本的に同じ考え方が可能です。
これについては別の機会で解説します。

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