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ニュース屋さんにミライはあるの?

ところで、ニュースって何でチェックしてる?
 テレビ?
 ラジオ?
 新聞?
 ユーチューブ?
 ポッドキャスト?
 ニュースアプリ?
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    ・
    ・
 まあ、なんでもいいんだけど、テレビとかラジオとかって人、まだいるのかなあ。あ、いるからテレビもラジオもまだあるのか。

 べつに、テレビとかラジオとかがダメだって言いたいわけじゃないんです。YouTubeだってテレビみたいなモノだし、ポッドキャストだってラジオみたいなモノだし、ニュースアプリだって新聞みたいなモノだし。

 違いといえば、テレビと違ってどこでもみれるし、ラジオ違って好きな時にきけるし、新聞と違って配達してもらったり買いに行ったりする必要がない。つまり、便利だ。

 ニュース屋さんにミライはあるの? なんて問いをしてみたけれど、多分あるんだと思う。みんな、共通の話題を欲していて、それはきっと人間の本質に近い欲望で、だから、相当に人間が変わってしまわない限りは、ニュースへのニーズというのはあるんだろう。

 じゃあ、「今までの」ニュース屋さんにミライはあるの? って問いになると、これはちょっと答えが変わってくるのかも。

 ニュース屋さんってさあ、大きく分けて二つのパートに分かれてるんだと思うんだ。一つは仕入部門。こっちは取材したり、買い取ってきたりとネタを調達してくる部門。もう一つは、それを番組や紙面なんかで発表する部門。ボクたちがいつもみたりきいたり読んだりするのは、その発表部門の方で、よっぽど気にしてみる人もいるにはいるけれども、ほとんどの人はそのニュースがどこからどうやって仕入れてきたかなんてあまり気にせずに、発表会を楽しむ。

 ところが、今、その発表会が大きく変わってきている。

 単純に、テレビがYouTubeに、ラジオがポッドキャストに、新聞がニュースアプリに置き換わったってだけじゃないようだ。もし、単に発表会の会場がネットに移ったっていうのなら、ニュース屋さん、つまり、テレビ局もラジオ局も新聞社も、ネットに移ればいいだけ。でも、そうじゃないから、いままでのニュース屋さんは、これからは困ることになる。直接的に言えば、儲けづらくなる。

 どういうこと?

 簡単に言っちゃうと、みんながニュースの発表会に求めるものが、今までとは変わってきている。内容の正確さ、公正な解説、なんてのは、全く求めていない。求めていたってニュースの伝え方なんて偏るのに、そもそも求めてもいない。

 じゃあ、何を求めているかっていうと、自分が見たい角度から見た内容、自分の感性にフィットする解説を求めている。つまり、自分の気に入ったニュースだけをみたりきいたり読んだりしたいわけだ。これが、最早ニュースと呼べるのかどうかは分かんないけど、まあ、ニュースなんて元々そんな程度のものなのかもしれない。

 それなら、既存のテレビ局もラジオ局も新聞社も、ユーザーに気に入ってもらえるニュースを作ればいいんだけど、ほら、あの人たち、自分でも「マスコミ」なんて名乗っちゃってる通り、大勢を相手にしなきゃいけないじゃない。でもさ、テレビ局って、キー局って言われるのは数社しかない。ローカル局はいっぱいあるようで、各県に数社しかない。しかも、ニュースなんてほとんどキー曲とおんなじのを流すだけ。つまり、好みに合ったニュースをテレビでみようと思っても、数チャンネルから選ばなければならない。それじゃ、足りないんだよ。個々人の気に入るニュースを配信するのには。

 だから、ニュースを消費する側はどうしているのかというと、ネットで自分の気に入った伝え方そしているニュースを探す。探すと入っても、「こっちのニュースサイトはどうだ?」「あ、こっちのニュースアプリの方がいいかな」「お、このユーチューバーの解説は実に気に入る」なんて、あちこち、みて、きいて、読んで回る必要はない。なんとなく気に入ったニュースは消費して、なんとなく気に入らないニュースは飛ばして、そんなことをしていれば、勝手に気に入ったニュースばっかりが自分のスマートフォンに集まってきて、気に入らないニュースと接する機会はどんどん減ってくる。なぜなら、少しでも長い時間、自分のところに滞在してほしいサービスプロバイダが、そういう仕掛けを作っているから。内容なんて、どうでもいいんです。「少しでも、長いことうちにいて、ニュースの合間に広告なんかもみてくださいな」ってこと。

 ネットというのは、いろいろな情報を得られることができるツールである、という側面もあることはあるけれど、実際には、個々人が自分の感性に合った、自分の気に入った、自分にとって気持ちのいい情報だけを得るためのツールとなっている。

 多くの企業や個人が、それぞれの解釈で、それは自分が信じる解釈だったり、まあ、多くはそんなの関係なく、ファンが喜ぶ解釈だったり、つまり、種々様々な解釈を作り上げて発表している。そんな大勢の中では、テレビ局だってラジオ局だって新聞社だって、ぜんぜん特別な存在じゃなくて、数あるプレーヤの中の一つでしかない。

 数あるプレーヤーの中の一つって。。。
 これ、儲からない時のフレーズだよね。

 でもさあ、テレビ局ラジオ局新聞社が、ニュース発表屋さんと違っている部分もあるじゃない。
 例えば、ユーチューバーなんかはさ、まあ、ユーチューバーじゃなくてもネットでニュースを発表しているところっていうのは、大体、テレビラジオ新聞なんかでニュースを仕入れて、それを自分のファン向けにアレンジして、そして発表しているわけだ。

 テレビラジオ新聞で仕入れてアレンジして売るってことは、仕入れがゼロ! なんと、ただで仕入れた食材を料理してお商売してるんだよ。

 だってさ、仕方ないよね。取材する力がないんだもん。パソコンの前で、一つのおんなじ材料から、あれこれとトンデモ理論を創作して発表するのがお商売で、日本中、世界中を駆け回って取材してくるなんてことはできない。

 ほら、トンデモ理論屋さんにはできないけれど、テレビラジオ新聞屋さんにはできることがあるじゃん!

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