「来る」は怖いだけじゃない映画なのだ

ホラー小説あなどるなかれ!

皆さんは、澤村伊智さんという作家を知っていますか?
僕が一番好きなホラー小説作家さんです。
あ、ホラー小説と聞いて鼻で笑った人がいますね?気持ちはよく分かります。特に純文学など、思考するタイプの小説を好んでいる人にとっては、エンタメ要素が強い作品と聞くと、どうしても「お子様向け」のように感じてしまうものです。なぜ、そう言えるのか?僕がそんなタイプの人間でしたから。
しかし、読書の傾向が偏り過ぎるのもいけないなと思い始め、読みだしたのがホラー小説でした。もともと、オカルト好き要素があったので、まず手を出してみたのがホラー小説だったという訳です。
数あるホラー小説作品の中で、僕が手に取ったのが澤村伊智さんの「ぼぎわんが、来る」でした。この本を手に取ったのは決して偶然ではありません。なぜなら裏表紙に書かれていた、あらすじに見つけた名前に惹かれたからです。その名前とは「比嘉真琴」です。沖縄出身の僕にとって、小説の主要な登場人物が沖縄の人というのは、魅力以外のなにものでもないのです。そして、この「比嘉真琴」というキャラクターは僕を新しい沼に呼び寄せるのですが、それは後ほど。
「ぼぎわんが、来る」は、比嘉姉妹シリーズと呼ばれる一連の作品のスタートを飾るものだったのです。
この作品から始まり、「ずうのめ人形」「ししりばの家」「などらきの首」と続いていくのですが、作品のタイトルも面白いと思いませんか?詳しいことは、ネタバレになってしまうので書きませんが、このタイトルに隠された言葉遊びが分かると(作品中で明かされますが)、澤村伊智さんの巧みさを感じます。
そして、澤村伊智さんの書くホラー小説が他のホラー小説と違うのは、考察が盛り込まれているという点でしょう。特に、「ずうのめ人形」の中で書かれている「都市伝説」に関する解説です。これが、「なるほど」と唸ってしまうほど腑に落ちる内容なのです。オカルト好きの人には、ぜひともご一読いただきたい作品です。

映画「来る」はエンタメ性も備えたホラー映画

それでは、ここからは「ぼぎわんが、来る」が原作である映画「来る」について書かせていただきます。最初にはっきり言っておきます。僕は映画を詳しく語れるほど、知識は無いので批評なんていたしません。映画を見たときの僕の様子や心情をメインに据えて面白ろおかしくお伝えします。
ちなみに、「来る」は「ぼぎわんが、来る」が原作ですが、結構エンターテイメント寄りになっていますので、原作を読む前に見て欲しい映画です。
特に冒頭シーンは、原作には描かれていませんが、この作品の怖さをグッと引き立ててくれています。
さて、僕は映画を見る場合、ひとりで映画館に行くことが多いです。ええ、モテないからですね、ほっておいてください。
しかし、この映画館にひとりで行く習慣が悲劇を招きます。そう、この映画、主演は岡田准一さん、出演者には妻夫木聡さんとイケメンが揃っていたのです。もうお分かりですね。周りは女性客、特に女子高生が多かったのです。いやぁ、肩身の狭い思いをしました。
内容としては、簡単に言えば化け物退治のストーリーなのですが、その中に育児放棄の問題や中絶など、命に関するテーマも組み込まれており、公開時には「社会派ホラー」と言われていました。
そして、僕を新しい沼に引きずり込んだのが、比嘉真琴役の小松奈々さんのピンクの派手髪。比嘉真琴の派手髪なのに子供好き(悲しい理由があります・・・)というギャップにやられてしまい、今現在も、ついつい派手髪の女性を見ると「ドキッ」としてしまうほど好きなのです。
さて、この映画、主演は岡田准一さんですが、最後に良いところをかっさらっていくのは、比嘉真琴の姉にして日本最強クラスの霊媒師であり、巫女である比嘉琴子。演じるのは松たか子さん。これがまた、かっこ良いんですよ!煙草をお祓いの道具としている点も面白いし、煙草を吸う松たか子さんの姿もかっこ良い!
最後のぼぎわんを祓うシーンは、まさにお祓いエンターテイメント!世界各国のお祓いが結集した光景は、一瞬ギャグか?と思ってしまうほどでした。
そして、もう既にお話してありますが、僕は泣き虫です。「来る」のラストもジーンときてしまい、ポロポロと涙をこぼしていました。いやぁ、映画館を出る時の女子高生の皆さんの視線が痛かった。

まとめ

ジャパニーズホラーと言えば、精神的な恐怖をあおるものだと僕は思っていました。しかし、「来る」は精神的な恐怖と共に、スプラッタ映画の要素もあり、精神的恐怖一辺倒な映画とは違い、色々なジャンルのホラー映画好きも満足できる作品だと思います。
そして、魅力的なキャストもこの映画を面白くしている要素でしょう。特に、特に小松奈々さんを見ていただきたい!めちゃくちゃ魅力的ですから!
「来る」は、色々な意味でドキドキする作品ですよ。みんな、見てくれよな!

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