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ジェズスはシュートを狙ったのか【レビュー】【Premier League2019/2020第30節】マンチェスター・シティvsバーンリー

どーもあぐおです!

一日おいての更新になってしまい、申し訳ございません。私用でございました…。

さて、本日取り上げる試合はこちら
Premier League2019/2020第30節
マンチェスター・シティvsバーンリー

です!


目次
・フォーメーション
・簡単なゲームモデル
・試合内容&解説
・総評


フォーメーション

青のチーム:マンチェスターシティ
緑のチーム:バーンリー


簡単なゲームモデル

マンチェスター・シティ
ボール保持
→ポゼッション
ネガトラ
→即時奪回
ボール非保持
→4-4-2
ポジトラ
→ポゼッションへ移行

バーンリー
ボール保持
→いい状態で2トップへ蹴る
ネガトラ
→ブロック重視であるが、奪いに行く
ボール非保持
→4-4-2のブロック、後半からは攻め込まれたら4-5-1へ
ポジトラ
→セーフティに前へ


試合内容&解説

前半
立ち上がり、意外にも前から奪いにきたバーンリー。前節、ブロック形成に重きを置いていたものの、こちらも前からプレスをかけるシティ。
オープンな展開が期待されます。

5分を過ぎると次第に試合が落ち着いていきました。
ここで見受けられたのは、ポゼッション成功の鍵となる+1ルールです!

シティのGKを経由したプレッシング時、2CBに対してバーンリーの2トップが同数でのプレスを狙います。その際、+1で数的優位を作ろうとするロドリを切りながら出ていくのですが、偽SBの立ち位置を取るカンセロやジンチェンコ、そもそもの技術の高いエデルソンがビルドアップに加わることで、+1ルールどころか、+4くらいの数的優位を作れるのです。

また、B・シルバも降りてくることがあり、こうなると、2トップ(SHもプレスに加わろうとするものの、距離が遠くプレッシャーをかけるほどにはなっていない)だけではコースの限定すら難しく、1stラインの突破は非常に容易かったと思われます。
バーンリーとしては突破される前提なのかもしれないので、予想の範囲内かと思われます。ただ、カウンターのために2トップを前線に残したままにしていたのはいただけません。
後半途中から押し込まれた際に4-5-1へと移行したように、試合を通しての決まりごととしておくべきだったのではないかと思われます。
事実、攻撃ラインと守備ラインの断絶されているような形で、怖さを感じませんでした。
なるべく前向きの選手が多く追い越してくるような攻撃の方が機能しそうです。
とはいえ、そうできない理由や、2トップの方が好ましい理由もあるとは思うので、監督素人の私はこれ以上は黙ります。すみませんでした。

さらに試合が落ち着いて、シティのペースになると、偽SBの役割も左右で異なるようになりました。
右SBのカンセロは少し引いた位置。ウォーカーの担う役割のような形で若干3CB気味の位置を取ります。これにより、ロドリがCB間に落ちて+1ルールを作らなくても数的優位を確保できました。
一方、左SBのジンチェンコは、カンセロより高い位置をとります。フォーデンが中に入っていけるよう、大外の高い位置、相手の右SHの背後を取るような位置取りです。この位置からナナメに楔のボールを刺していました。

前半16分。某解説者が「シルバは未来が見える」とTwitterにておっしゃっていましたが、このシーンはチームとして作り出したものであり、決してシルバ1人の能力ではありません(もちろん、寄らない判断等素晴らしいものがありますが)。
後ろの位置で数的優位を作り出せたので、次にどこを通すか、ボールを持って探す。IHがギャップに立つことで、相手はそれをケアしなければならない。必然的に中央を通すパスコースが切られてしまうのでサイドにつけます。
そこでジンチェンコの立ち位置。SHの背後を取り、SBも出れない絶妙な位置取りをしているため、誰も寄せられない。しかし気を取られるその瞬間にシルバに対してナナメにボールを刺す。このようなシーンが再三確認されました。
つまりこのシーンは「未来が見えた」ために生まれたわけではなく、チームとしての共通理解がなし得た戦術となります。

さて、前半22分。シティ優勢の時間が続く中、コーナーとは無縁のはずのシティが、なんとショートコーナーから2点を奪います。
解説の方も度々言及していましたが、バーンリーはショートコーナーに対する対応が良くありませんでしたね。
ただ、それでもフォーデンは自身の期待に対して最高の形で答えてくれました。

さらに勢いは止まりません。前がかりになったバーンリーに対して、自陣深くからフェルナンジーニョがハーフラインのマフレズにボールを届けます。マフレズは独力で仕掛け、カットインのフリをしてから右足に持ち替え、そのまま右でゴールを奪います。
おそらく彼は切り返そうと考えてはおらず、本当にカットインするつもりで、キャンセルしただけ。ただ相手の逆を取っているのでしょう。それが非常に難しいんですけどね笑
それにしても、抜け出すときの逆足アウトによる加速は素晴らしかったです!

その後、PKにより3-0。
疑問の残る場面になってしまいましたが、ここは(かつてあと一歩まで追い込んだリバプール戦で宇宙を開発した)マフレズがGKに読まれながらもきっちり決めました。
ぶっちゃけマフレズのPK成功率は高くないと思っているので「外すのでは?」と思いましたが、事なきを得ましたね。

(ただ、我らがエース、アグエロが怪我をしてしまったことは何よりも悲しいことです。
筋肉系の怪我かと一瞬思ったのですが、長引きそうな気がして、非常に辛いです。。)

前半だけで3-0になってしまったため、バーンリーとしては非常に難しい展開です。前から行きたいですが、2点目のカウンターがチラつくでしょう。
反対に、結果だけ見れば調子のいいシティですが、全体的なテンポが悪く感じます。一人一人が持って探して考えて、という状況なのでなかなかスピード感がありません。
ヨハン・クライフが見たら嘆くのではないでしょうか?1タッチ、多くて2タッチでやれ!と叱られるかもしれません。

後半
点差がついてしまったこともあり、バーンリーはやはり前から奪いにきます。

しかし、またしても点を挙げたのはシティ。
そして、またしてもこの男。フォーデン。
誰もが、彼が顔を上げた先を見てしまっていたのではないでしょうか。ノールックで通したパスを受けたB・シルバはGKとDFの間に低く早いボール。そして合わせたダビド・シルバ。
あれほどコーナーを苦手とするシティらしくもない、コーナーから1試合に2得点を奪う形になりました。(実際、シティがコーナーを苦手にしているというより、そもそもコーナーから得点できる確率は2.2%程度とされる:参照『サッカー データ革命』)

さて、後半、立ち上がり早々に点を奪ったシティですが、重要な変化が2点あったように思えます。

まず一つはテンポupした点です。
あれだけ点が入ったのに、どこか白熱さの足りない前半でした。その理由はおそらくこのテンポにあったと思われます。
一人一人のボールを持つ時間が長かったのです。
後半に入り、ガラッと変わりました。
ほとんどの選手が2タッチ以下でプレーをするようになったのです。
おそらくロッカールームでペップから「テンポ、テンポ、テンポ!」と映画『セッション』さながらに言われたことでしょう。(まだ見てない人は超面白いので是非笑)
バーンリーからしたら非常に捕まえにくくなったと思われます。

二つ目は、ジェズスによる偽9番です。
これは、アグエロ推しの自分からするとちょっと悔しいし、不安にもなるのですが、ジェズスは偽9番をできる選手だと思っております。
前節のアーセナル戦でも、リヴァプールのような形に見えたのですが、この試合はその続きのようでした。

中盤とDFラインの間に立ち、ボールを引き出し、ターンして捌く。バーンリーのCBはマークする相手が定まらず、両WGにピン留めされたSBよりも高い位置にフラフラっと釣り出されていました。
そのCBの脇にKDBがジェズスより高い位置を取ることもあり、またさらに戦術の幅が広がっていそうですね。

そして、後半18分の5点目。
これにより、試合は完全に終了した感がありました。
さて、解説の方がシュートミスと指摘したこの場面ですが、ここには一考の価値があると思われます。
なぜなら、パスを受ける少し前、ジェズスは膨らむために自身の外側を確認したのです。その際、視野の端にフォーデンを確認したはずです。
ただ、確認した時点でフォーデンは相手DFの後ろにいるため、スペースにフリーで走り込めるか怪しいです。
いざ打つタイミングとなると相手DFがジェズスの前にいるものの、ジェズスが膨らんでから入った分、ニアが空いているように思われます。なので、そのままニアを打ち抜き、ゴールを決めることが最も良いプレーなように思われます。
ただ、小気味よいパスがずっと繋がっていたと頭の片隅にあれば、パスを選択してもおかしくないかもしれません。
結果、フォーデンはGKと1対1になり、きっちりと決めます。
しかし、もし、相手選手が少しでもゴール前に戻ろうとせず、フォーデンを見続けていたら、大チャンスのシーンで容易くクリアされていたことでしょう。つまり、このシーンでパスを出すのは正しい判断かと言えば難しいです。
そのため、ジェズスはアシスト後も少しも満足げな顔をしなかったと思われます。(とはいえ、大量得点で勝っているときに点を決められないと不満そうな顔をしているのはいつものことですが笑)
若干、狙ってパスを出した派の意見で考えてみましたが、これは本人に聞かないとわからないですね。まあ、聞いたら聞いたで「狙ったよ」と言いそうですが笑


総評

長くなってしまったので、今回はあぐお's Pick up pointはおやすみです。本当は途中交代で入ってきたKDBのハーフスペース攻略法をやりたいと思ったのですが、それはまたの機会にします笑

では、総評です。
5-0という文句のない快勝のシティ。
唯一の不満だったテンポの部分もすぐさま後半に修正してくるあたり、さすがの選手の質です。
ターンオーバーなのかレギュラーなのかわからない選手ばかりなので本当に頼もしい選手層ですね。
一方でバーンリーは非常に難しい試合となってしまいました。ここまで力の差があると完全に引いて守るべきかな…とも思ってしまいますが、結局コーナーが増えて、また失点を重ねていたようにも思います。
途中から4-5-1の形で守る場面が出てきたように、ドン引きしなくても2トップを残したままというのはやはり良い手ではなかったようですね。
ロングボール主体ならばその後の回収まで考えた配置にしたかったです。例えば逆サイドも全て絞り、圧縮して勢いで縦に押し切るなど。
チーム全体での押し上がりもイマイチでしたが、シティと異なり、再開後初試合ということもありますので、なかなか難しいのでしょう。次節以降の修正で挽回を狙って欲しいですね!

あとはどうしても一言だけ!笑
言うまでもなく、素晴らしかったフォーデンについて言及しますね!
私は彼をダビド・シルバの後継者だと思っていたのですが、どうやらフォーデンという選手として成長していきそうです。
確かな技術に加え、スピードもあり、素晴らしいキックを持つ彼。まだまだ細いですが完成したらかなりのスケールを持つ選手になるかもしれません。
シティの未来は輝いていますね!!


以上、レビューでした。
読んでいただきありがとうございます!
アグエロの怪我が嫌で嫌で堪りません。。
早く治して、また最高のストライカーとしてのプレーを見せて欲しいですね!!


4時に起きて試合を見て仕事をして…
いやぁ、社会人というのは大変なんだなぁと改めて思う今日この頃。
皆さんも一緒に頑張っていきましょうね笑
今後ともよろしくお願いします☺️

次回もお楽しみに!!
ではまた!

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