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映画はどこで観る?

 外出のままならないご時世になんですが、これは結構難しい問題です。同じ映画でも環境が違えば見えるものが違ってきます。

 映画好きな人ほど劇場で見なければいけないと強く主張しがちですが、それとて主観にすぎません。カップリングと同じで最後に決めるのはあなたです。

 映画館で見る、テレビで見る、ソフトで見る、ストリーミングで見る、定額サービスで見ると方法は色々です。それぞれのメリットデメリットを紹介していきましょう。

映画館で見るメリット

 まず第一に、映画館とは映画を観るところです。餅は餅屋。何だって専門店で買うのが一番確かです。映画とて例外ではありません。

 映画館ならではの大スクリーンと音響。あなたが上級国民だと世間にねたまれるくらい金持ちか、さもなければ映画館経営者でなければこれは手に入りません。

 そして映画館では静かにするという固定観念は絶対のものではなくなりつつあります。意図的に騒ぐ応援上映や絶叫上映はもはや珍しいものではありません。一人で家で騒げば警察が来ます。さもなければむなしさが襲って来ます。

 出演者や製作者の舞台挨拶などのイベントが行われることもあります。名画座に行けば映画好きの有名人や、下手をしたら出演者が客席にいるなんてこともあります。君も快楽亭ブラック師匠を探そう!

 グッズだって売っています。使うあてもないキーホルダーなんて買わないという人も、パンフレットくらいは買ってしまうのが映画館の魔力です。パンフレットは大事です。

 近頃は前売り券もコレクターズアイテムとして一ジャンルを確立していますし、ちょっとしたおまけが付いてくることもままあります。引き出しを開けばそこには映画の思い出が。マスターズカードで支払ったかに関係なく思い出はプライスレスです。

映画館で見るデメリット

 まず映画館で映画を観るには映画館へ出向かなければいけません。近所に映画館があるとは限りませんし、あっても目当ての映画がやっているとは限りません。特に昔の映画は名画座や何かの特集で上映されるだけです。そして名画ほど混みます。

 また、映画館の入場料は決して安くありません。それに見合う価値はあるとは思いますが、それでもコンビニでうまい棒を買うようにはおいそれと観に行くことはできません。

 そして、映画館は公共の場所です。映画好きに悪い奴は居ない、とは断言できません。迷惑な客と隣り合わせに座ってしまうとそれは『ブロークバックマウンテン』以上の悲劇です。

 甚だしい場合だと客席がブロークバックマウンテンの映画館さえあります。これは映画好きとしても、LGBTとしても心が痛い問題です。BLでは決して描かれないリアルがそこにはありますが、美しさは保証しかねます。リアルとはそういうものです。

 映画館の施設面の問題もついて回ります。昨今の上等なシネコンしか知らない神経質な人にはとても受け入れられないような映画館もあります。私はそういう猥雑なムードを楽しみますし、それが映画文化への貢献だと信じていますが、他の人に無理強いはできません。

 それに好きな席に座れるとは限りませんし、流行っている映画だと好きなタイミングで見に行けないこともあります。そもそも人混みが嫌いな人には映画館という場所自体が苦痛でしょう。私も正直そっちの口です。

 知り合いに遭遇することもあります。私は『はいからさんが通る』を観に行って職場のお局と遭遇するという悲劇に見舞われました。職場の人に趣味を知られるのは気持ちの良いものではありません。


テレビで見るメリット

 何と言ってもテレビはタダです。そして録画しておけばいつ何時、誰とでも見ることができます。そして持ち運べます。

 また、テレビ局が何を流すか決める以上、ずっと見ると決めておけば新しい出会いがあります。午後のロードショーと金曜ロードショーを一年撮りためて見続ければ、あなたもいっぱしの映画好き面ができます。BSも受信できるなら最高です。

 また洋画の場合、吹替派は絶対テレビをチェックすべきです。DVDには吹替が収録されないことがままありますし、放送局によって違う吹替が入っているのもよくあることです。吹替が違えばもはや違う映画ですから。

テレビで見るデメリット

 テレビ局が何を流すか決めるというのはデメリットでもあります。見て後悔するような映画にあたることもあります。都合の悪いシーンはカットされます。そしてCMが入ります。

 例えば夏休みの金曜ロードショーは近頃はジブリばかりです。特に八月半ばは絶対「火垂るの墓」です。いくら良い映画でも毎年ではうんざりします。

 これが昔は「バックトゥザフューチャー」であり、「ランボー」であり、「ポリスアカデミー」でした。もはや夏休みのリビングに気まずい空気と「オリーブの首飾り」が流れることはないでしょう。それはそれでさみしいものです。


ソフトで見るメリット

 ソフトはレンタルとセルがあります。レンタルは何といっても気軽です。例えばTSUTAYAは近頃月額1000円の借り放題プランの導入に踏み切りました。私も利用していますがまこと便利です。私はあまり使いませんが漫画やAVだって借りれます。

 セルは買えばずっと手元に置いておけますし、貸し借りも自由です。今や映画好きの先輩から借りるしか見る手立てのない映画は腐るほどあります。

 また、出演者や吹替声優によるオーディオコメンタリーや、各種特典が付いてくることもあります。新吹替が行われることもあります。そもそも劇場公開されずソフトだけ(ビデオスルー)という映画もあります。

ソフトで見るデメリット

 レンタルの場合、やっぱり店まで出向かないといけません。宅配レンタルなんてものもありますが、好き嫌いの分かれるところです。そして、お目当ての映画の在庫がなければ観れません。貸し出し中なら事態は余計ややこしくなります。

 そして日活ロマンポルノなんて借りようとした日には、人の目を気にせねばいけません。あの暖簾をくぐるのは勇気がいります。女性ならなおのことです。

 セルだと金と場所の問題がついて回ります。そしていずれにしても、ハード面に凝るとイバラの道です。快適なホームシアターライフを送るには相応の財力と知識と手間が必要です。 

 例えばVHSの再生環境が欲しいとなったとき、あなたはまともなビデオデッキを探してこれる自信がありますか?私は借り物のテープをダメにして面目を潰したことがあります。実家の押し入れから引っ張り出したビデオデッキは危険です。

ストリーミングで見るメリット

 近頃はネットでストリーミングで見るという選択ができるようになりました。AmazonやYoutubeなどで有料で視聴するのです。セルかレンタルか、さらには画質でも価格は変わってきます。

 買おうと思えばワンクリックですからレンタル屋に行くより手軽です。貸し出し中や品切れにもなりません。


ストリーミングで見るデメリット

 キャッシュレスや電子書籍が不安な人は読者の皆様の中にもいるはずです。そういう人にとっては感覚的に抵抗があります。私もそうです。

 買った先が潰れる危険、買いすぎてしまうリスク、この手の商品にまつわるリスクは語りつくされているので多くは語りません。

定額サービスで見るメリット

 月いくらの登録料で配信サイトに登録する方法です。近年急激に伸びています。一定期間無料で体験というサービスをどこもやっていますし、最近は携帯電話の料金プランにおまけでついてくることも多いです。

 いずれも料金や配信コンテンツやインターフェースが違いますが、大きな差はなく好みの問題です。また、CS等の有料チャンネルもこの仲間でしょう。


定額サービスで見るデメリット

 元を取ろうと意気込むと疲れます。そうなると本末転倒です。財布にも心にも余裕を持つ精神が肝要です。

 配信コンテンツは増えたり減ったりします。あっちで配信終了になったものがこっちで新たに配信される、というのはよくあることです。かくしてのめり込むと複数に加入することになります。

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