えぐる

元書店員 読んだ本の記録用に。

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最近の記事

05:お探し物は図書室まで/青山美智子

何度だって読み返したくなる。 なんか色々受賞してたので気になって手に取った作品。 心に響いた言葉をいつでも読み返せるようにと思って印をつけたら付箋だらけになってしまった。 何かに迷ったとき、行き詰まったとき、見失いそうになったとき、 大切なものがわからなくなったとき、選ぶのが怖くなったとき、 未来が怖くなったとき、明日が不安になったとき、、、 生きてく中で直面するほんの些細なことにそっと寄り添ってくれる本。 小さなことに気づかせてくれる、とても優しい本。 思い出してじんわ

    • 04:カラフル/森絵都

      生きるって選択がしたくなる。 今更と思いつつ名作にも少し触れたくて読みました。 サスペンスとかそういう”犯人”がいるようなストーリーだとついつい当てたくなっちゃうんですが、この手のあやふやにされている部分は本編で語ってくれるまで全くわからない笑 察することもできませんでしたが判明してスッキリしました。なるほど、そういうことか…と。 いい話でした。読みやすくてコミカルで温かくて優しいお話。 視点を変えるとこんなにも自分のいる世界って変わるんだなと気づかせてくれるような作品。

      • 03:水やりはいつも深夜だけど/窪美澄

        強く生きたいね いろんな家族の形、どれも重たくてしんどい。窪美澄さんの作品はずっしりしていて重たい。好き。 個人的に 『かそけきサンカヨウ』 『ノーチェ・ブエナのポインセチア』 が好き。登場人物が重複していてより面白かった。ああ、そう繋がるんだ…という驚きもあり、なんていうか、こういう家庭に何かしらの事情を抱えている二人ならきっと長く良い関係を築けるんじゃないかなって、救われた気持ちになった。 サンカヨウって透明の花、一度見てみたいな。

        • 02:母性/湊かなえ

          愛って最強の呪いかもしれない。 母性とは何か、を考えさせられる話だった。 娘にとっては聖母のような母も第三者(こちら側から)目線で見ると毒親のようにすら感じ取れる。子に対する愛情とは愛し方って人それぞれだと思うけれど、度が過ぎているというか過剰すぎるというか……狂気的だな、と。 自分がそうされてきたように自分の娘にも同じように接しようとする母、自分の母の様に振る舞っているつもりなのかもしれないけれど、心がずっと子どものままで読んでいてしんどかった。勿論いい意味で。 母親と

        05:お探し物は図書室まで/青山美智子

          01:死刑にいたる病/櫛木理宇

          好きだ、この連続殺人鬼。 ひたすらに面白い作品だった。 冒頭から引き込まれるのはFラン大学で鬱屈とした日々を過ごす筧井雅也くんがすごく身近に感じられたからかもしれない。 この筧井雅也くんが事件を調べていくうちにのめり込んでいく様、正直一番ヒヤヒヤした。取り返しのつかないことをしてしまうのではないか、もう戻れない一線を越えてしまうのではないか、、、そんな気持ちで読み進めた。 筧井雅也くんがこうなったのは明らかにこの作品に出てくる榛村大和という連続殺人鬼の影響なのだけれど、

          01:死刑にいたる病/櫛木理宇