サージカルテープの功名
私は毎晩、枕元に響き渡る重低音に悩まされています。
その音の正体は、うちの人のイビキです。
年々、酷くなっている気がします。
夜中から明け方にかけて、私は何度となく目を覚ましながらも、隣でグッスリ寝ている人を、なかなか起こすことができません。
なぜなら、私の分も働いて、とても疲れて帰ってきて、今やっとぐっすり眠って休んでいるところだからです。
それに、私は朝に二度寝しようと思えばできるからです。
とは言え、イビキも寝不足もお互い体によくないし、ここは気にせず起こしてしまったほうがいいと分かってはいるのですが、そこを躊躇う理由がもう一つあります。
それは、イビキをかく本人の唇と垂直に貼られた、サージカルテープの存在です。
うちの人は、仰向けに寝ると自然と口が開いて、イビキをかきはじめます。
そこで、イビキ防止のため、口が開かないように、サージカルテープを唇に貼って寝るという試みを、ここ最近自ら実践したうえで寝てくれているのです。
薬局なんかに、それ専用のテープは売ってあるけど地味に高いし、本人曰く口に貼れば同じだろうということで、試しにサージカルテープを使いはじめてみたところ、案外効果があって、その一番の証拠に、その日私は久しぶりに朝まで熟睡できました。
これはすごい。
ということで、サージカルテープを唇に貼って眠るという習慣を、ここ二週間続けてくれているのです。
もう、自分はイビキをかいていない、隣で私も愛犬もグッスリ眠っているはずと信じて、サージカルテープの習慣を続けてくれているのです。
そして、その試みが、実は三日で潰えてしまったことを、うちの人はまだ知りません。
相変わらずサージカルテープのおかげで、口は閉じた状態ではあるのですが、それでも仰向けの体勢になると、結局イビキをかいてしまうようなのです。
なんだか、余計苦しそうです。
横向きで寝ているうちはイビキをかいていないのに、仰向けになると決まってイビキをかきはじめます。
どうも、うちの人にとって、仰向けが最も熟睡しやすい体勢のようです。
熟睡しながら、イビキのボリュームは最高潮に達していきます。
これは手強い。
結局のところ、唇にテープを貼っても貼らなくても、横向きの体勢を維持することが、イビキ防止には効果があるのかもしれません…。
お互いのため、言いたいことはハッキリ伝えていきたいと思います。
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