まっすぐな目に何を写す？

彼女のまっすぐな目がすきです。凛とした強さで何を見ているのか、とても気になる。決して大きくはないのに、そのキュッと細められる目に、吸い寄せられそうになります。

対照的に、ときに気だるげに紡がれる言葉が好き。日常を切り取っているようで、でもどこか独特で。

彼女が、すきです。独特のテンションで話しかけてくれる。小気味良いリアクション、ちょっと低くて 軽快な声。

ずっと前から、彼女は自分にとって大切な友だちです。
たとえ同じ部活にいられなくなっても、自分はずっと、彼女のことがすきです。場所をかえて、すきなことに真摯に向き合う彼女は強くて気高くて。とても、魅力的です。

改めまして、よろしくね

彼女とはじめて出会ったのは大学１年生の春です。
迷いながら、「でも、やってみたい」と入った演劇部の活動場所で「はじめまして」を交わしました。

ただ、彼女は 大学内の別の企画で自分のことを見たことがあったらしく、「○○行ってるよね？」と、帰りぎわに声をかけてくれました。
実際行っていたのですが会った記憶が薄く、「うん……」とあいまいに返事をすると、「わたし、顔面記憶力がいいねん！」とにかっと笑ってくれました。

自分は逆に、人の顔を覚えるのがあまり得意ではない方なので ちょっと申しわけないやら、覚えていてくれてうれしいやらでした。

そんなこんなで改めての「はじめまして」をして、それぞれ帰路につきました。

おひさしぶり、あなたはすごいね

大学の演劇部での活動は、あまり一緒にできることが多くはありませんでした。というのも、自分は演劇部と同じ曜日に委員会活動を入れてしまい、部活に参加できずにいたからです。「行きたいのに行けない……」ともだもだしているうちに、彼女はステップアップをはかって より本格的に活動している他大学の演劇部に編入していったため、「演劇部で会う」ということはできなくなってしまいました。「さみしいけれど、応援しているね」なんでありきたりなことしか言えないまま、彼女の背中を見送りました。

大学でときどきあったり、演劇部の稽古終わりの彼女に夜勤中の自分が出会ったりと、ときどき顔を合わせられることはあったのですが、なんとなくそれ以上の話ができないままいました。

そこから時間がたって、「引退公演のお知らせ」を彼女のTwitterで目にしました。なんだかんだ、「応援している」と言ったものの今までみに行くことができずにいた 彼女の舞台。これで最後かもしれないんだ、と思いスケジュール帳を見ると 調整次第では見ることができそうだったので、友人に断りを入れつつチケットを取りました。

はじめてみる表情、不可思議ででもかっこいい動き、引き込まれるストーリー……あっという間の観劇をおえ、「すごかった……！」「もう一回、見に来ていい…？」と大興奮で言いながら、その日の夜公演をそのまま見に行くことを決めました。
２回目に見に行ったときは別の席から見たのですが、別の角度から見ても魅力的で、展開を知っているはずなのにドキドキしながら、これまたあっという間の時間を過ごしました。

……この観劇から、あらためて彼女との関係がスタートしたのではないか、を自分は思っています。

「おお！」から始まる自分たちの

今年に入って、人にあえる頻度がグッと減りました。が、それに反比例して 彼女に会う割合がなぜだか増えました。まるで運命。

そしてあう確率が上がった結果、うれしいことになんだか、自分たちは今までより話すようになった気がします。
進路の話をしたり、実習の話をしたり、こないだはとうとう(?) 彼女がうちに泊まりに来ました。(アクシデントがあった)

「おとまりくる？」なお泊まりじゃない上に、家主は泊まりにきた彼女を置いて出かけたりもしましたが、「困ったときに声かけてもらえるんだなあ」なんて、今思うとしみじみです。しみじみ案件。

いわゆる「普通の部活の関係性」ではないけど、(そもそも部活が普通じゃない環境してる) ここからもっと、仲良くなれたらなあなんて思います。

真っ直ぐな目に、何を写す？

彼女の、まっすぐでまっすぐで 痛いほどに真っ直ぐな目には、いったい何が写ってるんだろう と、仲良くなれていると思う今も思います。

でも、わからなくてもいいのかな、と思ったりもします。だって、彼女のみている景色はきっと美しくて、その目がきらきらしているのを 少し近くで見られるようになったんです。というか、きらきらしてるのを知れたんですから。

だからわかりたい、とも思うけど ときどきすれ違って「よっ！」ってあいさつしてたわいもない話して。
自分には今の関係性、心地よいです。あの子もそう思ってくれたらいいな。

もっと大人になって、自分も仕事に就くくらいになったら聞いてみたい。
「まっすぐなその目に、何が写るの？」って。
だから、これからもよろしくね。