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出産と断種薬

今から2年前、60代の女性とTwitter上で知り合った。
その方はこっそりとTwitterのDMで、私にいろいろと話してくれた。

大阪に住んでいて、15の時からデパスを飲んでいること。孤児だったこと。
20年前、一気に止めようとしたら心肺停止で救急車で運ばれたこと。
過去好きな男性がいて、その人の子供を産みたかったのだが、医者から、「あなたは長年精神薬を飲んでいるので、ダウン症の子供を産む確率が高い」と言われ、結婚も出産も諦めたのだそうだ。

「私の子供を返してー!!」というツイートを最後に、その女性のアカウントは忽然と消えていた。

私はその最後の叫びを聞いた時、何かとてつもなく生々しくて恐ろしいものを感じた。
狂人、死、おぞましい優性思想、、、、
何かそういうおどろおどろしいものを連想して、気が変になりそうだった、、、、

「子供を返せ!」ということは、実際には中絶していたのかもしれない。

孤児として生まれ、精神薬を与えられ子供を取り上げられる、、、、
なんという過酷な運命なのだろう。

いつだってこの薬は、不幸の隙間に滑り込んでくる。
自分の飲んでいる薬が、まさか断種薬だったなどと、誰が想像するだろか?、、、、


私はと言えば、今から19年前、子供を妊娠、出産した。
薬は一切禁止ということで、19から飲んでいたセパゾンを止めて出産したのだが、今にして思えば、あれは完全に一気断薬であった😱何という恐ろしいこと😱

私の体に残留している猛毒を、娘に撃ち込んでしまったことは、一生謝っても謝りきれない。

出産を終えた母親たちは、みんな喜びに顔が輝いていたのに、私だけあり得ない恐怖感で、今にも死にそうになっていた。

自分は出産もまともに出来ないダメ母だとずっと思っていたけれど、何のことは無い、あれは精神的離脱が出ていたに過ぎなかった。

医師も看護師も、誰もベンゾのことなど教えてくれなかったし、あの当時はスマホも持っていなくて情報が全く無かった。


現在では、お産にまで精神科医が登場するそうである。私のように、精神薬で出産が困難な母親が急増しているのだろう。
「何も心配は要りません。そのまま飲みながら出産しても大丈夫ですよ。」などと、嘘ぶいているに違いない。
どうも彼らはマニュアルまで作っているようである。薄気味悪い人たち、、、、

よく「精神薬を飲んでいるから、もう子供は諦めました。」というツイートを目にする。そういうのを見ると、本当にがっかりする。
一体この国は、子供を産ませたいのか、産ませたくないのか。
「子供はいりません。」という女性はそれでいいが、せっかく「産みたい」と言っているのに産めないとはどういうことなのだろうと、いつも考えてしまう。

ODしているような若い女性のツイートも時々見るけれど、明らかに彼女たちは今のことしか考えていない。
「今さら離脱なんて言われたって無理。眠れないこの今が辛いのに、先の事なんてどうでもいい。」というわけである。

彼女たちに言いたい。

薬の問題はあなただけのものでは無いということを。
毒は凝縮されてゆき、子孫に影響を与えるということを。

人生などどこでどうなっているのか分からない。
私だって、若い頃は結婚など考えてもみなかった。いや、考えなかったわけではなく、「薬を飲んでいるから結婚は無理」と、潜在的に諦めていたのだと思う。
そしていつも、精神薬を飲んでいることに対して後ろめたさがあった。

「子供が欲しい。しまった!」と思ったところで、後の祭りである。断薬しながらの出産など、狂気の沙汰だ。

若い人にとっての精神薬は、断種薬。
悲しいけれど、これは真実だ。


毒母に、初めて精神科へ繋がれた日に言われた言葉。
「お前はこれでもう、結婚も出産も出来ない」 ーーーーーーー

あの言葉が、30年経った今日も頭の中で鳴り響いている。