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【働くあのひと case.14】歳をとっても働かないようにするため

14人目は、芸人として活躍する 兵頭てつ兄さん(通称:兵頭さん)です。トーク力と力強い秀逸なツッコミで多くの方から支持を受けていらっしゃる大注目の彼!お話しているだけで笑いが絶えませんでした。このインタビューを読めばもっと兵頭さんのことが好きになるはず。ちなみにわたしは、そこそこに兵頭さんが好きです、そこそこに(白目)


―まずは、お仕事内容について教えてください。

フリーランスで芸人をしています。人を笑わせる仕事ですね、だから人が笑わなかったら地獄ですね(ニヤリ)。

―「……(笑わない)」

……。

今は事務所に入らずに、個人で活動をしています。少し説明をさせていただくと、芸人ってざっくりとふたパターンに分かれるんですよ。

みなさんもご存じである有名な芸能事務所「吉本興業」に所属している芸人と、そうではない方。吉本興業さんは自社が持っている公演会場があるから、所属芸人はお笑いのステージに出場することができるのよ。
でも、吉本興業さんに所属していなかったり、俺みたいなフリーの芸人っていうのは、基本的に自分達で会場をかりて演者を集めてライブを作るの。いわゆる「自主ライブ」ってやつだよね。別会社が開催しているライブに出て、そこで勝ち続けていけばお笑い舞台に出るというパターン。フリーライブは本当に誰でもでれるやつ。会場をとったりは自分達でやって、先輩にお誘いいだいたり同期から連絡もらったりして出てたりとか。
前にコンビを組んでいた時には毎月単独ライブをしてたんだよね。今はひとりだからネタもできなくて、更にこんな情勢下だからそもそもライブもできない。お客さんもいないし。
でも、今ライブに出れないからといって何もしないのは、努力していないし怠けているだけになっちゃう。
じゃあどこでなにしよう、自分にできることってなんだろう、例えばネットでだったら何を配信しようか考えた時に、「クラブハウス」に出会った。たぶんクラブハウスがなかったら、違う配信サイトで何かしらやってたとは思う。たまたま自分がクラブハウスを知って配信を始めたというだけ。


―「Clubhouse」に対して思うことはありますか?

ユーザーが少ないから、今こそ注目を浴びれる気がしている。なんかさ、いろんな意見はあるけど……。俺にとっては、クラブハウスで配信することはどう考えても今がチャンスなのよ。多分、有名な人ほどクラブハウスなんて今更意味がないと考えるだろうし、一般のユーザーの方と比べたらモチベーションも違うし、意見も違うかもだし……。現に、人口が減ってるよね。
だけど、人がいないほうが俺はチャンスだと思う。だって、ライバルが減っているから。今クラハで配信している芸人さんってそんなにいないから、自分のやりたいことをできていて純粋に楽しい。もしどこかのタイミングで音声メディア自体がすごく脚光を浴びたとして、そのときにクラハがあって俺が配信を続けていたとしたらよ。「クラブハウスの芸人といえば兵頭」という図をつくれていたらさ!もう勝ち組なのよ。だから配信の頻度は高いし、バイトが忙しくてもなるべくやろうとしてる。

 
―そもそも兵頭さんは、どうして芸人になろうと思ったんですか?


きっかけは、二回目の離婚をした時。

高校を卒業してすぐに、企業の球団に入った。高校の野球って、夏の大会で終わって秋冬は活動がないから、その間にプロのスカウトがいくつか来たのね。今後の進路について聞かれて考えても、やっぱり野球は続けたいなって思っていて、でも……大学に行くか就職するか迷ってはいて。

そんなとき、最初の就職先である企業から声がかかって、試験を受けたらぜひ来てくれって言ってくれて、そこにした。社会人野球って、企業に入って社員のみんなと同じお給料をもらっているんだけど、午前だけ仕事をして昼からは野球の練習をするという働き方なのよ。21歳まで野球を続けていました。
次の就職先は、飲料メーカーでの営業。ちなみに、営業の成績はトップでした!(笑)。いわゆる大企業だったからルールが固くて厳しかったんだよね。俺なりに効率とかを考えてやりたかったから、これまで誰もやっていなかったであろうSNSを使った営業をしてみたんだけど、それをしたらすごく怒られたの(笑)。
朝の9時から夜の18時くらいまで働いて、そこからクライアントの方と飲みに回ったりしても、それは全部実費で経費がでなかったのよ(笑)。そこまでやってさ、営業トップになったのに怒られるしお給料もあがらない。え?って。
子供がいなくて結婚意欲もない、ってなったら、なんでこの会社で働き続けなければいけないんだって改めて思ったんだよね。楽しくないのに、こんなに我慢するメリットないなって。家庭のためとか将来のためとか、何か背負っているものがあって企業で働くというのはわかる。守るべきものがあったらそりゃあ安定した企業で働いていたいって思っていただろうし。
でも、そのときの自分には捨てるものがなかったから「え……!は?……。会社やめたろ!」ってなった。それまでの人生、俺はずっとプロ野球選手をめざしてたのよ。高校の時には、4球団のプロからスカウトがきていたくらい本気でやってた。なにかを目指すっていう感覚とか、夢に向かって頑張るとか、何かに夢中になりたいという願望は、自分の中にあって。
企業で営業していた時、毎日明石家さんまさんのラジオを聴きながら寝てたのね。お話も好きで、面白くて。とにかく聴きまくってた。そしたら、さんまさんのおかげか喋りがうまくなったのよ。仕事しながら聞いているうちに、なんかどんどん気持ちが溢れて、ある日「あ、これだ」って思った。
結婚しているときには、働く目的は「家族のために」だったけれど、それがなくなって、じゃあ自分のためになにがしたいのか真剣に考えたら。お笑い芸人だって、そこで気づけた。お笑い番組はもともと好きだったから。それを会社に伝えて「辞めたいです」言ったら、あんなに怒られていたのになんやかんや営業はトップだったから引き止められて、半年くらい上層部と大げんかした(笑)。そしたら半年後くらいに副社長さんが、「本当は言えなかったけど、半分お前が売れて活躍するんじゃないかって思ってた。何年後かにテレビに出て活躍する気がしてる」って本音を暴露してきて、「じゃあもう俺を応援してくださいよ!」って言って!(笑)。「売れたらおごりますから!」って言って、辞めた(笑)


―二回離婚したとのことですが、差し支えなければそのエピソードをお伺いできますか?

最初の奥さんとは、社会人野球の場で出会いました。

一度目の結婚は19歳。奥さんは、39歳だった。野球のチアのダンスを教える先生だった。最初に話した時さ、同い年だと思うくらい若く見えたの。初めて一緒に飲みに行って、どこに住んでいるかとか聞いたら俺が住んでいるマンションの真裏だった。え、めっちゃ近いじゃん!…そういえばいくつなの?って聞いたら、39って。「えー!」ってなって(笑)。そこから彼女が気になってしょうがなくて、遂に俺から付き合おうって言って、そこから結婚までは早かったかな。向こうの年齢もあったし、俺には迷いもなかったから。
でも、一緒に住み始めて一か月後に、奥さんがトイレで倒れているのを見つけてしまった。病院で検査したら奥さんが肝臓がんになっていることがわかって、もう半年も持たないって聞かされた。とはいえ、9カ月は生きることができたんだけどね、この9カ月がね。辛かったんだ。嫁は開き直っていてどちらかといえば明るかったんだけど、俺がずーっと嫁よりも沈んでしまっていて、一緒にいたのは病気ってわかってからは9カ月だったのに、8年に感じるほど長くて辛かった。その彼女との結婚生活は、10カ月で終わりました。

そのあと野球に復帰しようとしたら肘を怪我しまして。
人生の折れ線グラフが底なし沼になりました。

怪我が原因で社会人野球をやめたんだけど、その後に親が大借金を抱えていたことが判明したのよ。俺がプロ野球選手になると信じていたらしく、父親は契約金をあてにして遊びまくっていました。パチンコ、スロットを朝から打ち、携帯では競輪競馬。あらゆるギャンブルをやっていたことがわかって。総計2000万の借金をつくってた。その借金は自分で返してくれよって親父にいったら「働けんやん」って返ってきて、「なんでなん!?」ってなるじゃない。「考えてみい!朝から晩までパチンコ打ってたら、腰痛くなってヘルニアになるんだ!」って。なんで俺が怒られなきゃあかんねん!ってなり!いや!なんでなん、と(笑)。
とはいえお金は返さなきゃいけない。だから22歳の時、お金の稼ぎ方をすごく勉強したんだけど、何が一番儲かるかって考えたら……。風俗店をつくることだった。いわゆる、デリヘルだよね。デリヘルだったら事務所の家賃とか、ネットの広告費があればやっていけるのよ。送迎の車の運転は、父親にやらせた。
やりくりして、2000万の借金を2年で返済しました。もうこのときでさ、俺の人生くたびれてるよ、ほんとに(笑)。ほいで、その借金返した時くらいに中学校の同級生に再会した。

その子は中2くらいで転校してきた子なんだけど、一言も喋ったことがなかったのね。でもめちゃくちゃ可愛い子で、浜崎あゆみそっくりだった。転校してきてからみんなの注目の的で、俺はクラスも全然違うから話したことはなかったんだけど……。大人になって、たまたま知り合いのある企業の社長さんから突然連絡がきて「おい!兵頭!お前〇〇中学卒業だよな!この子知ってるか!今ウィルコムで繋がってるんだ!話せ!」って唐突すぎることが起きて、機器をまたいで話すという珍事件が起きた。その後SNSで繋がって、ご飯行くようになって……。もうトントン拍子!それからその子はずっと俺ん家にいた。もうね。再会してからセックスばっかりだったよ!ねえ!すごかったわあ!一年同棲して、結婚したわ!したわ!した!


―…何を聞かされてるんですかね、わたし!

(笑)。
でも、いくらいい人ができたからといって、一人目の嫁にはちゃんと顔向けできるような結婚がしたかった。それは、ずっと考えていたことだった。だから、ちゃんとその子と向き合おうとしていたよ。生活水準が合うかどうかとか様々な相性を確かめるために、一年同棲してその後のことを決めようとしていた。最初はうまくいっていたんよ。同級生だったこともあって共通の知り合いもめちゃくちゃ多かったし。これはうまくいくなあって思って結婚式あげたんだけど。結婚式の二か月後に、嫁の一回目の浮気がわかって、結局一年一か月の間の結婚生活で浮気を4回された。……え?ってなったよ、さすがに。それで離婚した。
さっきの話に戻るけど。じゃあなんで今自分は大企業にいないといけないんだって思いがますます強くなったんだよね。いやもうこれは違うなって、ここは俺がいたいところじゃない。俺は東京に行って芸人になりたいって改めて思えて、周りを説得して東京にでてきた。


―今、芸人をやっていて、どうですか?

……。(渋い顔)
全く芽が出ないから、何も楽しくないです(梅干しのような顔)。
今までのセオリー通りの芸人の売れ方で考えると、やっぱり「ネタ」が大事なのよ。ネタがおもしろくて周りから注目されてオーディションに出てデビューするんだろうけれど。

俺、漫才がしたいの。漫才って、俺だけじゃなくて相方であるもうひとりの「芸人」が必要になる。自分が芸人を始めたのは28歳で遅かった。周りをみると、同期は高卒や大卒1年目ばかりで、若い子だらけなわけ。彼らって、自分がまだお笑いに詳しくなくて面白くないことを解っているから、焦っていないの。長い目で見て、10年後に売れればいいなって思っていたりする人も中にはいる。
俺は、今すぐに売れたいって思ってしまうから、同期とは歯車が合わないと感じてしまった。誰かと一緒にコンビを組んでみても、俺がはりきりすぎてしんどいって理由で全部解散してしまった。


―どうして漫才がいいんですか?

ひとりでやる笑い、ふたりでやる笑い、三人でやる笑い。いろんなスタイルがあるけれど、一番の登竜門はやっぱりM-1だと思っている。そこでの優勝が、一番の目標です。だから漫才が良い。

これは王道のやり方で、成功のテンプレだよね。でも、まだない新しい形でお笑いが作れたらそれはそれで面白そうという考えもあるのよ。それこそ音声アプリだったりで注目されて、ネタじゃなく喋りが面白いからという理由で注目されて有名になるパターンももしかしてあるかもしれない。そう考えたら、今自分がしていることは悪い方向には行っていないと思う。

あとは、運だよね。誰に見つけてもらって、誰にプッシュしてもらえるか、そういう縁は大切だよね。クラブハウスで定期的に開いている「兵頭の独り言」も(※兵頭さんが基本的に一人で話していて、たまにゲストがスピーカーにあがるという部屋です)、誰が見に来てくれているかはちゃんと確認するようにしてる。たまに記者の方とか芸能関係の方とかいるのよ。そういう時に限って、俺は燃えます。「ピーピーピー(過激な単語のために自主規制)」って連呼して、いっそ記事にしてくれよ!とかも思うよ。
結局、誰かと同じことをしても成功はできないから。俺なりのスタイルを確立したい。


―兵頭さんにとって、「笑い」ってなんですか?

 これも正解はわからないけれど……。笑いって「ストレス発散」だと思うのね。笑わせることで、その人のストレスを発散させることができるのかなって。ストレス発散って、人によってさまざまだと思うけれど、笑いもその中のカテゴリーの一つだと思う。
何より自分も笑いでストレス発散するからさ。笑うことが嫌いな人っていないと思うんだよね。笑ったあとってすっきりするやん。だから芸人って、人に嫌われる仕事じゃないと思うんだ。笑っている自分も嫌いじゃないし、なにより笑っている人を見るのが好き。


―お話は変わりますが!
兵頭さんにとって「好き」って何ですか?

これ言うとイメージが変わるかもしれないけれど!(笑)。
何も言わず、何も考えず、何もせず、息さえも止まったくらいの無の状態が好き。呼吸することすら忘れるくらいの「無」の状態。何も背負わず何も考えなくて済むから。
でも、これよくないのよ。これを求める人って、9割方薬物中毒の素質がある気がしてさ、なんとなくヤバい気がする。極端だけど、いろいろ背負うものがあって、考えることがあって、それが溢れたときにどうしようってなるのが怖いよね。言い方は難しいけれど……。


―兵頭さんの夢は、なんですか?

目先の夢なら、「テレビにでること」。テレビに出て自分のことを知ってもらって、知名度をあげることかな。それがまず俺の夢の挑戦の、階段のひとつめやね。
2つめは、「M-1優勝」。3つめは、「テレビ番組でMCをすること」。テレビに出て知名度を上げることは可能性を広げる手段だと思っているから、やっぱりテレビは大事だと思う。知ってもらえるって、強い。
ちなみに4つめは、「映画監督になって映画をつくること」。すでに撮りたいものがいくつかあるんよ。そのために裏でいろいろ動いていたりします。そして5つめは、「芸能事務所をつくること」。それまでにもしも自分がどこかの事務所に入ることがあったとしても、最終的には自分でつくりたい。なんかもう、いっぱいやりたいことあるね。野望の塊です。順位はあるけれど、叶う順番はバラバラでも構わない。


―最終目的はなんですか?

会社を4つ作ること。全部の会社から一定の収入が入ったとしたら、俺の手元にも一定のお金が入ってくるわけで。ってなれば俺がなにもしなくても、お金は手に入る。
今の時代、歳をとったその先の人生で年金がもらえる保証なんてないわけよ。ということは、歳をとっても働かなければならないかもしれない。もう動けないのに、これ以上働けないのに、限界なのに…って時に、自分の会社を持っていたら一定の収入は得られるよね。
歳をとったときの年金に変わる収入源を、いまのうちに作っておきたい。


―兵頭さんはお仕事とか関係なく、今の自分が好きですか?

えっとね。

嫌いです。

これは主観で自分のことだから言えるけれど、今までの人生を振り返ると、俺、なにもうまくいっていないの。やり切ったことといえば借金返し切ったことくらいなんだけど、それってマイナスがプラマイゼロになっただけで、プラスになってないのよ。じゃあプラスになったことってなんなんだろうって考えても、大人になってから一個もない。野球失敗、結婚失敗、借金返して、また結婚失敗。大手企業やめて、その後は芸人もうまくいっていない。こんな底辺にいる人間が、一丁前に口だけ立派で、夢を語ったりしてさ。嫌いだね、自分。
 成功している人を見ると嫉妬したりもする。そんな時は競馬の馬みたいに、自分の尻が叩かれているんだって思うことにしてる。嫉妬すればするほどモチベーションはあがるのよ。
 それでも、結構落ち込むよ、シュン……ってなる(笑)。

俺ね、頑張ってないの。適当だったの。なんなんこの人生って。ずっと嫌だったよ、自分のこと。語るストーリーとしてはこれまでの自分の人生はなんか聞こえが良いかもしれない。
なんなら、死んでしまいたいって思ったこともある。離婚した元嫁が3回目の浮気をした際に、ストレスがたまりすぎて車の中で吐血をしました。喘息持ちだから、冬になると咳がとまらなくなっちゃうんだけれど、車の中で咳がとまらなくなってさ。いろいろ積み重なって、ストレスで咳が暴走して、車のウインドウが自分の喉から出る血で真っ赤になった。ああ、こんな目に合うくらいだったら死んだほうがええんちゃうのって思って、車の中にガス撒こうかと思ったこともある。

 生きててよかったって思えた瞬間がまだないのよ。まだ、ないんよ。
それはこれからくるのかなって。だから、生きる。


―自分の好きなところはありますか?

ない。

俯瞰的に自分を見ちゃうから、どんなに自分のことを褒められても、「いや、でもこうじゃない?」って否定してしまう。普段の俺のツッコミも、物事を俯瞰で見ての発言だと思うから、自分に対してもそうかな。的確なことを言いすぎちゃうから、日常生活でもそれが自分に返ってきてしまう。……うん、あんまり自分のこと、好きじゃないな。落ち込むことは本当に多いんだけれどね、こう見えても(笑)。
これは俺の自論で、尊敬するさんまさんが言っていたことなんだけれど、落ち込む人って自分に期待してるんだよね、多分。だから、失敗して落ち込むってことは自分に期待してたんだって思うことにしてる。


―あの……失礼ですけれど……、兵頭さんって根暗ですね。

いや根暗よ!(食い気味)。めちゃくちゃ根暗。でも根暗な姿は、いつもは人に見せないな。嫁にすら見せたことない。どんなに忙しくても、嫁の前では常にスイッチオンだった。
 人前で暗くいて良いことってないじゃん。かといって、無理に明るくしてもねじ外れてるって思われるだけだし。難しいよね。


―それでは兵頭さん、今「なりたい自分」ってありますか。

自分が死んだときに、葬式の参列にいる方達が笑って見送ってくれる人生にしたい。これはずっと思っていること。でも、多分すごく難しいのよ、そういう状況をつくれる人間になるって。

逆に、自分ができないことを人に指摘して怒る人が嫌いです。そういう人にはなりたくない。
例えば怒られたとしても、その人がそれをこなせている人だったら納得できるんだけど、できていない人になにか言われても「は?」ってなる。


―最後に!兵頭さんにとって働くって、なんですか?

歳をとって働かないようにするため!

今の時代って高齢になっても働いている人っていっぱいいるよね。
昔パチンコ屋で働いていたことがあるんだけど、そこの清掃担当の方が80歳くらいの女性でさ。俺、聞いちゃったのよ、「なんでここで働いてるの?」って。そしたら、若いころに仕事を続けられなくて退職金が一円も入ってこなくて、だから年金もそんなにもらえなくて、生活がもたないって。それを聞いたとき、すごく考えさせられたの。働くって、生きていくって、何?って。

それでも、芸人をやりたい。もちろんお笑いが好きっていう気持ちはあるけど、最終的に絶対成功したい。自分で会社をたちあげて経営すれば自分のためにもなるし、お笑いだけじゃないことをできる可能性も広がって、なによりそこで働く社員を笑顔にすることができるかもって考えてたの。芸人自体は目標ではなくて、途中階段って感じ。
でも、もちろん!お笑いは、大好き!芸人兵頭として、まだまだ活躍していきたいです。
俺が死ぬときに、笑ってる人が少しでも多ければいいな。そんな感じです!

まじめな時はまじめで、ぶち壊れる時は果てまで壊れる兵頭さん。いつもみんなに笑いを届けてくれて、ありがとうございます。これから間違いなく活躍していくんだろうなって思います。会社経営したら声かけてください。芸人のてつ兄!M-1で優勝する姿はばっちり私の中で想像できています。インタビューさせていただきありがとうございます!


いつも応援ありがとうございます。