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まさか、レズの私が杉田水脈に感謝する日がくるなんて

杉田水脈議員は最悪の人間だが、どんな人間にもいいところはある。
母にレズビアンがバレてから、私は少しだけ杉田水脈議員に感謝するようになった。

【カミングアウトはしない派だった】

あの「生産性」発言を聞いたとき、
「こんな奴が国会議員とか、日本やべえな。渡米しよう」と思ったが、
アメリカの大統領も「生まれ持った性器によって決定された性別は変更不可能である」と言ってるので、政治家がアホなのは万国共通であろう。

真剣な話…あの発言を初めて聞いたとき、指先がさっと冷たくなった。
「差別されたんだ」と、血の気が引いたのだ。

女と付き合ってるからといって、差別された経験はなかった。
黙ってさえいれば、周りは勝手に私を異性愛者として扱うし、
あえて自分から言わない限り、
私が彼女に自作のラブソングを歌って聞かせるレズだなんてバレやしない。
(ちなみに、彼女へのラブソングは1日3曲ペースで作っているが、歌うと彼女に口を塞がれる。やめるつもりはない)

しかし、杉田水脈議員の言葉を聞いて、「自分は差別されているのだ」と初めて自覚した。あの時の感情は、一生忘れられないだろう。

【理解してくれてる様に見える人も、実はそうでもない】

彼女は、「自分でも役立たずって分かってるのに、国会議員がそんなこと言わなくていいじゃない…」と泣いていた。
彼女はお母様にカミングアウト済みだったが、お母様に杉田議員への怒りを伝えたところ、「あんたに言った訳じゃないから怒らなくてもいいじゃない」と諭されたらしい。彼女はまた泣いていた。

彼女は親にカミングアウトをし、そのせいで辛い思いもしてきた。
なのに、自分だけはそれを隠して傷つかない様に生きている。
そんな自分が本当に情けなかった。
自分がカミングアウトすれば、少しだけでも世の中から偏見をなくせるかもしれない。身近にLGBTがいるんだと知ってもらえれば…。
両親にカミングアウトする勇気はないが、妹だけには伝えておこう。
そう決心したのである。

【妹の反応は予想外だった】

妹に「女性と付き合っていて、一緒に暮らしている」とLINEで伝えた。
簡単な事だと思っていたが、いざ文字を書くと、緊張した。いろんな不安が頭をよぎる。無視されたら? キモいと思われたら? 親にバレたら?
いや、心配はない。どうせ、「ふーん、別にいいんじゃね?」ぐらいの反応だろう。

妹の返信はすぐに来た。

今、自分で読み返してもうるっとくる。
もしタイムマシンがあれば、妹をデブ呼ばわりしていた小学生の自分をぶん殴りに行くであろう。タイムマシンがなくてよかった。

いつもおバカ扱いしていた妹が、大人になっていた事に驚いた。
(LGBTという単語を知ってるなんて!)

【杉田議員のおかげで、大切な理解者を得られた】

妹は、私が母にレズバレして以来、母を説得してくれたり、
私に母の様子をこっそり知らせてくれたりと、忍者の如く暗躍している。
私が母との関係を微妙なバランスで保てているのも、全て妹のおかげだ。

杉田議員のあの発言がなければ、妹にカミングアウトすることもなく、
今ごろ誰にも相談できずに1人で思いつめていたかもしれない。

杉田議員のおかげで、
姉妹の絆が深まり、大事な理解者を得られたのだ。
少しは役に立つじゃないか、杉田議員。

妹は成人式を迎えたばかり。
妹の様な大人が社会の一員に加わる事は、日本が良くなっていく証ではないだろうか?

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