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オランダの農業を変えたハウス内ヒートパイプレールの発明

オランダのグリーンハウスの通路にはヒートパイプが引かれ、この上を様々な作業車が走るレールの役割も兼ねています。

世界中のグリーンハウスに導入されているこのヒートパイプレースシステム。50年前の1960年代のオランダ・ウェストランドで、トマト栽培農家だったゼグワード・ザープさんによって発明されました。

パイプレールシステムと、そこから生まれたパイプレールトロリーは、ハウス農業を大幅に変え、効率の向上、エネルギーと水の削減、作物の収穫量の増加、大幅な労働力の節約、温室の拡大と拡大、そして労働条件を大きく改善しました。

「最初は誰もがそんなことはできっこないって言ったんだ。不可能、インポッシブルだって。」
「だから、もし誰かが不可能だって言ったらこう答えるんだ。OK、では試してみようじゃないかって。」

無名の人々の創意工夫と発明で世界は成り立っている。

発明者のザープさんはなんと、去年コロナ感染で亡くなってしまったそう。世界のハウス農業に大革新を起こしたザープさんと、オランダの農業革命の本が出版されています(オランダ語のみ)。

現在の様々なハウス内ロボットもこのレールを使って移動します。不安定な土の上でロボットを安定して動かすことは難しいですが、50年前に発明されたパイプレールが世界中の農業ハウスで利用されていることで、効率的に安定してロボットが動作します。近いうちにオランダのハウス内で活躍する様々な農業用ロボットを紹介したいと思います。


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