オランダ農業ハウスのセンサーとデータ

オランダのハウス農業は世界一の高効率と言われます。これは緯度が高く、寒冷な気候で、冬場の日照量が少ないため、大規模なハウスを作り、熱、光、CO2等エネルギーを外部から投入し続けなければならない環境であることと、オランダ人の超合理的な気質が関係しているのかもしれません。

植物のストレスを最小限にし、できるだけ少ないエネルギーと労働力で最大の収穫量を得るために多様な分野の専門家が関わっています。

訪問させていただいたハウスは高さが7メートル。古いハウスは5mということですが、現在オランダで新規にハウスを作る場合は7メートルが基準となっているそうです。高さを上げることで植物まで空気のバッファを作り、環境の変化を抑えてできるだけ一定の環境を植物に提供できます。

ハウス内の環境の制御は自動化されており、窓やスクリーンの開閉、ヒーターをコントロールしています。制御エンジニアはエネルギーを追加せずにハウス内の環境を一定に保つことを求められます。

ハウス内では実際にどのようなデータを取得しているのでしょうか。

この農場では数々のセンサーとカメラを設置し、外部からモニタができるようになっています。ソフトウェア開発者がアクセスできるようにWebAPIも用意されており、データにアクセスできる環境を作ってもらいました。

データはモジュールごとに管理され、モジュール内にデータアイテムがあります。モジュールとアイテムと日付を指定することでセンサーを設置してから現在までの全てのデータにアクセスすることができます。データ形式はJSONなのでどの環境からも使いやすいデータです。

ざっくりデータを見てみると1モジュールごとに40項目ものデータポイントがあり、ハウス内外のさまざまな環境データ、窓やスクリーンの制御データ等、それぞれ5分ごと、1日ごと、夜のデータ、昼のデータと分けて取得することができるようになっています。

また、植物のデータも取得でき、光合成有効放射、成長点の高さ、茎の太さ、単位面積あたりの葉の数等のデータもあります。

カメラはハウス内に複数、異なる高さで設置されており、数分ごとに自動で撮影されています。カメラの生データにもAPIからアクセスができ、昼はRGBカラー、夜は赤外線の写真データが取得できます。

これだけ多量にデータがあると、ソフトウェアエンジニアとしても、とても面白いスタートです。

ハウス内外の環境データやコントロールデータ、これだけのデータがアクセスできるとどのように使いたいでしょうか?






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?